Physical_Birth_House_-ママ療法士出産体験記-

Vol.4ゆかこさん出産体験記-後編-


前回に引き続き、ゆかこさんの出産について伺っていきます!

前回の記事はこちら↓↓




分娩台はなぜ生まれた?


めぐ)前回はゆかこさんの出産について伺っている間に、いつの間にかサルの出産方法にいきついてしまいましたね。
ゆかこさん、重ねての質問になってしまいますが、今まで3回の出産で楽だった体位を順番に並べるとどの順ですか?


ゆかこ)
出生体重や重ねた出産回数など色々あるとは思いますが、
四つ這い(第3子)→側臥位(第1子)→背臥位(第2子)
でしたね!ちなみにすべて布団の上でのフリースタイル分娩です。


カナ)分娩台しか経験がないので比べられないですが、やっぱり産みづらいんでしょうかね…?
たしかに息む時にどこに力入れたらいいのかが私はよくわからなかったですが、フリースタイルではそういう感覚はあんまりないってことですかね?


ゆかこ)
どこかホールドされたら、ちょっと体勢を変えることもしづらいかなぁと思いました。
フリースタイルでもどこに力を入れるかは最初迷った記憶があります。


カナ)やっぱり迷いますよね・・・。


ささまや)何故、背臥位が普及したんだろ…やっぱり処置しやすいからですかね?それとも人間は児頭が大きいのも一因なんでしょうか。


めぐ)母、叔母ともに看護師の私が!(普通に調べました笑
分娩肢位に関して、当時の産婆さんから聞き取った「農村の産育について」の論文がありました。大正時代から昭和50年頃にかけての事実のようです。


産床は畳を上げ藁を薄く敷き (藁灰のところもあった)、その上にぼろ布をのせて作り、そこに座りお産をしていた。しかしそれでは衛生的でないので布団の上でお産をするように勧めた。
分娩時の体位は昔から坐産であった。坐産では、こたつを前に置き屈むような姿勢であったり、正座をして産まれる時だけ腰を浮かせるようにしていた。
開業を始めた大正から昭和の初めにもこの風俗は続いていた。産婆学校で寝産での分娩方法を習っていたことや坐産は会陰の保護ができず、怒責をしすぎると会陰裂傷を起こし易いので、寝産にしてもらった。
分娩の時に怒責をしやすいように 「助産の友」を用いた。これは先がス リッパのようになり、それに紐がついていて紐の先がグリップになっているものである。分娩間近の時に仰臥位になり、ス リッパの部分に足を入れ,紐の先のグリップを握り、怒責しやすくしたものである。
坐産を寝産に変更したのは、観察と消毒が十分にでき会陰保護がしやすいこと、また急激ないきみで会陰裂傷を起こしにくいためである。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/10/2/10_19870601001/_pdf/-char/ja


めぐ)地方では医療が進んでおらず、分娩が行える医療機関や医師が足りないと、当時の産婆さんが経験に加えて、日本の風習を改めて見つめなおして、新たに学び、変えていっていたんだなぁとわかりました。
それから、ヨーロッパには昔お産椅子というものがあり、座面がトイレのようにU字になっていて、リクライニング車椅子のように背もたれの角度を変えられるものがあったみたいです。分娩台の前世みたいなものでしょうか。
あとは分娩台はやはり医師が推奨して出てきたもので、医学的管理(傷の処置)がしやすいから、その影響で普及したとも他の記事に書いてありました。


ゆみっぺ)すごい!これ読むだけで普通に勉強になりまくりですね!


ささまや)分娩台の歴史、面白いです!!


★ゆかこ)
昔の分娩後に横になっちゃいけないとか、藁のうえで産んだとか驚きの習慣があったんですね。
それをより安全に母体にも優しくなるように知識や経験に基づいて変えていった産婆さんたちって本当にすごいなぁと。


めぐ)すごいですよね。母体と生まれてくる子を両方守る。
産婆さんの愛とパワーを感じます!


