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Vol.5徳嶋美希さん出産体験記-前編-


Physical Birth House-ママ療法士出産体験記-

今回のゲストは、徳嶋美希さんです!

みきさん


パーソナルデータ
名前:徳嶋美希
出産時の年齢:28
出産回数:初産
分娩週数:39週
お子さまの出生体重:3002g
妊娠前からある不調:中高生のときに右有痛性外脛骨
妊娠中のトラブル:36週のときに右足部の痛み、右仙腸関節痛、38週ごろから足部浮腫
出産方法:普通分娩
出産時のトラブル:会陰裂傷(2度)
産後のトラブル:カンガルーケアの際に1時間ほど授乳を続けていたので、そのまま片胸が切れてしまい、無事だったもう片方も翌日に切れてしまいました。


めぐ)徳嶋さんよろしくおねがいします!

★徳嶋美希)
よろしくお願いします!


めぐ)妊娠中のトラブルについて、36週から色々出てきたようですが、初期や中期は特に気になるようなトラブルはなく、順調だったんですか?


★徳嶋美希)
いま思い出したのですが、
妊娠超初期は、微熱が続いたり鼻炎になったりしてすごく調子が悪い日が続いていました。
その症状が落ち着いた頃には悪阻がやってきて。
当時は都内の整形外科クリニックに勤務していたのですが、毎日片道1時間バスを乗り継いで通勤していました。
タバコとトイレの臭いがとにかくダメで、毎日行きと帰りに必ず吐いてしまっていました。
中期は特にトラブルなくすごく調子が良かったです!


ゆみっぺ)初期にその通勤時間は辛いですね。。。


★徳嶋美希)
しかも都内のバスなので…満員でした。
職場の理解があったのですごく助かりましたが。


カナ)お腹大きくても通勤大変ですが、つわりの時もすごくきついですよね。
電車もバスも、みんななかなか変わってはくれないですし、世知辛い世の中…


めぐ)これから未来を輝く子どもを育む妊婦さんにやさしい国であってほしいですね。。。


トラブルが『右』ばかり?


カナ)仙腸関節痛が出たのは臨月近くだったようですが、右側ですよね?
元々の既往の有痛性外脛骨も右ですし、何か関連ありそうな気がしてしまいますが、アライメントなどご自分で気になることなどはあるんですか?


★徳嶋美希)
そうなんです!同じ右側で…
有痛性外脛骨の痛みが強かったときは、右足に荷重することが辛い期間が長かったこともあって、左右の筋力が全然違います!
とくに右の殿筋の筋力が弱いです。
そして妊娠後期の姿勢を撮った写真があるんですが、自分でも驚きの左右差です!

みきさん後ろ


カナ)やはり諸々の左右のアンバランスがあるんですね。
広背筋などの腰背部も左右差ありそうですよね…
こういう昔の既往が、妊娠で靭帯が弛緩してくるとトラブルにつながってきたりしますよね。


ささまや)妊娠中の画像しっかり残してるところがさすがセラピストですね!
評価もされてて、右股関節周囲が弱くて硬いと知っていてセラピストで。
この画像を見てご自分でも色々ケアされたんでしょうか?
何か効果が実感できたものはありましたか?
既往歴を聞くのが大事、はどこの分野でも共通するものですね。


★徳嶋美希)
しっかり写真は撮っていたんですが、自分のこととなると先ほど話したことくらいしか考えず『股関節と脊椎まわりのストレッチやっとこ』くらいで出産を迎えてしまいました。
いま改めて写真を見るとめちゃくちゃ左右差あるし、第三者的の視点で見ると気になることだらけですよね!
矢状面も撮影してあるんですよっ♪(わくわく

みきさん横

カナ)矢状面も撮ってる!さすがです笑


めぐ)ぱっと見、腰椎前弯が気になりました!
お腹が下がっていない=下部体幹が効いているという解釈ですか?
お腹ってなぜ上がるんだ....?


★徳嶋美希)
お腹上がってますよね!腰椎も前弯が強く見えます!



カナ)お腹が下がってないっていうのは、腹横筋が強いというかうまく使えているんだろうなって感じには捉えたりしてますが、腰椎前弯しているところからも考えると、広背筋が硬いのかな〜っていう感じにも見受けられますよね。
背部筋の硬さの左右差もあるかもしれません。


ささまや)確かに広背筋硬そう!

