映画記録:2023
今年公開された作品から個人的ベスト5を。
1番最後に今年観た全部の中でお気入りのものも。
5. EO
暫くすると積極的に画面に映るEOを探し見つけようとするのだが、エンドロールで複数のEO役がいたことを知り、EOを結局"ロバ"という符号でしか捉えられていない自分へ理解できたと自惚れるな、と反省。
EOと人間とで異なる時間軸でありながらも共通の世界を過ごすが故に共鳴せざるを得ないことと、其れに依る強者弱者の対比が印象的。
4. BONES AND ALL
骨の髄まで慈しみ愛しつくす。
優しい記憶色をした映像に、少し残酷に見える描写。とはいえそこに怖さを感じないのは(遣る瀬なさを伴いつつも)彼/彼女らにとっては生活だから。(決定的なグロ描写は殆どなかったのというのもある)
生き辛さと、それを受容する以外手立てがないどうしようもなさは、社会の色々なことに置き換えられるね、
3.君たちはどう生きるか
〜あらすじが見つからないので割愛〜
宮崎駿の原木を観た気持ちになった。これまでの作品でのメッセージらを、より的確に言語化できるようになり、その結果ストレートに届く作品になったのかなあ、とか。これまでのモチーフがオマージュされているのではなく、より意図された存在に描かれているのかな、とか。
物語は、死も生も、悲しみも喜びも、本当も嘘も、大人も子どもも、万物全てに繋がっている。だからあの扉が並ぶ。
物語が存在する限りあの世界は不滅だし、行ったっきり戻れなくなる人だっている。
どう生きるか?という問いに、人に倣うのでなく、自力で考えた答えを見つけること。たとえ誤っていたとしても、それを正解にする方法を探せば良いこと。
2.PERFECT DAYS
他人の生活と隣接する、自分の世界の幸福の時間(サイクル)を守ること、一方で外的要因による変化を享受する柔軟さに、老いがもたらす寛容さを感じた。
「人と自分の距離」というのは今回私の中に引っかかった要素。適切な距離を見つけること。
最後のロングカットは圧巻。泣いてるのか笑っているのか判断できない複雑さが魅せる、ベンダースの人生観。涙が出た。木漏れ日の夢。
若干のプロモーション味を感じてしまい、初めはウッとなってしまったが、鑑賞後には(うまく言葉にできないが仕事納めの開放感も相まって)、充足感に満ち満ちていた。よく散歩する場所が映っていて、また歩きたくなった。
1.FIRST CAW
ケリーライカートの、映すもの(見せるもの)と映さないもの(感じさせるもの)のバランス感覚や、シンプルなストーリーへのドキドキのスパイスの加え方がとても好き。語らず映さずに気配を伝える。その時が来るのを分かりながら来ないでと願う。
流されやすい良心と、強い欲の心。2つは付かず離れず寄り添い一つの場所に宿る。
「DEAD MANだ」というのが率直な感想。ウィリアムブレイク引用してたし、時代設定も同じだし。ゲイリーファーマー出てるし。となると、ウィリアムブレイクもDEADMANも好きな私に刺さらない訳ないよね…
名だたる監督達の新作が豊作だった今年。
映画館にも沢山足を運びました。
新作以外の話だと、ロイアンダーソン監督を知ったことが1番の収穫。「さよなら、人類」は人生ベストに入るかも。
「MEMORIA」は映画館で観ておくべきだったと反省。
仕事の忙しさはB級/Z級映画や、タランティーノに救われました。来年もよろしくしたいですね。
来年も素敵な映画に出会えますように!
皆さんのおすすめも教えてください◎
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