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2024年年頭覚書

2024年年頭覚書

散歩が好きで毎日一時間は犬のように街をウロウロする生活を続けております。
相も変わらず校正も構成もない駄文で恐縮ですが、本年もお付き合いいただければ幸いです(たまにしか書かないけど)。
的外れはどうぞご指摘ください。

その1.webtoonみんなでレベルアップの件

webtoonは次のフェイズに入るんじゃないですかね。
集英社さんの参入で、個人制作、費用あんまりかけない制作へ。
多分、漫画家さんの起用、個人制作が増えると思いますし、別にスタジオ制作でなくてもいいじゃん?という風向きが強くなる。
そうなれば参入者も増えるでしょうし、市場も盛り上がる。

先行のプレイヤーさんの考えはわかりませんが参入障壁(初期投資と言ってもいい)は低い方がいいんじゃないでしょうか。
そうすればみんなでレベルアップできるんじゃないかなーと思います。

あと色んなとこでIPIP聞こえてきますが、そうやすやすとは、すげえコンテンツは作れないと思うので(わかってるって?)とにかくプレイヤーが増えて、誰かが大ヒット出せばいい。
狙って作れるもんでもないしね。(とは言えできちゃうこともあるけど)

個人的にちょい思うのは、世界を目指すとか外向きの視線も重要とは思う一方、もっと内へ内へ掘り下げて、地球の反対側まで突き抜けて気づいたら別世界?みたいな掘り下げをする作品も多少作った方がいいのではないかと。

経営としてはなかなか難しい判断だとは思うものの、結局のところ息の長い、ロングテールの作品は大抵そういう風にして生まれた作品のように思うんだけどな。
やたらと作ってもそんなにロングテールにならない、資産化しない作品の方が多くなるだろうし(多分)。
漫画も含めて玉石混淆で作品数も多いですから当然と言えば当然ですが。
少しだけでも万馬券に賭けるガッツ(もちろん裏付けがないとダメですが)あってもと…。

その2.コミックスの自社発行

弊社WeComixの今年の仕事として一番大きいのは風濤社さん(「地獄」の絵本とかで有名です)のお力添えをいただいての自社発行コミックスのお仕事です。自腹です。借金です。抵当です。
デジタル!webtoon!と皆が(皆でもないか)言っている時代に逆モーションですが、紙が確実に売れる作家さんは、会社にとってはやはり大きな財産だということをヒシヒシと感じております。

第1弾は1月30日発売で、
にくまん子さんの『泥の女通信完全版』。
前作から推していただいているあいみょんさんから
オビコメントいただきました。

第2弾は初夏頃目標で中村明日美子さんの単行本未収録作品を中心にしたBL短編集を予定しております。
艶のある作品を集めた作品集になる予定です。

過去作の再発など、ご興味ある作家さんは是非WeComixまでお問い合わせください。

ここしばらく紙の単行本の制作をやっていて、今さらながら自分は紙の本が好きなんだということを再発見しました。
デザインとか、紙選びとか楽しいですよ。

でも一方で紙の出版もまた色々厳しいことも多いことを、こちらも今さらながらですが思い出しました。
久々の紙の制作なので色んなことをコロっと忘れていました。

紙の市場そのものの縮小は言うまでもなく、大手と比べて取次からの入金がおっせえ問題(大手は翌月その他は6か月後!)とか、コミックスの単価の安さとか(同じページ数なら文字ものは1800円つけられる)、本当にこの世は問題山積だ…。
紙のコミックス出版事情はまた別の機会に書こうかな。

3.引き続きの料率問題

この仕事をやっている限りは終わらない課題ですね。
もはやライフワーク。
文句だけでなく色々と取り組んではいるんですが、花咲くには時間がかかりそうです。
でも日本人はどうして不平等に対してこんなにも耐性があるのか私には謎です。イーロン・マスクの伝記でも読んで、理不尽への怒りをもっと醸成しましょうよ。

