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誰もが、美味しいものを食べたい

タラ・レバは、まんがの得意とするところ。
最近は、異世界への転生ものが大流行。
スライムが出てくるもの。
オタクが、人生のやりなしをするもの。
本好きが、自由に本を読むために
その能力を発揮するもの。
異世界ものは、アイデア勝負。
そして、都合よくストーリーを
構築していくことができる。
どこかで自分の知っている時代との
接点をついつい探してしまう。

歴史上の過去に飛ばされた時、
作家の知識と見識が試されると思う。
過去の固定されたストーリーの中へ
異物として主人公を送り込む。
その時代に何しら影響を
与える舞台へ送り込まないと
表舞台に立てない。
その時代の人間に
どのように理解をさせるか。
歴史を変えるのか、否か。
理屈っぽく、時には、
時代考証にもこだわりながら
この作品を読んできた。

戦国時代、織田信長の元へ
引き寄せられる主人公の多い。
この手の物語は、信長の死で最後を
迎えることが多かった。

信長の死の描き方で、
作品の余韻も変わってくる。


タイムスリップした主人公は、
フランス料理のシェフ。
新しもの好きの信長に重用され、
歴史に深く関わることになる。

武将の評価は、兵力にあらず
人間力が、天下に導く。
信長は、料理も実力を見せつける
証としたのだろう。
あの時代の素材で、あの時代の人々が
食べることのできなかった料理の数々。

戦国大名であれば、
逆らう気など失せてしまう圧倒的な差。

しかし、時間の流れは、
着実に信長を死へ歩ませいく。

本能寺の変が起こる。
光秀が敗れ、信長が生き残った。
主人公が、歴史を変えた。
主人公が信長のつくる世界を見るために。

『信長のシェフ』 漫画 梶川卓郎  原作 西村ミツル

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