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『血の遠征の時代』と『働き者の奴隷メグ』について

※この文章は無料で全部読めますが、もちろん支援は大歓迎でお待ちしてますんですよ?

 今回は、2本の短編を掲載しました。
https://note.mu/tanaka_kei/n/n87d5b5a47aac

 どちらも架空世界カナンを舞台にしたおはなしですが、それぞれ色合いがえらく違うので、ちょっと解説めいたことをした方がいいのかな、と思い立ちましたんで書いてみますよー。

※舞台となっている架空世界カナンについては、こちらのガイドページを見て下さいね。
https://note.mu/tanaka_kei/n/n6547e2396851?magazine_key=maabd22c01e02

『血の遠征の時代』
 「血の遠征」とは、カナンの歴史、神聖期初期に「実際に起きた」戦乱で、この時期に多くの少国家が、勃興する大国に飲み込まれています。
 そんな時代に起きたであろう出来事のクライマックスだけを切り取ったおはなしが『血の遠征の時代』というわけです。
 定住をせず、略奪を生業としていた騎馬の民の国家が、やがて新勢力に対抗するべく定住するようになり、ついには敗北していくその瞬間。
 略奪婚により、王の妻となった女の正体は実は……というおはなしなのです。
 こういう歴史劇的な物語も、年表やら事典やら、設定がいっぱいあるので描きやすいのがカナンです。
 ところで、カナンでは武装階級のことを「さむらい」と訳しています。カナン語では「カイラーナ」と言います。(余談

※カナンの歴史や文化についてはこちらを見てね
http://imaginary-fleet.sakura.ne.jp/ca/world_main.html


『働き者の奴隷メグ』
 うってかわって、軽いノリの一人称文体のこちら。
 彼女が働くお店のちょっと変わった特徴を、読者にじょじょに明かしていくための一人称視点なのですが、どこが変なのか、わかってもらえましたよね?
 とある人物(いや、正確にはひとじゃないし)が経営者であるこの飲食店に集まってくるのは……まあ人間ではないわけです。
 カナンの神様(「ムング」といいます)は、こんな具合でなかなかフレンドリー。人間とも気軽に交わります。
 実際のカナンでこんなに気軽に人間が神様と交われるかはわかりませんが、すくなくともカナンのひとたちがこういうことを信じていたのは本当で、カナン語の警句や慣用表現にもそんな意識が現れています。
 そんなカナンの一面を知って欲しくて書いたおはなしですが、ちなみにヒロイン、メグちゃんの奴隷という立場は、私たちの世界でいう「社員」くらいの意味……みたいです。
 拘束契約を結んでいるというだけのものから、あらゆる自由を奪われ、ときに虐待まで受けて、なお逃げ出すことができない被雇用者……。
 カナンでの奴隷もこのくらいの振り幅があります。
 どうやらメグちゃんは、ご主人に恵まれているようですね。

 なにしろカナンというのは、架空であっても「世界」なので、いろんな切り口のおはなしがいくらでも描けますし、これからもどんどん「発見」されていくんじゃないでしょうか。

 あたらしい架空世界カナンの発見は、ハッシュタグ #架空世界カナン  で検索してみてください。

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