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【苦悩】安心・安全で美味しく、栄養のバランスが取れる献立が1番なのは分かってる

でも、これが1番難しいーーー!!


どうもタムです

献立をたてるときに、何を考え、どの優先順位を高くするのかは、その人の個性がよく出るところやと思います。

栄養士としては、食材の組み合わせを栄養素を中心として考えることは前提なんですが、「栄養素が献立作成の全てではない」ってところが献立や料理を考える上で大変面白いところやと思います。

1食分の栄養素が取れるパンやパスタが話題にもなりましたが、それを毎食、毎食、提供すればいいというものでもありませんよね。

さて今回は、そんな献立を考える上でのお話を、色んな角度からしいていきたいと思います。

科学と文化の眼鏡


科学の眼鏡

栄養学は、科学の眼鏡で人と食べ物を見ている学問だと認識していますが、その元をたどれば、歴史はかなり長いです。けれど、栄養学として急速に発展してきたのはここ100年くらいではないでしょうか。

僕たちがよく使う「カロリー」は熱量を表す単位ですが、熱が分子の運動であると結論づけられたのは19世紀中頃とわりと最近のことです。そのため、他の栄養素についても、分からないことがたくさんあるのも事実なんですね。

『日本人の食事摂取基準』を見ていても、日本人に必要な栄養素量は数値として「明確」には定まっていません。個人的には「数値として明確に定めることができないし、その必要はない」と思っています。

未知のことが沢山ある学問ですが、その功績は本当に多くあるように思います。特に子ども達の健康状態は大きく改善していきましたし、

昔は、病気は病原体によって起こるものだと認識されていましたが、脚気や壊血病、ペラグラのように何かが不足しても起こるものだと栄養素は教えてくれました。

逆に、最近は食べ物が飽和状態であることやサプリメントなどによって過剰に摂取することが日常的にできるようになり、取りすぎによって起こる過剰症の危険性も高まっています。


科学の眼鏡から見えてきたことは、食事に大切なのは、何よりもそのバランスであり、様々な栄養素の不足と過剰、その間におさまるように調節しましょうということだと思うのです。


文化の眼鏡

こちらでは、歴史や進化などを書いていこうと思います。今までの食を作ってきたのはの科学ではなく、そこに生きていた人間です。現代の食べ物は昔と比べると人間が栽培しやすいように、調理しやすいように、食べやすいように品種改良され進化し、適さないものは淘汰されていっています。

その1.にんじん

にんじんを例にすると、当初は紫色だったんです。それが、オランダで品種改良され、オレンジ色の個体がでることで、その人気が高まることで紫色の需要はなくなっていきました。今となっては、紫色の姿を見ることはないですね。

さらに、10年20年前と比べると、独特のクセや匂いは非常に少なくなり、にんじんが嫌いという子どもは少なくなったのではないでしょうか。

形もそうです。手に収まりやすく、調理しやすい大きさですね。アメリカにはなにやら、大きなにんじんもあるようですが、日本のスーパーではみたことがありません。


このように野菜を含め、僕たちが口にしている多くの食べ物は長い年月と、人間の莫大な労力によってニーズに合うように変化していることを忘れてはいけません。

その2.美味しさ

さて、何をどう食べるのかは、文化に大きく左右されます。日本人は鶏肉や魚、たこ、海藻は食べますが、虫や犬、猫を食べるなんてことはないしょう。

もし、食事の途中に「実はその肉、猫なんだよ!」と告げられたのなら、提供した人に殺意すら湧き、それ以降美味しく食べることは出来なくなるでしょう。食べるものに対しての認識は、美味しさに大きく左右されるものです。


今ある美味しいという感覚は他者、特に家族がおいしいと言っていたものが大きく関係し、これまでの何万何千という食事や特に幼少期の経験によって学習され、一種の価値観として定着しているように思います。

苦手

食事は楽しいものであるべきだという、論調が広がっている中で、苦渋の選択をしなくてはいけないときがあります。それは子どもたちが苦手なものを出すときです。

たくさんの食材と出合う機会を。地域の食文化を感じてもらいたい。しかし、それが万人受けするとは限りません。そんな決断に苦しんでいます。

苦手な子どもが多い食材を提供したあとは、正直しんどいです。かといって、出さないわけにもいきません。納豆を食べたことがない、ゴーヤを食べたことがない、そんな子どもが世の中には沢山います。

文化の眼鏡からは、美味しさを考える視点や、食べ物から人間や地域、そして様々な世界を知ることができるという視点を見つけることができたなと思います。

終わりに

あれこれと調べたり考えたりしたことを書き出しましたが、いかがだったでしょうか。献立って考えれば考えるほど、難しいものですよね。みなさんの考えや思いもぜひお聞かせください!

最後まで読んでいただきありがとうございます。



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