KARTE Blocksにおけるポジショニングの考え方とその狙い
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KARTE Blocksにおけるポジショニングの考え方とその狙い

KARTE Blocksは、軸をずらしたプロダクトです。

Block Management System(BMS)という独自のコンセプトを掲げ、新しいウェブサイト運営の在り方を提案していきます。

サイト運営の周辺にはいくつかのマーケットがあります。CMS、アナリティクス、ABテスト、LPO、ヒートマップなどなど。そして様々なペインポイントもあります。それらを俯瞰して捉え、既存のマーケットの中であえて軸をずらし、真正面からの競争に巻き込まれないようなポジショニングでエントリーしにいくという選択をしています。

この記事では、KARTE Blocksというプロダクトがどのような背景で生まれ、何を狙い、何を実現しようとしているのかに触れながら、プロダクトのポジショニングをどう考えているかについてご紹介したいと思います。また、プレイド社としての全体のプロダクト戦略から見た時にBlocksをどう位置付けるかという視点も合わせてご紹介できればと思います。

この記事は「KARTE Blocksリリースの裏側」という連載の9日目の記事です。ぜひ他の記事も@KARTE_Blocksからチェックしてみてください。


こんにちは。KARTE Blocksチームでプロダクトマネージャーをしている棚橋(@htana117)です。

Blocksには立ち上げ初期から携わり、プロダクト開発やマーケティング、事業プラン策定やリリースマネジメントなど、良い角度で事業のスタートができるよう様々な取り組みをしてきました。
現在も新しいプロダクトを新しいマーケット・顧客に届けるという、まさに0→1の新規事業の立ち上げの真っ只中です。

またBlocksは、これまでプレイドがKARTEにおいて選択してきた成長戦略 Human Led Growth(*1)ではなく、Product Led Growth(*2)でのスケールを狙っており、9月の正式版提供と合わせてフリーミアムモデルでの提供も開始しています(2021年9月14日の正式版&フリーミアムリリースお知らせ

KARTE Blocksというプロダクトが、ターゲットとしているマーケット・顧客に対してProduct Led Growthのモデルでしっかり価値提供ができるか、それをエコノミクスが成立する形でスケーラブルに実現できるかが、直近の一番重要なチャレンジになります。

プロダクト開発において、マーケット選定とポジショニングは非常に重要です。ここを間違えるといくら良いプロダクトをつくっても大きなインパクトは生み出せません。

ポジショニングの考え方は、マーケット特性・プロダクト特性・会社としての目的や狙いに応じて様々だと思います。ゆえに体系化しづらく、情報やナレッジもあまり表に出てないよう感じます。一つの具体的なケースとして、新規プロダクト開発や事業立ち上げをされている方にとって何かしら気付きを得ていただくきっかけになれたら嬉しいです。

*1: 一般的にSales Led Growthと表現されるものと同義です。プレイド社内ではGrowthのドライバーは必ずしもSalesだけではないという考えのもと、Human Led Growth(HLG)という言葉をよく使っています。

*2: Product Led Growthに関しては、以下の記事がコンパクトにまとまっており参考になります。
【解説】SaaSの新戦略。Product-Led Growthの全貌

KARTE Blocksとは

KARTE Blocksは、サイトをブロックの集合体として捉えてブロックごとに更新・評価・改善ができるプロダクトです。この新しいサイト管理システムをBMS(Block Management System)と定義しています。

サイトの更新がノーコードで簡単にできるだけでなく、思いついたアイデアを試す・ABテストする・パーソナライズで最適化することで、継続的なサイトパフォーマンスの向上を目指すことができます。どのようなサイトでもタグを1行貼るだけでセットアップが完了し、すぐに利用できます。

なぜこのプロダクトを提供するか

ポジショニングの話の前に、前提にあるKARTE Blocksというプロダクトのビジョンや捉えている課題、提供価値について触れたいと思います。

KARTE Blocksは「ウェブサイトの運営を圧倒的に自由に直感的に行えるようにし、誰もがより良いユーザー体験の創出にまっすぐ向き合える環境を提供する」というビジョンを掲げて開発・提供しているプロダクトです。

ウェブサイトは一度作ったら終わりではありません。日々新しいコンテンツが生まれ、新しいユーザーも訪れます。サイトを更新・管理しながら、分析し、様々な施策を回しながら、継続的に成長できるよう運用・改善していくことが求められます。

