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ComicVketの開催意義と感想

はい、たましこです。

結論から言うと、良い感じだと思いますし、今後も頑張って欲しいです。

まえがき

例のアレの影響で、不要不急の外出を控える通達がなされ、数多くのイベントが、大小問わず中止となっています。

「こうなってしまうと、今後の書籍販売はダウンロード販売が主流になるのかなぁ」等とたましこは考えていました。しかし、ダウンロード販売では、書籍やグッズといった頒布物との出会いの機会が減るという弱点があるらしいです。

実を言うと、たましこはそういったイベントには参加したことがありません。交通費が掛かるのと、そこまでして行く用事や目的がなく、言ってしまえば無縁の世界でした。そんな中、ComicVketが開催されました。

先に言うと、たましこは過去に何回かこういった(バーチャル上の)イベントに参加しており、また、主催をしたこともあります。毎度、「これをココでやるにはココがダメだ」だとか、「ここはもうちょっと改善できる気がするなぁ」等と勝手なことを言っています。

ComicVketとは?

ComicVket(略してコミV)とは、バーチャル空間上(VR)での「同人誌即売会」です。

だそうです。バーチャル空間上というのは、Second LifeやVRChatといったメタバースを指す物だと解釈しています。今回は、「VRChat」「Cluster」「STYLY」といった三つのプラットフォームで開催されている様です。

同人誌即売会とは言っているものの、実際に行われているのは「ダウンロード書籍の展示会」の方が近い気がします。技術的な問題だと思いますが、現状ではその場で買える決済システムが無く、「QRコードを読み取る」等の対応が必要です。将来的にはその場で決済が可能になると見込んでいます。ですが、現状は「コミVで見て、ブラウザ経由で購入する」という動作が一般的なものだと認識しています。

「バーチャルでやる意味」の大切さ

「バーチャル空間でわざわざやる意味あるの?普通にブラウザ上で並べればよくない?」という意見は誰もが一回は抱いたと思います。実際こういった現実で開催されるイベントをバーチャル空間上で行う際は、最初こそ「技術もここまで進歩したんだなぁ!」という感動がありますが、それは最初だけです。目新しさがなくなってしまうと、「でも現実だとアレがいいコレがいいココだとコレがダメ」といった感想が出るようになります。明確に、「これをバーチャル空間でやることに意味がある!」と言えるのは大切だと思いますし、人に勧めるときに最も魅力的に感じる部分でもあると思います。

さて、ComicVketはどうでしょう。

ブラウザ上でやらずにバーチャル空間でやる意味

あります。バーチャル空間上の即売会では、「興味のないジャンルでも比較的手に取って貰える」という長所があると思います。

「ブラウザ上で書籍が並んでいて、それをクリックして決済、購入する」というのが既存のインターネット販売の王道だと思います。このシステムでは、書籍の試し読みを行うためには各書籍の販売ページから開くというのが一般的だと思います。このシステムを利用する上で、購入者は、各書籍の販売ページを開かない限り、試し読みすらしないという傾向があります。多分。

それに対して、バーチャル空間上で行った場合はどうでしょう。「そもそも、バーチャル空間上に行くのが手間なので最初からブラウザを見て購入する」という最大級の弱点が存在しますが、それは普通に購入する場合の話です。コミVはイベントです。「イベント開催!」と銘打ってブラウザ上で実施した場合と比較するのが大切だと思います。

イベントという括りは大切です。イベントでもなんでもない時に無名の人がブラウザ上のショップに出品した所で、見向きもされないことが多いです。しかし、イベントとなると話は別で、(購入するかはさておき)目には留まります。これは大きな差です。100人が手に取れば、たとえ数人でも購入してもらえるかも知れません。しかし、そもそも誰も手に取らなければ、売れもしません。そういった意味でも、イベントとして開催するのはとても大きな意義を持っていると思います。

さて、コミVは即売会イベントとして見るとどうでしょう。完全に操作の話ですが、一回クリックするだけで頒布物が開けます。隣の本もついでに試し読みしようの感覚で開けます。なんなら会場全部の本をおつまみ感覚で開けます。ブラウザと違い、既に全て手元にあるので、開く手間とそこまでの距離が圧倒的に違うように感じます。

バーチャル空間上での即売会は、売り物を手に取りやすい(取って貰いやすい)という長所があると考えています。

現実のイベントと比較したバーチャル即売会の意義

これについてはそもそも比較するものではないと思います。

イベントの参加意義は様々です。「作者に直接お礼を言いたい」「雰囲気を味わいたい」「遠方の友達と一緒に見て回りたい」「商品が欲しい」「会場限定のグッズがある」等、買うことそのものが目的ではなく、実際に自分が移動することにより発生するモノに意義を見出す人もいます。そんな人からすればまさに、「バーチャル空間でやる意味ある?」となるのも道理です。

