東洋医療の特徴
患者さんで自分の体調変化について感じてきて、自己管理を始められる方が増えてきました。そんんな中、東洋医療の特徴についても説明していた所、自分でも初心に返って考え直してみたい気になったので少し書いてみましょう(^^)
はり・きゅうや按摩・指圧などの東洋医療は、東洋思想の根付いた土地から生まれ育まれてきたものなので、根底には大自然の動きは人にはどうしようもない摂理で、その大自然の一部である人も摂理に合わせて生活する事(調和)のが当然だという思想があると思います。
そして診方ですが、例えで人を木で摸すと、様々な症状を枝葉の細かい部分とし、根本的な部分を根幹とすると、枝葉の症状(器質的な部分)を診るのはもちろん、木全体をみてどこがどう働いていないのか、また、木の周りの環境を考慮した上での機能的な部分を大切にしていると思います。
簡単な例を挙げると、腰が痛む症状にしても、腰椎や腰の筋肉が痛んでいるなどはもとより、その人の生活習慣や周りの環境も考慮して、総合的にその人に出てきた腰の痛みとしてとらえます。治療も、傷んだ部分だけではなく、その人を総合的に診た上でこの辺に負担が掛かっているとか、今後予想されるリスクを軽減させる治療と共に、生活の仕方をアドバイスして自分を大切にしてもらう事も含めて治療だと考えられています。つまり養生ですね。
病の成り立ちについては、人は欲を出し、自然な動きとは違う自分中心の動きをしてしまいがちです。例えば、食べる、遊ぶ、休む、働くなどが過ぎたり、また、周囲の環境(天候や生活環境など)の変化が激しいと、心身の不調を招き更に過ぎれば病に至るという考え方です。
そういう考え方が根本的にある医療なので、はり・きゅうで治すというものではなく、不調を来している心身の働きをはり・きゅうで整えて、回復する手助けをする事が主体です。
私がこの道を志した要因の一つは、この様な思想を知った事もあったのですが、実際に臨床の場でいろいろな患者さんの様子を診ていると、まさに手助けの医療だと感じます。
「たかが手助け」と思われる方もいるかも知れませんが、現代医療では手を出せなかったり、また改善させる事が出来なかった方も、鍼灸治療を始めて明らかに改善傾向に変化した方が沢山おられます。例えば内科的な事で挙げれば、幼い頃から血小板数が少なかった方が増えて来て、正常範囲と言われる中に入ってきたり、糖尿病の方で血糖値が上がりにくくなったり・・・「されど手助け」です。
個人的にこのような事が起きるのは、東洋医療は器質的な部分だけに捕らわれず、能力的な全体的な部分を診ている点と、現代医療は人の能力を軽視もしくは無視して、薬や物理的な理によって矯正的な治療をしてきたが、東洋医療は人の心身の持つ能力を大切にし、それを手助けしようという理念の違いだと思います。
私的感覚でまとめると「東洋医療は、人、そして人を取り巻く環境の全体像をみて、それらの変化から機能的な所見をとって対処する」という感じでしょうね(^^;難しいかな
簡単に砕くと「身体や心は人それぞれだし、生活環境だってそれぞれ。その人の個性に合った方法で治療し、アドバイスする」という事ですね(^^)
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