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第4回イケボ選手権バステトの誘惑

バステトチームの台本
作/Tana.Ellis.Kelly
出演キャスト様
マイコ姫/たみさん
シカ執事/シカさん
町の少女/emiさん

‎《お題》
‎時は江戸時代。この国で知らない者はいない最も憧れの存在であるマイコ姫。誰よりも美しく麗しの声を持つといわれ、その声を聴くと必ず恋に落ちてしまうという言い伝えがあったそうな。
‎ある日 主人公であるあなたは江戸の町で偶然憧れのマイコ姫に遭遇!その時あなたはどうする…!?

‎《お題の台本》(事前収録)

‎ナレーション)
‎強い武士、陽気な商人、生真面目な農民。ここは、せわしく足軽が走り回る江戸の城下町。そんな町で圧倒的に麗しい空気感で存在感を解き放つ 城の娘・マイコ姫がいた。
‎誠か、はたまた風の噂か、マイコ姫にはある言い伝えがあったのだ。

‎そんな噂もあり、影武者に狙われることも多く、姫として生きることに嫌気がさしたマイコ姫はある日 ひっそりと城を抜け出すのであった。

‎【マイコ姫の心境】
‎・自分の声に自信があるわけではないのに周囲に期待されてしまい息が詰まる思いをしている
‎・声だけではなくもっと自分の中身を見てほしい、知ってほしいと思っている
‎・姫としてではなく、誰にも注目されない一般市民として生きて好きなことをして暮らしたい

‎【モノガタリスタート】

マイコ姫「こんなお城とも、こんな私とも、今日でさよならよ」

シカ執事「姫!!!お待ちください」

マイコ姫「そなた…どうして?」

シカ執事「後を追って参りました」

マイコ姫「お願い…苦しいの…これからは違う私で生きていきたいの…だから…お願い、連れ戻さないで」

シカ執事「では、わたくしも姫様と一緒に参ります」

マイコ姫「だめよ。そなたは、お城に必要な人材よ。戻りなさい!これは最後の命令よ」

シカ執事「わたくしは、ずっと、マイコ姫のそばにおります」

町の少女「あなた達、何を騒いでるの、
静かにしなさい、あなた達、どこから来たの?見掛けない顔ね」

シカ執事「その娘!姫に無礼だぞ!」

町の少女「姫!?どこのお姫様かは知らないけど、この町では、身分も何も関係ないわ、ただ、この町は危険よ」

シカ執事「姫様、お城へ戻りましょう、姫様が暮らしていける町ではございません」

マイコ姫「そこの娘、気に入った!城には戻らない、戻りたければ、そなた1人で戻れ」

シカ執事「姫様を置いてはいけません」

マイコ姫「私が大丈夫だと言っておるのだ、そなたは城へ戻れ」

町の少女「そこの男は、お前さんの事が好きなようだな」

シカ執事「なんて、無礼な」

町の少女「そんな切ない目で見つめながら、そんな声で想いをぶつけていれば、誰にでも分かることだ」

マイコ姫「そなた、私の事が好きなのか?」

町の少女「あんたも、この男が好きなのだな、お互いを守る気持ちも想いも大事だが、まず自分が強くなることが大事なのだ」

シカ執事「姫様をお守りする訓練はやってきたつもりだ」

町の少女「何を言っておる、力ではない、心が強くなる事が大事なのだ。守りたいという気持ちが自分自身をより強くするのだ」

マイコ姫「私はいつも守られてばかりだった…これからは私も、誰かを守ってあげられる人になりたい…そして、私の声ではなくて、私の中身を愛してくれる人と出逢いたい」

町の少女「誰かを守りたいという気持ちが大事なのだ。きっと、そなたの中身を愛してくれる人が現れるはず、いや、もう、近くにいるではないか」

マイコ姫「どこに?」

町の少女「目の前に、そなたの事を心から心配している執事が」

マイコ姫「あっ、ごめんなさい…この子、実は人間ではないの…シカなの…もうすぐしたら…人間の姿からシカに戻るはず」

シカ執事「姫様…ワイ…あと3分です」

マイコ姫「そうだな…いよいよだな…ありがとう…シカ執事…好物のりんごだ…」

町の少女「えー!!!なに?なに?えー!ツノが生えてきた、眼鏡までしてる!!!」

シカ執事「人間としてではなく1人のシカとして見てもらいたい…シカ心を見てほしい」

マイコ姫「そなたも私と同じ、自分の中身を見て欲しかったのだな」

モノガタリ【完】


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