カナ)そういえばフリースタイルの後の処置は縫う時の態勢が結構大変ってことは前に産科の先生から伺ったことがあります。


めぐ)
確かにそうですよね・・。
布団だったら先生も寝っ転がって縫わなきゃいけなさそうですね苦笑
匍匐前進みたいになりそう。


★ゆかこ)
背臥位や分娩台は処置のしやすさかなーと思います。
先生も寝っ転がってだと縫いづらそうですね笑
分娩時には「はい、姿勢を変えて〜」と言われてもいや、無理よ」ってことが多いから、お産椅子がリクライニングしてくれればありがたい面はありそうですよね。


ささまや)印象は、分娩台の上で四つ這いで産む→産んだ後背臥位が良さそうですけど、転落怖いですね。
分娩台使うならその辺りを理解して、分娩での出産方法を指導する必要がありそうです。


カナ)緊急帝王切開になるケースもありますしね。
私分娩台でしたけど、下腿全体をでっかいマジックテープでベターっと完全ホールドされました。


★ゆかこ)
分娩台がリスク管理の一面は確かにありそうですね。
下腿までべったりホールドされたら産みづらいですね。
やっぱり蹴られたりするのを防ぐためなんですかね。


めぐ)ホールド・・・!?次は産科の歴史をリサーチか・・・!




産後の悩み、尿もれ



カナ)ゆかこさん背臥位の時だけ産後の尿もれがあったようですけど、他は全くなしですか?


★ゆかこ)
実は尿もれはゼロになっていません。
ガスケアプローチを学び、実践した最近は組織間リリース®も受けました。尿道括約筋は働き始めた感じがします。(つい最近まで全然でした)
1番酷かった時から比べればほぼゼロですが、生理前あたりは咳やくしゃみがドキドキです。それ以外は小走りくらいならなんとか大丈夫です。
あと、最近月経カップを使い始めたのですが、しっかり奥まで入れても体動で押し出される感じがするときがあります(カップのサイズや装着の不慣れは否めませんが…)。無意識下で骨盤底に負担をかけやすい動作になっているのかも…
そういう意味でも妊娠前から身体の使い方を気をつけるのは必要だなぁと思うようになりました。


めぐ)私も月経カップユーザーですが、排便以外で押し出される感覚はないですね。(妊娠未経験)
うーんそうするとやはり骨盤底の機能問題はあるのですかね・・。


ゆみっぺ)私も普段の生活では尿漏れしなくなったのですが、趣味でジョギングをしており、その時に尿もれる事があります。


★ゆかこ)
走る時は両足底が地面に接地していないときにジョーって出てる気がします。同様になわとびも。皆さんいかがですか?


ささまや)子供とトランポリン教室にいったとき、ちゃんとトイレに行ってからでないとやってしまいます!笑
ランニングは大丈夫なので、ジャンプ動作の方が負荷が高いんでしょうか…ちなみに産後2ヶ月でトランポリンしたときよりはマシになってきました。


カナ)尿もれ問題ってなかなか言えないだけでやっぱりみんなあるんですね。

エビデンス的には骨盤底筋エクササイズを医療者の元で定期的に3ヶ月実施というのがグレードAになってますけど、実際は産後そうやってみんなが然るべき機関で取り組んでるか?と言うと全然ですしね・・。

私は組織間リリースで結構膀胱事情や骨盤底筋の収縮の感じが変わったんですけど、組織間リリースや筋膜リリースなどの手技って、そうやって本人の実感は得やすいですよね。
でもゆかこさんのおっしゃるように、日頃から骨盤底筋に負担にならない姿勢や体の使い方などを知っておかないと、結局負担をかけ続けていたのでは意味がなくなってしまいますし、妊娠中から知っておきたい…


★ゆかこ)
トランポリンは怖すぎてまだ踏み出せません・・。
産後の3ヶ月間はそれどころではないのが正直なところなので妊娠中からが大事ですよね。
組織間リリースは驚きで、それまで外尿道括約筋を全く収縮できなかったのですが収縮感が復活したんです!
まだ弱い感じがするので続ければさらに尿もれは減るかも〜と思っています。
それと骨盤底に負担をかけすぎないようにすれば激減するはず!


組織間リリース®についてはこちら⇩


カナ)産後はいきなりやること増えて、生活リズムも安定しないし、それどころじゃないですよね。
骨盤底筋に負担をかけないっていう概念を知ってるだけでも、違う気はします。


★ゆかこ)
母親学級とか両親学級とかにPTがもっと入れたらなぁ〜って思っています。


ささまや)私は1人目妊娠中に膣に力を入れたら子宮が収縮しそうで、意識的に骨盤底筋使わないようにしていた気がします。
本当に理学療法士が産前産後に関わる意義を感じました。とても勉強になりました!



