ブレイン ストーミングは「脳の嵐」ではなく「脳で襲撃」

ブレストを検索して驚いたのは、ブレイン ストーミングを、

brain(頭脳) + storm(嵐) + ing(進行形)

だからブレストとは「脳の中に、嵐を巻き起こす」のような解説が散見されたこと。

散見どころではなく、日本語特有の、元の意味を変える勢いを見せています。

余談ですが、NHKの研究所のサイトが解説している↓
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20181001_4.html

『外来語・借用語というのは「英語」ではなく「(すでに)日本語」なのです』

の通り、やや強引ではあるものの、言い得て妙。

それが日本語であり、やおよろずの神が坐す(まします)国らしい万華の言葉。

言語のみならず、外国の文物を取り入れて、独自に進化させ、クルマにしても、ラーメンにしても、

「青は藍より出でて藍より青し」(弟子が師匠を抜きんでること)

に、しちゃうのが日本人の特長。だからといって、ブレストを、

「脳の嵐」

に訳すのは、オズボーンさん残念~。完全に誤解されています。

全ッ然(苦笑)違いますので、正しておきましょう。英語の辞書で調べますと、

brain[名詞]
1.脳
2.頭脳
3.知力
4.中枢部
5.知恵袋(ブレーン)
───────────────────────────────────
storm[名詞]
1(強い風、雨、雪、みぞれ、雷、稲妻が伴う気象現象の)嵐
2(気象用語の)暴風
3(銃弾が)雨あられ
4(感情が)突発
5(社会の)大混乱
6(敵陣地への)襲撃、急襲、猛攻撃
───────────────────────────────────
storming[形容詞]
すごい
───────────────────────────────────
等の意味があり、ブレイン ストーミングのstormは、オズボーン氏いわく、

6 の 襲撃、急襲、猛攻撃

と、
storming[形容詞]すごい

の「頭脳によるすごい襲撃」という意味で、縮めると「脳で猛攻」の四文字になります。

もともと、オズボーン氏は、ブレイン ストーミングと呼ばず、

「テーマをアイデアにする組織化された作業」(organized ideation)

と呼んでいました。それを、参加者たちが誰ともなく、

「ブレインストーム集会」(brainstorm sessions)← 複数形の s

と呼び、それを受けて氏は、

「問題へ襲撃する頭脳」(the brain to storm a problem)

と呼ぶようになりました(むろん、彼は、脳科学者ではありません)が、

1942年に出版したHow to Think Up(どう考え出す)でブレイン ストーミングという固有名詞に言及し、それ以降、

ブレイン ストーミング(頭脳で問題を襲撃)

が世界中へ広まりましたので「脳の嵐」ではなく「脳で襲撃」がオズボーン氏の企図に沿っています。

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