「萩の花,尾花葛花,なでしこの花,女郎花,また藤袴,あさがほの花」(ヤマハギ,ススキ,クズ,カワラナデシコ,オミナエシ,フジバカマ,キキョウ)これは,山上憶良によって,万葉集に詠まれている秋の七草である.春の七草が食用にされる野草や野菜で有るのに対して,秋の七草は,秋の野の花を代表する野草木が選ばれているが,これらがすべて薬用植物である。 和名の「クズ」は,昔,大和(奈良県)の国栖(くず)地方の人が,この植物の根から精製した澱粉を売り歩いていたことから名付けられたと言われ,そ
漢方のかぜ薬として知られ、ひき始めに使われるかぜの薬としてよく用いられる「葛根湯」は昔からなじみの深い漢方薬のひとつです。基本的には体力がある「実証(じっしょう)」※の人に向く薬で、かぜの初期などの頭痛、発熱、首の後ろのこわばり、寒気がするが汗は出ないといった場合に有効です。「葛根湯」は発汗を促すことで熱を下げ、かぜを治そうとします。最近の西洋医学的な基礎研究でも、抗炎症作用などが確かめられています。基本的に急性期に用いる薬で、使うのは発病後1~2日が目安とされています。 「