一方で、現在のウェブサイトの運営はどんどん複雑化しており、扱うことが難しいものになってきています。日常的な更新、分析、改善施策の実施などやるべきことがたくさんある中で、利用ツールは分断し、一人では作業を完了できずに依頼や調整が生まれ、運用フローも複雑になります。そして当然ながらツール間でデータは分断し、それぞれで費用が発生し、使いこなすためのキャッチアップのコストも発生します。扱える人を採用する必要も出てくるケースもあります。

このようにシンプルな更新や改善施策を実施するにも、社内外含め都度多くの人を巻き込まなければならず、時間とコストがかかる構造になっています。このような複雑さがサイト運営の難易度を上げ、日常的な更新とそれに付随するオペレーションで手一杯、改善サイクルが回らない、といった現状につながっていると考えています。

KARTE Blocksは、サイトに後からタグを一行貼るだけで、このような複雑な構造を一気に突破し、誰でも直感的に自由にサイトの更新・評価・改善を行うことができるプロダクトです。

サイトの運営は本来楽しいもの。やりたいことをすぐに試せる・実施できるようになることで、サイト担当者の方がクリエイティビティを発揮し、どんどんサイトを良くしていくことができる。それがユーザーにとっての良い体験にもつながり、ビジネスインパクトにもつながる。そしてサイトの運営がもっと楽しくなる。そのような持続的でポジティブな循環を作るプロダクトになれたらと思っています。

上記の課題感、そこに対するプロダクトの提供価値について、約1年間のベータ提供期間の中でヒアリングと磨き込みを積み重ね、フィットを確認してきました。実際にユーザーの方と話す中でも、レビューを見てもここは一定自信を持てるレベルまできていると思います。

KARTE Blocksのレビュー(口コミ・評判)

ここまでは、KARTE Blocksを一つのプロダクト・一つの事業として捉えた場合の視点です。

プレイド社としてのKARTE Blocksの狙い

次に少し視点を変えて、プレイド社全体の視点で見たときのこのプロダクトの狙いについてです。

KARTEは2015年のリリース後、顧客中心の企業活動をカスタマーデータの活用支援を通じて実現するというミッションのもと、プロダクト開発・提供をしてきています。Horizontal Saasなのでご利用いただいているクライアントの業種は幅広く、特に各業界を代表するようなEnterpriseの企業のウェブサイトやアプリでの利用が増えてきているのが特徴です。

Enterprise領域は、Human-LedでHigh Touchなセールス、カスタマーサクセスを行いながら1st Partyのカスタマーデータをコアにウェブ/アプリのマーケティング領域での価値提供を今後も進めていきます。さらに、先般の決算説明でも触れていますが、今後はカスタマサポートや顧客・市場調査などの周辺領域へプロダクト提供も開始予定です。

2021年9月期第4四半期の決算説明資料より

一方で、SMBやMid Marketへのプロダクト提供・価値提供はまだあまりできていません。見方を変えるとそこに大きな機会があると捉えることができます。

昨今のDXの取り組みの加速、また新型コロナウィルスによる生活者のライフスタイルの変化などを踏まえると、企業におけるウェブサイトをはじめとしたデジタルの顧客接点の重要度は今後益々高まっていくと考えています。

そのような環境変化の中で、サイトの日常的な更新から分析・改善までをワンストップかつ誰でも簡単に実現できるKARTE Blocksは、プレイドのプロダクト群の中でエントリーとして使っていただくプロダクトになるのではと考えています。つまりプレイドとしてマーケットを広げていくための突破口としての役割が期待されています。

Blocksでまずは日常の更新業務を圧倒的に効率化し、その上でシンプルな改善活動が企画サイドだけで簡単にまわるようになる。さらに細かなデータを取得し、多様なアクションで顧客体験を向上していきたい場合にはKARTEの利用に進んでいただく。そのような流れをつくっていきたいと思います。

2021年9月期第4四半期の決算説明資料より

KARTE Blocksのポジショニング

前段が長くなりましたが、ここからがポジショニングの話です。

冒頭で、サイト運営の周辺にはCMS、アナリティクス、ABテスト、LPO、ヒートマップなどのいくつかのマーケットがあり、それらとずらしたポジショニングを取っていくという話をしました。実際にどのようにずらし、その中でどのように選ばれる理由を獲得し、利用を広げていくのか。

サイトの運営には大きく二つの業務があると考えています。一つは日常的な更新管理業務、もう一つは成長のための改善活動です。それぞれで運用フローや課題があり、マーケットがあります。

