部屋の中心に鎮座する「諸悪の根源」とねんごろすぎる問題

勉強も運動も音楽も書道も料理も人間関係も、
つまりほとんどどんな活動でも卒なくこなす友人Yが
昔言っていたことを思い出す。

「ソファは諸悪の根源」

友人Yはかなり厳しめの母親に育てられ、
彼女の「普通」はそもそも平均以上の高い水準だった。
（定期テストの順位が学年2位だった時さえも、
彼女の母親は素直にほめなかったそうだ）

そんな出木杉さんな彼女の普通の趣味として、テレビ鑑賞があった。
彼女は意外とテレビっ子で、「いまハマっているドラマ」が
各クールごとにあるようだった。

だいたいの家庭にはテレビがあって、その正面にはだいたいソファがある。
彼女の家もその配置であった。
彼女はテレビっ子である一方、
そこで時間や気力を溶かしてしまうことを憂えて
ソファを「諸悪の根源」と呼び、己を戒めていたようである。

最近ソファで寝落ちすることが多い私にとっては
「諸悪」に心当たりがありすぎる。

家にいる時間の9割、リビングのソファで過ごしている。
テレビはほとんど見ないのでテレビっ子とは言わないが、
youtubeでゲーム実況を見始めたら動かざること山のごとし。

ずぼらな私は週7日のうち２日ほど（主に週末）は
ソファで朝を迎えている。
それでいて首が痛いだの肩が凝るだの嘆いているから
夫にも呆れられている。
「うちのベッド、いいマットレスで高かったのになぁ？」
と嫌味を言われる。
（言い返せない）

金曜日の夜
解放的な気分で好きな食事をとり、好きなお菓子を開け、
好きなチャンネルを見ながら、楽しみにしていたワインをちびちび飲む。
そして翌日のことなど気にせず夜更かしをし、
そのままソファで寝落ちする。
（運が良ければ猫の添い寝付き）

めちゃくちゃ魅力的な過ごし方だが、
やっていることは健康を顧みない暴飲暴食、睡眠の質低下、生活リズム崩壊…結果は悪いことしかないのはわかっている。

「諸悪の根源」はあまりにも魅力的すぎる。
たまにならいいかもしれないけど
付き合い方を考えないとたちまち堕落してしまうぞ、
と今もソファに座っている自分に言い聞かせている