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六さん

取り立てて絵に特徴があるわけでもなく、
古い喫茶店で何気なく手にした単行本。
定食が来るまでの時間潰しのはずが、
食後のコーヒーとデザートまで頼んでしまった。

教員には、想像の世界。
同期の嫉妬、嫌味な上司、個性的なキャラクターが
会社という枠の中で、
時には枠を飛び出して活躍する。
会長や社長まで巻き込んで、
一人の平凡な会社員の
平凡な日常に紛れ込む非凡。
教訓めいた話、人情噺、グッとくる名言も
風采の上がらない自然体の主人公が
おおらかに包み込んでくれる。
いつ読んでも、どの話から読んでも、
安心してストーリに身を委ねることができる。

30年間一度も原稿が落ちたことなく連載が続いていた作品。
作画の高井研一郎の急死によって幕が下ろされた。

さようなら、山口六平太

最終巻が読みたくなった。

『総務部総務課山口六平太』 原作 林律雄  作画 高井研一郎

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