バーチャル空間上で開催した時のメリットは数多くあります。「混んでいない」「交通費が掛からない」「時間に縛られない」…等です。これらのメリットは、現実で開催したイベントのメリットと競合することが多く、どちらが良いとは一概に言えません。

混んでいるのが嫌な人、ゆっくり回りたい人にとってはバーチャル空間上で開催した方が嬉しいですし、逆に、「混んでいる方が雰囲気が出ててよい」「実際に作者に会ってお礼が言いたい」人にとっては現実世界で開催した方が嬉しいと思います。

ここまで読んでいて、「ん?」と思った人は一定数いると思います。「バーチャル空間上で開催した時にも人混みは発生するし雰囲気出てるじゃん!作者にも会えるし!」と思う人は多分います。しかし、私はそこは万人が享受出来るメリットではないのであえて無視しています。

これはバーチャル空間で行う上でのデメリットですが、同じ空間に人が増えれば増えるほどマシンの負荷が大きくなり、酷い場合には身動きが取れなくなります。全人類がハイスペックマシンを持っているわけではありません。雰囲気を感じる以前に別の問題が発生するので、バーチャル空間の人混みはココでは考えないことにしています。もちろん、ほとんどのプラットフォームでは「大勢で遊べる場所」と「少数で遊べる場所」を選択できるので、大勢で遊べる人にとってはあまり関係ない話なのかもしれません。しかし、それが標準だとは私は思っていません。技術的なリテラシーが高い人の発言が目立ちがちですが、そうでない人に目を向ける必要があります。もちろん、これは個人の意見ですが。

また、「作者がブースで待機しているからバーチャルでも会える」という考えに対しても同様です。開催時間が日付単位なので、どの時間にいるか告知されない限り分かりません。そういった点で、現実の方が確実に目的を満たせると言えます。現実でも離席していることはありますが、そういう話とはまた違います。

コミVの感想

長々と語りましたが、ここからようやくコミV自体の感想です。内輪な話も交じりだしますがご容赦ください。

イベントとして、かなりの大成功なんじゃないかなと個人的には思っています。

会場の負荷がかなり低く、また、設置されている頒布物の量もちょうどよく感じました。「最後の方に飽きてくる」なんてことはなく、また、「物足りなく感じる」なんてこともありませんでした。今後増えてくるとどうなるか分かりませんが、ここでは現状の話をしています。

また、販売物の見やすさはかなりのものだと思います。実は、VR空間上で本を読むのは実は結構難易度が高く、あまり流行しているとは言えませんでした。しかし、今回のイベントでは、「読みやすいなコレ」と直ぐに感じました。今後のバーチャル空間における読書のカタチになるかもしれませんね。

配置、レイアウトも素晴らしいと感じました。それぞれのブースの間隔がかなり狭く、隣の頒布物をつまむのも容易でした。サクサクと本を読むことが出来るのは、(会場のデザインとして)かなりいいと思います。「いやいや、これくらい出来て当然でしょ」と思う人がいるかもしれませんが、案外これが難しいのです。

入稿の難易度もかなり低いです。会場には、「JPG/PDFがあれば入稿できます!」と書いてありました。自分でブースを作る手間もなく、サムネイルと中身だけあればOKというのは、参加側からしてとてもうれしい要素です。PNG形式が見当たらないのはただの書き忘れという可能性に期待しましょう。Twitterなどで告知する手間についてはともかく、手に取って貰うための作業量自体がかなり減ります。毎日忙しい現代人にとって作業量が少ないのは嬉しいはずです。きっと。

本番に向けて思うこと

今回のコミVはテストの面も兼ねているそうです。本来開催されるはずだったコミックマーケットの代替案としてどうでしょうか!という話から出来たイベントだった記憶があります。

個人的に一番心配な点は、「二次創作のダウンロード販売」という点です。二年位前の話ですが、「二次創作は本として頒布することで、コストがかかり売り上げがトントンに近くなるので黙認されている、ダウンロード販売が始まってしまうと規制されてしまうかもしれない」という議論が起こりました。そういった点は詳しくないのと、二年前の話なので今では環境が変わっているかもしれませんが、現状のコミVは殆どが一次創作物です。二次創作の取り扱いについて今後どうなるのか分かりませんね。

また、設置する頒布物が増えれば増えるほど、少しとはいえ負荷が増えます。誤差の範囲かもしれませんが、誤差が重なると大きな差になります。

技術的なリテラシーがない人でも気軽に参加できる環境をキープ出来ることがとても大切じゃないかなと、個人的には思っています。

たましこ

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