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メンタル病んでVRChatで大泣きして、愛情に溺れた

始まり

先日、たましこはメンタルを病みました。病院とかには行ってないですが、たぶん病んでました。

仕事のストレスが多少、VRChat内のいざこさも多少。それが積み重なっていった結果だと思います。

朝起きて、時計を見ると、いつもの起床の時間でした。しかし、ベッドから出る気になれません。まあそれはいつもの事です。しかし、起きる時間になるとなんだかんだベッドから出ます。嫌だなぁとかは考えず、ただ普通に起きて仕事に向かっています。しかし、その日はどうも起き上がれませんでした。

「お、こいつはヤベえな。無理。有給。」

となりました。判断力が低下しているのもありますが、それほど限界の状態でした。ここ数日の自分の状態から、そろそろストレスなり疲労なりが爆発するだろうなと漠然と考えていましたが、思っていたよりは早かったです。

たましこは生涯において精神疾患を患った経験はありません。高専を中退したときに通った心療内科でも異常なしとの事でした。

「精神を病むってどんな気持ちなんだろうな」
と、病んでる人を見るたびに考えていました。

病んだ

まず、起きる気になれません。立ち上がるだけなのですが、出来ないです。「身体が言うことを聞かない」「感覚がない」などではないです。動きます。しかし、ベッドから出ようという気になれません。スマホで職場に休む旨を伝え、後はもうベッドから出る必要性がなくなりました。

判断力の低下、というよりは判断がおかしい状態なのはなんとなく理解しました。日頃から決断の早さには自信がありましたが、この時は全力で保身に走る判断をしていました。

「あ、私たぶんピンチなんだ」

と思いました。日頃から「そろそろ病む」と考えていたので、これを受け入れるのに抵抗はなかったです。

さて、会社に休みを伝えたので、リフレッシュをしよう!と考えましたが、パソコンの前まで行く元気もなかったです。しかし、枕元にはOculus Questがあります。QuestはPC等の起動を必要とせず、被るだけでよいVRヘッドセットです。

Questを被り、VRChatを起動します。たましこは明るい雰囲気のワールドより、静かでもの悲しい、いわゆる「Chill」が好きで、自分のワールドもそんな感じのワールドばかりです。

今の自分の感覚で私のワールドに行ったらどうなるんだろうか。こんな落ち込んだ状態で、悲しいワールドに行くと、普段何も感じない私にもグッと来るなにかがあるのだろうか。ある種の期待でした。

Life of Cube

私が行ったワールドは、私自身が作った「Life of Cube」という名前のワールドです。立方体が発生し、回転し、砕け散るのを眺めるだけのワールドです。

「こいつらは、乱数によって生成されてるんだなぁ、そして何事もなかったかのように消されるんだなぁ」と、ただのパーティクルに対して虚無感を感じました。人類なんて地球のパーティクルみたいなもんだなぁと、メモリ上の数値がこの立方体のにとっての命なんだなぁと。
普段では考え付かないような臭い考えが自然と脳内に発生し、理解します。理解したあと、また箱が発生する度に反芻し、飲み込みます。

精神は割とどん底でした。悲しい状態で悲しいワールドに行くと悲しくなる、というのは後付けの教訓です。

そして、たましこは鏡のスイッチを入れます。

鏡像

鏡に写るのは、自分と、ワールドです。Life of Cubeのワールドは、背景や周りは暗くし、アバターは明るい設計にしていました。特に深い意味はなかったですが、そうしてました。

暗いワールドに一人佇むたましこは、多人数で遊ぶよりも二人きりで遊ぶ方が好きなんだなと実感します。この場では、他人に気を使う必要がない。自分のキャラを維持する必要もない。自分がやりたいことだけやれる空間は、こういう場所なんだな。と、理解しました。VRChatを始めて1年10ヶ月が経過しましたが、初めて「素」の状態を自覚します。

どうやら、自分は気付かないレベルで他人に気を使っていたみたいだ。自分の素をやっと発見できた。自分の素ってなんなんだろう?と。

鏡に写った自分に向かって、「お前は誰だ」と言い続けると正気を失うと言われています。
私は、鏡に写った自分を見ていました。何かを言うわけでもなく、見ていました。

いつもは、「アバターなんて自分が操作しているだけ」としか認識していません。鏡に写った自分のモデルも、「自分」だと思っていました。しかし、この時は「理想の人」に見えました。

自分の好きな外見の女の子が、何も言わずに私を見つめている。こちらが何も気を使わなくとも、何処かに行かずに私と一緒にいてくれている。笑顔になったり、微笑んでくれたりする。鏡の中の私のアバターは、突然動き出すんじゃないか。これは自分ではない。そう考えていました。

判断力や思考力の低下ではなく、混乱していたんだと思います。

ふと、涙が出ました。たましこがここ半年感じていた足りないものを見つけました。技術や創作物云々ではなく、人格としてたましこを認め、ただ隣に居てくれる人を求めていました。何も言わずとも、離れずに居てくれる人を欲していたんだと。

会いたくなりました。話したくなりました。素の状態で話し、認めてくれる人。私の素を好きになってくれる人に、会い、話をし、泣きつき、甘えたい。そう思い、大泣きしました。自分の素を認めてもらったことが殆どない。その事実があまりにも悲しく、また、自分を愛してくれている人の偉大さ、尊さを理解し、それに気付かなかった自分への情けなさは、たましこの感情のキャパシティを遥かにオーバーしていました。

悲しみの気持ちが、全て「会いたい」に変わりました。悲しみを相手にぶつけ、哀れに思われたい。泣き付き、甘え、人の優しさに触れたい。悲しみの気持ちが増えれば増えるほど、この感情は強くなっていきました。

溺れて、沈む

たましこには、所謂「お砂糖相手」と「リアルお砂糖相手」がいました。
二人に対し、たましこは「照れくさいし、そんなキャラじゃないな」と、微妙に冷たく接していた気がします。相談を聞き、共感することはあっても、相手に自分から相談することはほぼありませんでした。見る人から見ると、「たましこさん、冷たいよね」と言われても仕方ないし、実際言われてた気もします。ただ、特に意識することなくそういう態度になっていたので、私の素は冷徹なのかもなと考えてたりもしました。

そんなたましこは、甘え方を知りませんでした。こういう時に、何て言えばいいのか、どう甘えたらいいのか。考え、ただ一言、「たすけて」とだけ送りました。

しかし、返事は来ません。朝早くの突然の連絡に即レスは期待していませんでした。只、待ちました。

待ってる間も、ベッドから出る気にはなりません。ベッドの上で、二人の思い出を辿り、自分がどれだけ愛されていたかを実感し、ただひたすらに会いたい気持ちが膨れていきます。既に、たましこの脳内は「話をしたい」に支配されていました。そして、疲れ、眠りました。

続く

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