海外ではメディア関係の独占禁止法の話がよく出ますが、日本ではほぼ出ませんよね。
去年Yahoo!の記事の件がちょっと出たくらいかな。
「ニュースサイトの記事使用料 著しく低い場合、独占禁止法違反のおそれも」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c156ffa49715f84bf1b9e2eb5b390ce2513c7cd9

料率はね、ほんとにヤバいですよ。
ボディブローのように効いてくる。
小出版社5人で年1億円のキャッシュが入ってくる事業になったとして、料率が大手と平等(に高ければ)なら、いきなりプラス1億円ですよ? 
5人で割って一人2千万。老後の費用2千万円問題が一瞬で片付きます。
(税金がどうのとか言うなよ?)

料率が10%上がっただけでも1千万のキャッシュ。
ページ1万の作品なら1000ページ、1話24ページとして40話以上作れちゃう。
そこから単行本作れば1冊192ページで5冊作れる。
事業が回る回る。人も雇える。この違いは本当に大きいです。

何より「作家さんへの戻し」が増える!!!

不労所得のプラス1億。
配信サイトさん、私が稼いだはずのあのお金は、一体どこへ消えているんでしょうか。(宣伝費とか言うなよ?)

売れても売れても、大手作品への年貢に使われているようにひしひしと感じる日々が永遠のように続くので(気のせいかも知れませんが…)、ダークサイドに堕ちそうになることもしばしばです。

発展途上業者は、何も手を打たなければ先進業者(あるいは他国)に食われるこの不平等な世界がこの先何十年、いや一生と続くことを想像した方がいいです。
半分の料率では同じように面白い作品を作ったとしても、絶対に大手になれない(と思う)。だって集英社に対抗できるようなスーパーな会社が半分の利益率で出来ると思います?

成功してから交渉すればいいなんてことは絵に描いた餅です。
配信サイト側もこれから成長していく若い人たちから過剰な搾取しないで、育てていくような姿勢をもっと持って欲しいです。欲しいです。欲しいです。

まあこっちも事あるごとにジャブとボディブローを出していかないと。
じゃなきゃもう文脈を変えるしかない。個人的にはこちらの方に魅力を感じるけど。

Amazonが色々言われてますが、みんな平等に70%、35%払いますよという、KDPの潔さというか、効率の良さとかを他の配信サイトはマジで見習ってほしいです。
しつこいですが、アプリだって年貢が高いとは言え、「一律」30%でしょ?
日本の配信サイトが一律にできない理由がない。

まずは「平等な取り扱い」を皆で目指しましょう(あるいは革命を)。
この件について、タレコミなどあればお待ちしております。

4.AI画像生成問題


あとAI画像生成か。
めちゃ興味あるし、これで漫画を一本は死ぬまでに作ってみたい。
ほんの1,2年前に、近いうちにAIで漫画が描けるようになったらいいよねーなんて言ってたのが嘘のような急激な進歩。
AIに助けてもらうというのはありだと基本的には思ってますし、これを触らないというのは個人的にはないかな。
だってこれ、本当に画期的なことですよ。

AIに学習されるとか、過度に恐れなくてもいいんじゃないかなー。
生成画像を使う人はどうやったって使うだろし(違法にという意味でなく)、
警戒し過ぎてAI排除みたいな方向にはいかないで、うまく折合いをつけて欲しいというのが正直なところ。
ハリウッドの俳優さんたちのデモも当然とは思う一方で、この流れは絶対に止まんないと思うので。

少なくともこれまで見たことのない世界が見られるんじゃないでしょうか。
それって楽しくないですか?

まとめ


1.webtoonはみんなでレベルアップ!
2.WeComix、コミックスの自社発行するってよ
3.ビッグブラザーに恐れずジャブ!
4.AIを学習して使い倒す!

ということで、本年もよろしくお願いいたします。

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