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頭を使ったあたま  2/66

尻尾ができた。
次は頭だ。
円柱状のキャップは,上顎と下顎に。
重ね合わせたらできそうだ。
顎をどうやって支える?
キャップを持って考える。

おぼろげながら浮かんできたイメージ。
「咆哮」
彼は、激しく吠えていた。
誰に
何に
なぜ
吠えているからには,
怒りがあるはず。
何に対して怒っているのか。

上顎に半割のキャップを連結してみた。
口が大きく空いた。
頭、首と針金の芯にキャップを通す。
長いしっぽ。
怒りを含んだ大きな口。
丸い頭からの太い首。

行き当たりばったりで,ここまで作ってきたが。
そろそろイメージを固めるべきか。
それとも,もう少し成り行きにまかすか。
キャップに穴を開けて,
側面に切り込みを入れて,
針金に通す。
狙った形にカチッとハマると最高の気分。
思いがけずイメージ以上のハマり方をしたとき
心の中で歓声が上がる。
イメージが拡張する。
無敵感が半端ない。
反対にイメージ通りに形成できなかったとき。
大きなため息が走る。
有頂天とがっかりの狭間を行き交いながら,
「まあいっか」の妥協はしたくない。
『なんなのそれ』
『とるに足らないプライドじゃん』
どこかで知ったセリフが降ってくる。
手を動かしながらも、
激しく思考が動き回るこの瞬間が好きだ。
ものつくりの醍醐味。

針金とキャップでどんな世界を作ることができるか。
もう少し両手に任せることにした。

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