ランニングと骨盤底筋


ゆみっぺ)ジョギングの尿漏れについて
不思議なことに漏れる時と漏れない時もあって。
でも10キロとか長距離走ると後半に漏れてくる率は高いです。
後半に疲れてきて骨盤底筋が振動に耐えられないのかなぁとか考えてました。


★ゆかこ)
漏れる時とそうでない時があるんですね。何でだろ。
骨盤底筋は横隔膜と連動しているようです。
ジョギングの後半に疲れて横隔膜が体幹の保持のために使われるようになって、横隔膜が固定される→骨盤底筋が収縮しづらくなる→漏れる
なんて仮説を立ててみました。
それにしても10キロ走るなんて!すごいです。


めぐ)ゆかこさんの仮説素敵!
骨盤底筋は腹横筋-横隔膜-多裂筋を含めたインナーユニットとして体幹の安定性に関与していますよね。ランニングフォームが変わってくると影響が出てくるのも一因としてありそうですね。


カナ)骨盤底筋群自体の筋持久力の問題なのかもしれないですね。
日常生活では問題なくても10kmランの衝撃に耐え続けるのは結構な筋持久力が必要な気がします。
トランポリンだと速筋線維の収縮力の違いなのかなぁ?と考えると、長距離走って筋収縮力も必要なら筋持久力も必要なので、骨盤底筋にとっては結構ハードな種目ですね。


★ゆかこ)
骨盤底筋は瞬発力も筋持久力も必要だからかなり作りが複雑ですね。


ゆみっぺ)10キロなら1時間半くらい、ですがハーフやフルマラソンになると何時間も骨盤内に収まってる内臓の上下動の衝撃を受け止め続けてるわけですもんね。なるほど〜。


めぐ)そう思うと、アプローチするのであれば学生時代にやっていた部活なんかも聞いておくといいですよね!何かヒントが見えてきそう。
ゆかこさん、今回インタビューを受けていただきありがとうございました。受けてみていかがでしたか?


★ゆかこ)
今回の企画はPT目線で自分の出産について振り返ったことがなかったので、おもしろかったです!
自分の出産の話から、オランウータンやニホンザルのお産の話になったり、分娩台の歴史について知れたり、本当に楽しかったです!
ぜひリアルで皆さんにお会いしたいです!


めぐ)みんなで集結できたら楽しいですね!
ありがとうございました。



編集後記


めぐ)そういえばゆみっぺさん、めちゃくちゃ距離走りますね!(*⁰▿⁰*)


ゆみっぺ)名古屋ウィメンズマラソンに挑戦してティファニーのネックレスをイケメンから受け取りたいのですが、尿漏れが気になってチャレンジできません(´Д` )
このままではナプキン持って走らないといけない!!


めぐ)すごい!名古屋ウィメンズマラソンってフルマラソンですよね!?
イケメン!?なにそれ!!
ナプキン持参!それは結構深刻な問題だーー!


ゆみっぺ)今の体力では無理であくまでも夢です。
尿漏れに私の夢を阻止してくるのです(°Д°)


めぐ)私、ゆみっぺさんがイケメンからティファニーのネックレス受け取ってる瞬間を写真におさめに名古屋行きます!


カナ)こんなイケメン達が待っています。


めぐ)なぬっ!こんな集団がー!
エリスブライアンから受け取りたい♡笑


カナ、ゆみっぺ)笑


ささまや)各種イケメン取り揃えてますね…!
イケメンがいると恥ずかしくてガチ走りできないタイプなのでゆみっぺさん見に行きます!


カナ)でも実際、気になると走れませんもんね。QOLですよねー。
ゆみっぺさんの骨盤底筋評価してみたい…


めぐ)カナさんがゆみっぺさんの骨盤底筋評価しているところを見たいです...!


ゆみっぺ)評価してもらいたいです。
もうゴール付近は化粧も落ちてゼーゼーハーハーいってる人達がいっぱい!
ある意味陣痛から出産的な感じ笑


★ゆかこ)
みなさまおもしろい!笑
わたしもカナさんに骨盤底筋の評価していただきたい!
名古屋方面に遠征行くときがあったらサロンの予約しちゃおー!


めぐ)よーし!みんなで名古屋に集合ですね!!
次回のマタ戦記もお楽しみに♪

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