めぐ)徳嶋さん、背部の筋の柔軟性などは自覚的にどんな感じですか?


★徳嶋美希)
おっしゃる通りで、背部の柔軟性低いです。
広背筋とか硬くてペラッペラなんじゃないかと思うくらいです…
セルフチェックしてみたら左広背筋の短縮がみられました。


めぐ)左右差もあったんですね~。
広背筋の硬さは妊娠中の腹部の位置にもに影響してくるんですね!


★徳嶋美希)
今でも呼吸の浅さを感じています。
産後も呼吸や肋骨の動きを意識して体を動かさないと、放っておいても改善しないんだなと今実感しています。


めぐ)なるほど、呼吸にも・・。


ささまや)あとは右腰方形筋と中臀筋の短縮あたりですかね。


★徳嶋美希)
右腰方形筋や中殿筋の短縮!
たしかに、妊娠後期はたくさん歩くと右の殿部から下肢にかけて放散痛?が出たこともあったので、梨状筋とか中殿筋のtightnessesかなーと思ったことがありました!
これは直接関係してるかは分かりませんが、左に比べて右の股関節外旋可動域が小さいので仙腸関節の動きも左右差があると思います。


カナ)中殿筋は結構タイトかもしれないですよね…
妊婦さん、立位においては実は足関節戦略から股関節戦略に変えていくことが多いって言われているのです!
元々股関節周囲がタイトだと、それも出来ずに仙腸関節に負担がかかるのかもしれないですよね。


めぐ)セラピストとはいえ、自分の体を客観的に見てもらうということは大事だよなぁ~と個人的には思ってます!
今回でも色々な発見がありますね^^



妊婦さんに重要なのは『靴選び』!?

名称未設定のデザイン (3)


めぐ)徳嶋さん、36週から右足に痛みが起きたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?


★徳嶋美希)
妊娠後期に足部が痛くなったのも、ぺったんこの靴を履いて散歩した翌日からで、とくに捻挫したわけでもないんです。


カナ)そうだったんですね!
足部が痛くなったタイミングをちゃんと把握してる辺りが冷静ですよね…!!
ぺったんこの靴っていうのは足底のクッション性がないっていう感じですか?
いつも履いてるのとは違う靴だったんですか?


★徳嶋美希)
そうです!おろしたてのクッションが全くない靴でした。
有痛性外脛骨の影響で足関節の可動域も未だに左右差が残っています。



カナ)靴ってやっぱり大事ですね。
特に妊娠後期って体重も増えているから、その分アーチも潰されるような感じになるでしょうし
クッション性がない靴って足部にとっての負担も大きいのかもしれないですね。
さらにクッションが無いことで、足関節の可動域の左右差がより顕著に股関節や骨盤の方に影響してきそうな気が。
なんか勉強になりました!


ささまや)妊婦さんって股関節戦略使えない→足部で代償が大きいので靴選びがすごく重要そうですよね。
そういえば、妊婦後期にブーツのレインシューズが履けなくなりました。腸腰筋にめちゃくちゃ負荷がかかってしんどくて…。
わたしが感じた辛さは歩行時のものだったのでレインシューズで背屈が制限されて、その代償で股関節使いすぎてしんどかったということのようですね!
まぁ妊婦はギリギリで生きてるので、どこか制限すると何かしら辛いというところですね。


めぐ)皆さん妊娠中に足部の大切さや制限を感じていらっしゃるんですね。妊婦さんって周期によって重心位置変わってくるので、単純に同じ靴使っているのってどうなんだろう?と思っていました。
周期に伴った姿勢戦略を評価して、歩きやすい靴とか選べれば、下腿後面の疲労や背部の疲れって変わったりしますかね?


