「未来」6月号掲載7首

黙深くパロールの雪降りしきり言葉にならぬ言葉が積もる

声が出ないわけではない思いだせぬ白雪に消える無言の轍

聞こえるだろうかあなたには私が吹雪の中の慟哭の音が

朝焼けのレモンの黄色鮮やかにあなたのすべてがそこにあるように

名も知らぬ内なる花は今日も咲くどう生きていこう星の片隅で

少女の手から鳥が飛び立っていく空白は埋められず広がる

悲しみの果てには何があるのだろう苦しみと悔い、冬凪の日々