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こちとら、フェラチオしてほしいから書いてるわけじゃないんでね(4,193字)


自分に中身がないことに気付いたのは

東南アジアに赴任して

どうにか仕事に慣れだした5年目だった

悲しみというよりは自己憐憫

そう

自己憐憫といえばあの人

村上春樹の小説を読み散らかしてたのも

あの頃だった




年中組の時は折り紙に夢中で

毎日折り紙図鑑を広げて

今では想像付かないような精巧な何かを

見よう見まねで作っていた

オリジナルはない

でも全部完璧にコピーしたと思う

ゆき先生にも沢山教えてあげた

「くぼみちゃんは天才かもしれんけん
 将来は数学者とかになるんかな」

とかなんとか、褒めちぎられた

照れ隠しのつもりで

ゆき先生のお尻を強めに揉んだら

キツめに叱られた

クリを優しく撫でていたら

未来は変わっていたかもしれない





あんなに折り紙頑張ってたのに

図形の問題を解くのが苦手で

難関私立の高校は厳しいよなあと

すんなり諦めて

公立の学区内トップ校を目指した

でも

内申点が悪すぎるからと

偏差値65の2番手校を受験するよう

塾の先生に諭されて

すんなり受け入れた

だって、中身がないから

そう

偏差値65には中身がない

そこにあるのは保身だ





高1の夏

高校の文化祭で弾き語りライブをした

バンドメンバーがほしかったからだ

高2の先輩達が

BUMP OF CHICKEN をコピーしていて

刺激を受けた

「いきなり1人でライブとか
 凄い度胸しとるよね
 え?博多駅でも歌ってたん?
 ほんなら直ぐ仲間見つかるやろ〜」

と、ドラムの先輩に褒められた

本当は

先輩らのそのバンドに入りたかったけど

それはやんわり断られた



早くバンドメンバーを見つけて

沢山練習して上手くなって

こんな偏差値65の中身スカスカの

何も持ってない奴らが集まる学校なんて

早く辞めてやるんだ

バンドマンと言えば中退

中退と言えばバンドマン

と、輝かしい学歴を捨てることに

前のめりになって息巻いていた

それを英語の嶋田先生に相談したら

「はあ?高校中退に憧れる?
 お前、、
 あのなあ、そういうのは
 才能有り余るような
 偏差値70超える学校の生徒が
 勢いよく手放すから箔がつくんだ
 こんな公立の無名の2番手校で
 学歴が全てじゃない!みたいな
 今流行ってるのか知らんけども
 相当格好悪いぞ?
 お前に似合ってないぞ
 お前はとりあえず大学に行けよ
 しっかり難関大に行って
 そこで手放したかったら手放せ
 あと
 お前はドイツ語に向いてる」


と、たたみかけられたけど

周り回って大学に入学した後は

素直にドイツ語を履修した

そしてドイツ語の教授のジジイが

僕の身なりを一瞥して

バンドマンを侮辱する発言をしたので

静かに中指を立てて退室した

その時にギターケースのヘッドの部分が

ガコン!っとドアに当たった

偏差値60台の

中途半端な大学だからこうなのか

早稲田とか慶應とかのバンドマンなら

すんなり教室を出ていけたのだろうか

そんなことがあった数日後

同じタイミングで軽音楽部に入ったカズキが


「あのさあ、、俺と一緒に退学せえへん?」

「長くバンドするなら覚悟が必要ちゃう?」


と、まだ入学して半年なのに

前のめりにドロップアウトを勧めてきた

「あのな、、カズキさあ
 どんな高校出たんか知らんけど
 関関同立ってさ
 所謂、東京でいうとこのあれやろ?
 マーチなんやろ?立ち位置的には
 マーチ中退して
 学歴なんてクソ喰らえやあ!て
 めっっっちゃ恥ずくない?
 そもそも早慶だって
 3科目とか4科目やねんから
 学歴を捨ててドヤるには
 振り幅が足らんのちゃうかな?
 やっぱり数学3Cくらい
 余裕でこなしてたような理系が
 バッサリ捨てるからキマるやん?
 せめて旧帝大の理系やないんかな
 学歴捨てたったオーラ出せんのは」