まずは、日常的な更新管理業務を効率化するという観点。ここではCMSと比較されるケースがあります。CMSとBMSの違いは以下の記事に記載しているため詳細は割愛しますが、BMS(Blocks)のポイントとして以下が挙げられます。

  • 既存のサイトに後からタグを一行追加するだけで利用できる

  • サイト内のあらゆる要素をブロック化して、どこでも更新・管理できるようになる

  • ブロックごとのデータ分析、ABテスト、パーソナライズといった機能性を持ち、サイトの継続的な改善・成長を実現することができる

これらはCMSにはない特徴です。これによりCMSと比較されたときに独自のポジションを取りやすくなります。どちらが良いかというよりは得意領域が異なるという話なので、詳細は記事を見てみてください。
CMSとBMS(Block Management System)はどう違う?それぞれの特徴や効果的な活用シーンを解説します

続いて、成長のための改善活動の観点です。こちらは複数の切り口があります。比較されるプロダクトだと、ABテストツール、LPOツール、アクセス解析ツール、ヒートマップツールなどです。

これらのツールはそれぞれの目的に対して特徴や強みを持っており、多機能化や高度化が進んでいます。多機能化・高度化すると、扱うためにスキルが必要になり、一部の人にとっては魅力的でも多く人にとっては扱いづらいものになってしまうケースも多いと思います。さらに、それら多くの人にとってのやりたいことと価格のギャップも生まれやすくなりますし、これらのツールを複数使い分けるとデータも扱う人も分断します。

これらのツール群と比較したときには以下の2点が他にない特徴だと考えています。これらにより独自のポジションを取りやすくなります。

  • 改善のための分析・ABテスト・パーソナライズをワンストップで行うことができる

  • 日常的・恒常的なサイトの更新運用もワンストップで行うことができる

以下記事で、一般的なABテストツールと比較してBMS(Blocks)の違いを説明しているので、こちらもご参考までに。
ABテストツールとBMSはどう違う?BMSならではの特長や活用シーンを解説

また、BMS(Block Management System)の言葉にもあるように、KARTE Blocksの一つの特徴としてサイトのあらゆる要素をブロック化して扱うという点があります。更新するのも、数値を見るのも、ABテストするのも、パーソナライズするのも全てブロック単位で行います。

先ほどご紹介したツール群もそうですが、サイト運営におけるツールの多くは、ページ単位で扱います(ページごとに数値を見る、テストをする等)。しかし、実際には一つのページが一つの訴求をしているケースはほとんどありません。同じページ内でもブロックごとに別の内容を訴求していたり、場合によってはブロックごとにターゲットから異なる訴求をしているケースも多くあります(商品カテゴリの多いECサイトのトップページなどは分かりやすいと思います)。ブロック単位で扱うことで、コンテンツを更新する際にも、分析・改善施策を実施する際にも、やりたいことに対してまっすぐに、直線的に作業ができるようになるのではと考えています。

このブロック単位で扱うことができるという点も、他プロダクトと比較した際の一つのユニークなポイントになります。

最後にもう一点。KARTE Blocksは日常的なサイト運営の幅広いシーンで利用いただくプロダクトということもあり、専門知識がない方でも直感的に扱えるUIUXにはかなり拘っています。実際のページ上でぽちぽちと要素を選択するだけでブロック化ができ、編集画面でもプレビューを見ながらフォーム入力やドラッグアンドドロップなどの簡単な操作で編集ができます。より柔軟な表現をしたい場合には、HTML/CSS/JavaScriptを書くこともできますが、大半のケースはGUIでノーコードで実現できます。

編集機能周りは、ベータ版リリース後の開発でもかなりフォーカスしてきており、一番進化のスピードが速い機能です。まだまだ課題もあり更なる磨き込みも必要ですが、「他ツールよりもUIが使いやすそう」「こういったツールの利用経験がない自分でも運用できそう」と、KARTE Blocksを選んでいただくケースも増えてきました。やりたいことを誰でも直感的に実現できる。言葉にすると簡単ですが、実現するのはものすごく難しい部分です。引き続きシンプルかつ汎用性の高いプロダクトにすべく磨き込んでいきたいと思います。