カナ)妊婦さんの靴からのアプローチ面白そうですね!
ただ、やっぱりそもそもが妊婦さんは転びやすいというのが危険因子なので、なかなかそれは人を選ぶかもしれないですね。一般の方においそれとは出来なさそう。


めぐ)なるほど、本当に頻回に体のチェックしていないと難しいですね。


★徳嶋美希)
たしかに面白そうですね!
靴で姿勢戦略が変われば妊娠中の足のつりやすさに変化があったりするのかも気になります…!
ほんとですね、転倒気をつけないと…。妊娠中にヒールとか履ける気がしなかったです。


カナ)でもだからこそ、インソールとかも含めて足部の内在筋や後脛骨筋からのアプローチで足関節戦略を誘導してあげるのはいいのかもですね。


めぐ)なるほど!インソールや靴に固執しなくてもセラピストとしてできることはたくさんありそうですね^^



陣痛で痛むタイプはいくつかある?


カナ)徳嶋さん、本陣痛の時の痛みの場所って子宮でした?
仙腸関節の痛みとかってありました?


★徳嶋美希)
本陣痛の痛みは子宮でした。仙腸関節の痛みは全然なかったです。
妊娠中に仙腸関節痛がある方は陣痛でも痛みが出やすかったりするんですか?


カナ)陣痛の時(分娩第一期)に、子宮の痛みよりも仙腸関節の痛みが辛いっていう妊婦さん結構みえて、どういう人がそうなんだろうな〜っていうのが気になってたんです。
私の仮説だと元々左右差あって、仙骨のカウンターニューテーションが引き出しにくいタイプがそうなるのかなぁと思っていたので、徳嶋さんはどうだったのかなぁ?って思いました。


ゆみっぺ)
陣痛の痛みも子宮タイプと仙腸関節タイプがあるのは驚きです!
私は仙腸関節に痛みがあって「仙腸関節割れる〜!」ってずっと思ってました(笑)

ゆみっぺさんの記事はこちら⇩


カナ)ゆみっぺさんもでしたか!
私も第一子の陣痛の時は仙腸関節痛だったんですよねーー!
メキメキーーーっていう言葉が見えた(笑)


ささまや)骨盤の動きで陣痛の出方にも個人差があるという説には納得です。
ただいろんな要素が絡んでそうですね。


★徳嶋美希)
なるほど…!
陣痛でも仙腸関節に痛みが出る方もいらっしゃるんですね!!
たしかにもともとのアライメントで変わりそうですね…
仙腸関節の加齢変化があるじゃないですか、高齢の初産の方だと分娩時に適切な仙腸関節の動き出るのかなぁ、なんてぼんやり考えたりもします。
その辺りって産婦人科で働かれていて何か感じる部分はありますか?



カナ)私は基本お産には絡んでないので、加齢変化と分娩時の骨盤の動きはちょっと確認できないんです。
ただ、若い方でもレントゲン確認すると仙骨のアライメントが悪くてお産どうかなぁ?いけるかなぁ?って話になってるケースはあって、そういう方が最近リハにまわされてくるようにはなりましたね。


めぐ)なるほど、若い方でも仙骨のアライメントがあまり良くないと、おさん難しいんですね・・。そう思うと、出産前から産婦人科医、助産師、理学療法士のチームがあると幅が広がったり、できることがさらに増えそうですね~いや、なんかすごい!可能性を感じます。

Physical Birth House-ママ療法士出産体験記-徳嶋美希さん、前半はここまでです~次回もお楽しみに!!



*ウィメンズヘルス初学者のための語学講座*


文章内にあった言葉を簡単に説明しています。
学びの第一歩にしていただければ幸いです。


悪阻(オソ,ツワリ):妊娠5週目頃から起こる食欲不振、吐き気、嘔吐などの消化器系の異常のこと。妊娠したことで伴う生理的変化であり、全妊婦の50~80%にみられる。早朝や空腹時に強い症状が出る。通常は妊娠12~16週目頃までに自然に消えるが、個人差が大きく、一度消失しても後期に再発することもある(後期悪阻)。
有痛性外脛骨(ユウツウセイガイケイコツ):外脛骨は足部過剰骨の中で最も頻度が高く、後脛骨筋腱が付着する舟状骨の内側後方にみられる。健常人の15%前後にみられるといわれており、女性に多く80~90%は両側性。急激な運動負荷や外傷を契機として後脛骨筋腱による外脛骨部への牽引力が加わると、同部に痛みが発生します。外反扁平足を合併することが多くみられる。

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