と、学食で1番安い

チキンカツ定食をシェアしながら

嶋田先生ばりに説得を試みた

結果的に、翌日カズキは退学した

バンドも翌年には解散して

暫くはパチンコで生計を立てて

難波でホストをやっていると噂が立った

カズキには中身があるから

躊躇なく行動できたんだろうか

そうこうしながら

僕の外見(そとみ)は固められていく




小4の時に転校してきた彼は

紆余曲折を経ながらもピアニストになった

小学生でリスト弾くんだから

そりゃそうだろってバイアスがかかるけど

彼は非音大の国立大の教育学部から

数々の音大のイキリ散らした馬鹿女を抑えて

あるコンクールで入賞して

ヨーロッパへ武者修行へ

彼の身に何があったかは知らないけど

中学でピアノを辞めて

大学在学中にまた夢を描いて

周りの反対やクスクス🤭を押し切って

海外でピアノ一本で飯を食っている

彼と同じ5歳からピアノを始めた僕は

わざわざ音大の先生がやってる

個人レッスンを中3まで続けたのに

ソナタの途中で終わってしまった

彼のピアノの音色を聴いた時に

そうつまり、小学4年の2学期に

ピアニストは流石に無理だなと諦めた

だけど先生が好きだから

週に1回だけ軽く練習して通った

ピアノはまあ遊び程度でいいんだ

僕には最近始めた【野球】があるからね

と、小5まではレギュラーで2番を打って

順風満帆だった少年野球も

小6の夏からは毎日のように天気予報を

くまなくチェックして雨乞いをした

監督が生理的に受け付けられないけど

退団することで友達を悲しませたくない

でもグランドがぬかるんでしまえば

練習が中止になって辛さから解放される

手洗い場の蛇口を🚰ホースに繋いで

ぶちまけてやろうかと画策したけど

それがバレたら友達を失う気がしたから

憂鬱な土曜日は

電波少年見て猿岩石とかドロンズとか

旅人を応援📣することで気を紛らわせた

応援してる僕には中身がないのに




音大の女はクソみたいな奴しかいない

ってニュアンスを表記してしまったけど

それは僕の高音ボイスを全否定した

名前も忘れたけど東南アジアで出会った、

なんか色々可哀想でアレな思い出があるから

そうサンプルは一つ

その一つのサンプルでバイアスをかけると

今も尚、毎年年賀状をくれる

ピアノの先生までも否定してしまう

だから

◯◯大学はクソ

◯◯国はクソ

みたいなダサい一点突破はやめた方が

リターンが上がるなと思う


くぼみちゃん就職おめでとう
時が経つのはあっという間です
音楽の道には進まなかったのですね
お家で全然練習しないのに
自信満々で楽しそうにお姉ちゃんと
手を繋いでレッスンに通う
くぼみちゃんの輪郭ははっきり覚えています
少し寂しい気もしますが
くぼみちゃんは音楽を好きでいる限り
くぼみちゃんにはくぼみちゃんの
自己表現が見つかると思います
音楽が一助になりますように