長くなりましたが、まとめると

  • 日常的な更新管理から改善活動までをワンストップで行うことができる

  • サイトをブロック単位で扱うことで、やりたいことに対して直線的に作業ができる

  • 誰でもノーコードで、直感的にやりたいことを実現できる

この3つの特徴を生かして、周辺マーケットの製品と軸をずらしながら独自のポジションを取って、利用を広げていこうとしています。

ターゲットをどう捉え、どう広げていくか

次にマーケットをどう分類・整理しているか、どう広げていこうとしているかについても触れたいと思います。

以下は、マーケットの切り方と、それぞれのターゲットユーザー像・ペイン・ゲインを整理した図です。ベータリリース後も細かなチューニングをしてきています。

実際のものを少し単純化して、わかりやすくしています

サイト運営における成熟度をベースに、3つのLayerに分けています。
Layer1: 日々の更新業務で手一杯な担当者
Layer2: サイト改善に取り組もうとしている/取り組み始めた担当者
Layer3: サイト改善やグロースに積極的に取り組む担当者

マーケットの中にも様々なユーザーがいます。まとめて扱ってしまうと、機能性もメッセージングもぼやけたものになってしまい「なんとなくよさそうだけど、、」で止まってしまい、利用されないプロダクトになりかねません。

この整理をベースに、自分たちはどこにフォーカスした活動(プロダクト、マーケティングともに)をするのか、もしくはしないのかをチーム内で認識合わせしてきました。

理想的な流れは、Layer1の日常的なサイトの更新業務の効率化目的でBlocksを利用開始いただき、利用する中で自然と数値を見て課題に気づき、シンプルなアクション(ブロックの変更やABテスト)を行い、その結果の良し悪しが定量的にわかる、そうしてLayer2の改善のステップに進んでもらうこと。そして、すぐに試せて結果も振り返ることができる・成長が実感できるといった体験を繰り返すことで、改善・グロースに継続的に取り組むLayer3にステップアップしてもらう。ここまでをプロダクトの中で実現できたら、サイト運営になくてはならないプロダクトになれると思います。

もちろん全てのユーザーがそうなるわけではなく、更新業務が効率化されることに価値があり、Layer1で継続的にご利用いただくようなケースも多いです。一方で、Layer2や3のユーザーが、改善活動をスピーディに回すためにBlocksをご利用いただくケースも出てきています(更新業務では利用せず)。

Blocksは様々な利用シーンがあるプロダクトです。複数のシーンの日常的な運用フローに入るプロダクトになれると、離脱せず継続利用してもらえることにつながりますし、将来的にはアップセル・クロスセルにも繋げやすいはずなので、そこは狙っていきたいと思います。

このような整理をチームで共通認識を持っておくと、データを見る際にもヒアリングする際にも、それぞれのユーザーがどのLayerのユーザーなのか、そのLayerにおけるペインやゲイン(価値実感ポイント)はどこなのかのイメージを持った上で情報を扱うことができるので、クオリティ高く議論でき、意思決定ができると感じています。

最後に

新しいプロダクトを開発・提供していく際には、マーケット選定とポジショニングは重要です。この記事では、KARTE Blocksにおけるポジショニングやターゲットの捉え方・広げ方をどう考えているかご紹介してきました。これらは今後事業が進捗する中で変わるかもしれませんし、変わらないかもしれません。

大事なのは、事業フェーズが進む中でその都度、最新のインプットとそれまでの累積思考を掛け合わせてマーケット・ユーザーのことを解像度高く捉え続けること、そしてその情報を整理・アップデートし、チームで共通認識を持ち続けることです。

特に不確実性が高い新規事業においては、チームで目線を合わせて前に進み、Product Market Fitに到達するまでとにかく試行錯誤を素早く繰り返すことが何よりも重要だと考えています。

KARTE Blocksは、二ヶ月前に正式ローンチしたばかりの新しいプロダクトです。サイト運営のあり方をアップデートし、世の中に大きなインパクトを出せるかのチャレンジはまだ始まったばかりです。マーケットやユーザーのことをしっかり捉え、世の中を大きく変えるようなインパクトあるプロダクトづくりに挑戦したい方、ぜひ一度お話しましょう。DM(@htana117)お待ちしてます!

Blocksの他にも、様々な新規プロダクトや新規事業がここからどんどん生まれてくるフェーズです。エンジニア、デザイナー、デザインエンジニア、プロダクトマネージャー絶賛募集中なので、詳しくは弊社採用ページや採用スライドをご覧ください。



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楽天→ビズリーチ→プレイド。プロダクトマネージャーをしています。