IRミーティングってなに?どんなこと話してるの?
こんにちは、スペースマーケットの財務・IR担当の田中です。
前回、株主総会の"想定問答の準備"についての記事を書きましたが、今回は"IRミーティング"について取り上げていこうと思います。
IRミーティングは投資家と直接話し、自社の現状・成長性を知ってもらうことができる貴重な機会です。そこでどんなことを話しているのかをライトに紹介し、どういう準備をすればいいのかといったイメージを持ってもらうのに役立つ記事になればいいかなと思います。
IRミーティングって何?
スペースマーケットは昨年末上場しましたが、上場をすると株式が公開され、企業を取り巻くプレイヤーが一気に増えます。
自社の株式を買いたい人(機関投資家など)や、売りたい人(証券会社)、その両方に情報を提供する人(アナリスト)など様々な立場の人から、ビジネスの内容や財務状況がどうなってるのか、と鋭い視線を浴びることになります。
IRミーティングは、上記のような自社に興味を持った人たちに、自社のことを正しく理解してもらうために行うミーティングのことです。
決算説明会など人を集めて行うものを"ラージミーティング"、少人数で個別で行うものを"スモールミーティング"と言ったりします。
本記事では"スモールミーティング"と呼ばれる個別で行うものに焦点を当て、説明をしていきます。
セッティング
IRMTGのセッティングは基本的に証券会社の協力を得ながら行っていきます。
証券会社には、
・紹介した企業の株式を投資家が購入することで、手数料を受け取れる
・企業と今後の取引に繋がる関係値を築くことができる
などのメリットがあり、投資家やアナリストとの日程調整を手伝ってくれます。個別で連絡をいただいた投資家と併せて、セッティングを行っていきます。
ミーティングは、"成長可能性に関する説明資料"や、"決算説明資料"を使いながらこちらから説明を行い、残りで質問をいただくというパターンや、最初から質問をいただきながら説明していくパターンがありだいたい1時間前後です。
また、行ったミーティングはリスト化しておくと良いでしょう。
自社への関心度の高さを測るためにも、リストにはミーティングの回数を記録し、どのような温度感だったのかを定性的に記載することをお勧めします。
どんな話をする/聞かれるか
機関投資家、アナリストはどう言ったところに注目していて、どのような情報を求めているのでしょうか。IRミーティングを繰り返し行っていくと、投資家の関心がどこにあるのかや、質問の傾向が分かってきます。
内部の人間には気づかない、こういうところが見られているんだな、ビジネスとして理解しにくい部分なんだなという気づきが生まれてきます。
下記に、どの会社にも共通するであろう、"よくある質問"をまとめてみました。下記のような質問は、繰り返し繰り返し聞かれるものとなります。
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提供しているサービスについて
・サービスがどのような使われ方をしているか、その割合
・利用者の年齢、エリア、男女比
・その他重視する指標について
コストについて
・どのようにマーケ費を投下していくか、投下の方針
・原価・販管費の内訳
・原価率、販管費率の推移はどうなっていくか
・大規模な広告などを計画しているか
株主構成について
・VCの割合はどれくらいか
・どのようなスタンスか(長期保有か否かなど)
・ロックアップはいつ外れるのか
事業環境について
・競合はどこか、優位性は持っているのか
・市場規模はどれくらいか(TAM/SAM/SOM)
・どのような需要の拡がりが期待できるか
人員計画について
・今年は純増何人を見込んでいるか
・各部門の人数割合
・一人当たりの人件費
リスクについて
・法規制などは存在するか、出てきそうなものはあるか
・大企業が大規模な資本を投下し、市場を取りに来る可能性はあるか
・その他想定しうるリスクについて
マーケティングについて
・Webサイトへの流入経路は何が多いか、その割合
・リピート率はどうか
・マーケ費は投下からどれくらいのスパンで帰ってくるか
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上記の質問は数字を持って説明することがほとんどだと思います。
自社の数字については、どのような切り口で尋ねられても回答を把握できるように、準備していくと良いでしょう。
同じ数字でも、"件数ベースなのか金額ベースなのか"、"期間をどう区切るか"、”どう集計するか”、"割合の出し方"など定義が違うものを咄嗟に把握できるように、なるべくローデータに近いものをピボットしておき、必要に応じてすぐに切り替えられるシートがあればかなり有用です。
IRミーティングは自社のことを正しく理解してもらうだけでなく、成長のストーリーを相手に描かせて、ポジティブな印象を持ってもらうように回答していくことが大切になってきます。
IRミーティング自体をヒントにしつつ、"相手がどう見ているか"に注目し、様々な切り口で自社を理解しておき、"どう見せるか"を常に考える癖をつけるのが、IR担当として必要なことだと思います。
以上、IRミーティングについてでした!
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