大学4年にもらったお手紙



むず痒い気分になったのを覚えてる

熱量と共に溢れ出る中身がないのに

鼓舞してもらっても

何をひねり出したら良いのやら




折り紙
ピアノ
少年野球
公文式
陸上部
路上ライブ
軽音楽部
音響
就活
海外駐在
note


何一つない

中身を伴って

長続きしたものが

ひょっとしたら

就活の時に出会った横浜市立大学の女も

僕と同じくらい中身がないのかもしれない

中身が全くないのに

中身があるかのように振る舞ったり

中身がないのがバレないように

外見(そとみ)でごまかすので

必死だったのかもしれない

そして何かが切れたのかもしれない

でなきゃ

関関同立を知らないフリして

関西を煽ってきたりはしないはずだ

中身スカスカのやつほど

偏差値に敏感なんだから

知らないのがカッコいいアピールはダサい

「横浜国立大以外にも横浜に大学あるんすね」

って返した僕も同じくらいダサい

今こうやって掌(たなごころ)を持って

生ぬるく振り返りながら再会できたら

きっと

あの日の横浜市立大学の女と

友達になれたかもしれない

どうせ僕らに中身なんてないのだから

馬鹿にもなれず賢くもなれず

突き抜ける勇気もない僕らに

中身なんて初めからなかったんだから

いっそ

性差なんてなくしてしまって

自己憐憫してる生物同士

仲良く心地良くなりましょうよと

こちらから手を差し伸ばしてみるのも

良いのかもしれない

僕はそう思ってるけど

大学入試でも就職試験でも

あと少し🤏のところで

横浜は僕をポイした(2ポイ)

遠距離で付き合ってた横浜の彼女にも

羽田空港で何故かビンタされてポイされた

ビンタされた理由は多分あると思うけど

恋愛になると僕の偏差値が42になるので

前線にロングボールを蹴り上げて

パワープレイで1点をもぎ取るような

つまり思考が単調になる

恋愛とかアレやろ?

馬鹿女が合法的にチンコ挿れる口実やろ?

くらいの理解で今まで生きてきたから

多分もうこの感覚で死んでいくんだろなと思う


それはそうと

3回も横浜ごときにポイされたのか

東京に媚びる以外で

プレゼンスを高められなさそうな街に




となれば

全面戦争かな

やだな

本当は戦いたくないんだけどな

だって

スペアザやアジカンを輩出した街だしな

ゆず?

ゆずはどうでもいい



ん?

よくよく思い出してみると

彼女の職場は川崎だったし

「うち?横浜の近くだよ〜」

と言ってた気がする

ほなやっぱり横浜ちゃうやん川崎やん

横浜に2回ポイされて

川崎に1回ポイされた

というのがポイ活の公式記録になるだろう

こういった自己憐憫記録を付けていくことで

-まあ、可哀想に😢-

-フェラチオで元気になってね-

と、気持ち良くしてもらいやすい

そんなメリットも確かにあるだろう


実際


東南アジアを去る前日

いつものマッサージ屋に行ったら

「これ絶対店長に言わないでね🤫」

と餞別代わりのフェラチオをくれた

「今日くらい甘えて、出していいよ☺️」

よくよく考えたらメンヘラ気味のお姉さんが

これでもかというほど激しめに吸っても

感傷に浸るチンコの中身もスカスカで

「そんな、、最後に
 お姉さんのお口汚して帰れないよ」

と、そそくさとパンツを穿いてしまった

その後ホテルに誘ったけれど

それはやんわり断られた

まあ、生理なんだろう




中身のない僕が

いつか中身を手に入れて

誰もが羨むような自己表現を目論んでいる

そんな僕の思考回路の一部を

生理用パンツを穿いた時の

パンティーラインくらい浮かび上がらせ

そこに憐憫と同情からの激情でもって

じゅぽん としてくれたら気持ちがいいし

気持ちがいいならもう

音楽も絵画も文筆もなんも才能がないくせに

自己表現がどうのこうのいんぐりもんぐりは

やめにしたらいいんじゃないかと

中折れしてしまう気もする

そりゃ、創作活動より

好きな人からフェラされてる方がいいもん

だけど

こちとら、フェラチオしてほしいから

書いてるわけじゃないんでね






ん?コップの中身?


あ、うん


イソジンだよ

違う違うコーラじゃない


え?

なんでって?

いや

口に精子出されたら気持ち悪いやろうけん

直ぐ取れるようにコップに入れ




バチン!!!!!

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