東北大豆セミナー

強首ファームの田村と申します。今日はよろしくお願いいたいします。細かな耕種概要の説明は省かせていただいて、どこでつまづいてきたのか、どう改善して来たのかをお話させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

まず第一に何に一番時間を取られて、どこでつまづくのか?ここを常に意識して仕事をしております。

①播種と肥料と除草剤散布を一人で三つ同時にできる様になったことです。

今まではブームで除草剤を散布しておりましたが、播種機に粒剤の除草剤散布機をつけました。これにより一人でこの一連の作業を同時にできる様になったので、途中雨が降り出しても除草剤をかけられなく撒き直しのようなことがなく、雨が降るギリギリまで播種を行うことができる様になりました。雨が降るかもしれないから今日はやめようか、みたいな時間のロスを省くことができる様になった。少しの時間も無駄にできない梅雨時期にこれは大きいです。

②は中耕培土の時間が圧倒的に短くなった。

ハイクリアランストラクターと中耕ディスクの組み合わせです。車高が高く大豆を潰さず、車輪の幅を150センチに広げらて、とにかく足が速いです。1町歩1時間掛からずに中耕培土が終わります。最速で45分でした。さらに中耕ディスクは粘土質の土壌に相性が良くロータリーみたいに土を練りません。なのでロータリーだと入れない悪条件の雨の後でも構わず中耕培土できます。これにより中耕培土の適期を逃すことがなくなりました。

細かくいうと、初期生育の湿害を避けることができるようになりました。初期生育でこじけるとその後の追肥などの葉面散布などかなり時間のロスに繋がることが発生します。

僕の場合は本葉一葉展開する前に中耕に入って排水対策をしています。除草剤の効き目が勿体無いですが生育には変えられないので長雨が始まりそうなタイミングで中耕に入って小畝を作ります。これは足が速いからこそ気軽にできることだと思っております。

中耕ディクスを使う前は大豆バサグラン、ポルトフロアブルなどの除草剤を使っていましたが、圃場の草の把握に時間がかかり過ぎます。中耕培土の回数を増やすことでそれまでより除草剤を使わなくて済む様になりました。ただ抑えきれない所にはもちろん除草剤を使用します。圃場のどこに草が生えているか確認する作業に時間をかけるのなら中耕をかけながら草の位置を把握するのが効率的だなと。草も潰せるので。なのでうちは中耕培土の回数がかなり多いと思います。転換初年度の田んぼで最低3回は入ります。連作4年以降はどうしても草が多くなるので時間があれば何度でも入って草を潰しています。それでもどうにもならないところに大豆バサグランを散布しています。

とにかく栽培面積が多くなって来ているので、どんなに効果がある作業でも時間がかかり過ぎる作業は致命的だと感じています。除草剤の畝間散布など時間が掛かり過ぎますのでいかに時間がかかる作業を避けられるかが大事なのかなと感じております。

連作が続く圃場では大豆バサグランの薬害が酷かったです。初期生育が悪かったり薬害が出てしまうと追肥の手間が増えるので作業が後手に回ってしまします。いかに作業を後手に回さない様に頑張っていても作業というものは後手に回るものなので、どこで時間を取られるのかを意識するのが最重要だと感じています。

③追肥をする余裕ができた。

中耕培土に掛かっていた時間が短くなったことで開花期の追肥する余裕ができました。これが本当に大きかったです。肥料の体系は農研機構にいらっしゃった持田先生の研究を元に組み立てております。うちの大豆栽培はこれで一気に収穫量が変わったので。ぜひ取り寄せてご覧になって欲しいです。ネットでも検索すると見ることができます。

以前は硫安を散布していましたが、今は緩効性肥料のlp 70を散布しております。湿害が起きた所に局所的には硫安を追加で散布しています。これにより大豆の生育が大きくなったので倒伏しない様に、培土の量も増やしました。本葉一葉を隠すくらい強めに培土して絶対に倒伏させないようにしています。豊作の時に倒伏することほど勿体無いことはないので収穫に気を使いますが倒伏するよりはマシなのでこうしております。

lp 70の緩効性肥料を使っている理由は、徐々に窒素成分が溶ける肥料なので根粒菌の活性を邪魔しないということと、長く効くこと、それと追肥のタイミングが雨の影響などで早まってもそれほど影響がないということです。この追肥のタイミングが早まっても大丈夫っていうのが僕にとってはものすごく大事で、これが即効性の肥料なら長雨の影響をもろに受けて適期を逃すと思うんですが、適期の時期に長雨が来そうでも緩効性肥料なので前倒しで早く散布してもそれほどの影響ないと思っています。

このトラクターと中耕ディスクの組み合わせによって、排水と除草と倒伏防止、追肥の余裕ができるなど、問題が一度に解決しました。

④地下灌漑の導入とサブソイラ(弾丸暗渠)

春に必ずサブソイラを暗渠と交差させるように入れて排水対策をしております。それによって排水がより良くなるのと同時に、地下灌漑からの水もサブソイラの溝から染み上がってきます。


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