◯それは出会い頭 (ちょっと絵がついた)

※制作中の『はじめようミニチュアゲーム2017』の本文の途中経過をちょっとずつ公開しています。

※記事は最後まで読めますが、企画を支援したい方がいらっしゃいましたらぜひちゃりんとお願いします。

「ちこくチコク遅刻ーっ! わぎゃあっ!
 教室へと急ぐ琴乃ハジメは、角を曲がったところにいた誰かと正面衝突してしましました。
 ハジメはごく普通の女子中学生なのですが、かなりの慌て者で、おねぼうさんの遅刻常習者で、授業中にもよく眠るタイプの女の子なのでした。
 変な悲鳴をあげたハジメは衝突の反動でよろめき後退し、そのまま尻もちをついてしまいます。
「ぎゃあっ」
 ぶつかられた方も断末魔のヤギのような声をひと声発すると、どすんと尻もちをついてしまいました。
 その拍子に……。

※画:ちらばるミニチュアたち

 ばらばらばら……っ。
 ぶつかった相手の引いていたキャリーバッグのふたが開いてしまい、なかなか小さな何かがたくさんこぼれ落ちました。
 なかには床に落ちたとき、どすんと重い音を立たものもあります。「痛たたた……うん? なにこれ。ちっちゃな……人形? フィギュア?」
 ハジメは落ちたもののひとつを拾い上げてまじまじと見つめます。それは小さな小さな人形でした。ゲームやアニメで見るファンタジーの戦士の姿の人形の大きさは、ハジメの人差し指の長さよりも背が小さいのです。
「あーっ! 私のミニチュアーっ!
「ミニ……チュア? あーこれ、ミニチュアっていうんだ、すごいよくできてるー、リアルー。しかもこんなにたくさん。みんなあなたが作った……のっ?」
 ハジメは自分と同じに尻もちをついている相手を見て目を丸くしました。

※画:尻もちをついたガラテア

 自分と同じ学校の制服を着た女子生徒……でも、けれどしかし。その女子生徒はハジメの手にしたミニチュアの戦士のようなヘルメットをかぶっていたからです。
「だっ、だれっ?」
「それはこっちの台詞よ、ぶつかっておいてなにその態度」
「しょーがないよー、アキナちゃん。そのヘルメット見たら、誰でもこうなるってー。あ、あたしは友田チヨ、このヘルメット女子、唐橋アキナちゃんの友だち。あなたは?」
「……あ、あたしは琴乃ハジメっす。ご、ごめんなさいぶつかっちゃって。ちょっと慌ててたから。あ! チャイム! ……遅刻だあ」
 なげくハジメをよそに、無情にも始業を告げるチャイムが校舎に鳴り響いたのでした。
 そしてこれが琴乃ハジメと変な女子生徒……もとい、ミニチュアゲームとの出会いだったのです。


※こんな感じで、琴乃ハジメちゃんの体験を通じて「ミニチュアゲームとはなんぞや」という紹介を進めていこうと思いますよ。

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