『MGC 宵之宮学園ミニチュアゲーム同好会』

※このおはなしは、「ミニチュアゲーム」という少しマイナーなゲームを題材にしたのんきな軽~い小説です。
おはなしは無料で最後まで読むことが出来ますが、応援したい! という方は「ちゃりん」してくれたら嬉しいです。(ちゃりんしてもらったお金で新しいミニチュアを買うのだ!)また「ちゃりん」してくださった方向けのおまけとして、注釈をつけました。こちらもよかったら読んでください~。
※いちおう連載を予定しています。今回は第2章まで。

【01 いまのところふたりの会話】
 ふたりの女子がため息をついています。
「新入部員来ませんねえ」
「やっぱり、実際にミニチュアが動いて戦わないとダメかしら」
「あーあのアニメですか?(01) でもあれ、せっかく作ったミニチュア壊しちゃうじゃないですか。(02)あんなのいやです、私」
 テーブルの上には緑の草原や丘建物が再現されていて、広い箱庭になっています。そしてその上に小さなフィギュアがたくさん並んでいます。(03)
「私だってそうよ。でも、あれくらいしないと、いつまでもプラモデル(04)なんかで遊んで、ほんと子供なんだから~って思われそうじゃない?」
 ミニチュア……彼女たちは小さなフィギュア(05)をそう呼んでいるようです。そのミニチュアをひとつひとつ箱庭に並べていきながら眼鏡(06)の女子が言います。
「それはそうかもしれませんけど。でも実際、ミニチュアは動きませんから。おっぱいの大きな先輩(07)はいますけど」
 指摘されたもうひとりの女子は自分の胸元に視線を落とします。確かにとても大きなおっぱいです。たわわです。豊かです。山脈です。
「あら。それを言ったら、おっぱいが控えめなメガネの委員長(08)だっているじゃない。なのに部員が集まらないっておかしいわよ」
「…………気をつかった言い換えありがとうございます。でも、おっぱいの大きさは新入部員には関係ないと思うんです。あと眼鏡も。だいたい、それを目当てに入ってきた新入部員なんていやじゃないですか?」
「まーねえ……でも、この際あまり贅沢は言ってられないんじゃないかしら。げんざい、我がミニチュアゲーム同好会のメンバーは私とあなたのふたりだけ。このままだと部室の利用権が取り上げられてしまうわ」
「ああぁっ、伝統ある〈ミニチュアゲーム同好会〉(09)が私たちの代で終わりになってしまうなんて……っ」
「待って待って。部室がなくなっても、いきなり廃部にさせられるわけじゃないのよ?」
「でも、この部屋がなくなったら、先輩たちが残していってくれたミニチュアはどうなっちゃうんですか? これがなくなってしまったら、廃部になったも同然じゃないですかっ」
 眼鏡の少女は背後に腕をぶんっと振ってみせました。壁いっぱいに並んだ棚には、箱庭の上にいるようなミニチュアたちがたくさん……数え切れないほどたくさん並んでいます。
「それは……そうねえ……」
「とにかく私と部長を含めて5人! 5人の部員をなんとか集めなくちゃ!」
 眼鏡の少女はぐっと握り拳を作りました。
「そうね。がんばってね沙織ちゃん」
 おっぱいの大きな先輩はにっこりと微笑みます。
「部長! くらら先輩っ! ひとごとみたいに言わないでくださいっ」
「ほら、私、そういうのあんまり得意じゃないし。こういうことは、沙織ちゃんの方がきっと上手よ。だからお願い」
「先輩も働いてくださいよっ。ほら得意なことあるじゃないですか。そのおっぱいとか!」
「これは特技じゃないし。だいたいうち女子校よ?」
「先輩のおっぱいに触ってみたい女子、けっこういっぱいいます! それに、オトコに触られたいですか?」
「………………相手によるわね」
「そこ真剣に考えなくていいですっ!」

【02 説明ぜりふはよくないので地の文で説明しますよ】
 ここは宵之宮学園(10)。女子校という少女たちの園の片隅に、〈ミニチュアゲーム同好会〉というクラブ活動をしている少女たちがいました。
 それにしても「ミニチュアゲーム」というのはいったいなんでしょう。
 箱庭や、棚の上に並んでいる小さなフィギュアがミニチュアというらしいということまでは分かりましたが、ゲーム? このミニチュアを使ってゲームをするということなのでしょうか。
 その説明はいずれさっきからおっぱいの話をしている、このふたりの少女にしてもらうとして、まずはそのふたりの紹介をしましょう。
 ひとりは〈ミニチュアゲーム同好会〉の部長(会なのに部長なんてちょっと変ですが、こう呼ぶ習慣になっているようなのです)、琉角参くらら。さきほどから話題にあがっているように、とってもおっぱいの大きな、髪の長い少女です。そしてとっても顔立ちのきれいな女の子でもあります。きっともう少しおっぱいが小さかったら、彼女を見るひとは、みんなくららの顔立ちの美しさの方に目を奪われたでしょうが、実際にはびっくりするほど大きなおっぱいばかりが注目を集めてしまうのでした。当の本人は、そんな周りのひとの反応にもう困惑するのにも飽きてしまって、なんとも思っていないようですけれど。
 もうひとりは南風沙織。肩より少し短い髪の眼鏡の少女です。やはりさきほど言われていたように、おっぱいは控えめです。なにやらおっぱいにこだわるなあ、と思われる方もいるかもしれませんが、これはあくまでふたりの話題に出たからで、他意はありません。ないんですよ?(11)
 いまのところ〈ミニチュアゲーム同好会〉たったふたりのメンバーである、くららと沙織が、このおはなしの主人公ということになるのでしょうか。
 ともかくまずはふたりの様子を続けて見ていきましょう。

つづく!

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