問われ方が変わっても確実に得点する【113B11・改】
113B11
救急外来を受診した感染症が疑われる患者で敗血症の存在を考慮する評価項目として、意識レベルとともに有用なのはどれか。
a 体温と脈拍
b 体温と血圧
c 脈拍と血圧
d 脈拍と呼吸数
e 血圧と呼吸数
【正解】e
【解説】
敗血症の定義は、ICUと非ICUとでは用いる指標が異なります。
本文では、「非ICU」の「敗血症」がkeywordなので、
qSOFAが出題テーマとなります。
qSOFAは、出題されると言われ続けて第113回で初登場となったので、
第114回以降も「知っていて当然のこと」として出題されることが予測されます。
意識(GCS)・血圧(収縮期血圧)・呼吸(呼吸数)の3項目が必要ですから、
設問文にある「意識レベル」以外の2項目が正解となります。
以下、113B11のアレンジ問題/解説です。
【113B11・改】
救急外来を受診した感染症が疑われる患者で敗血症の存在を考慮する評価項目して有用でないものはどれか。
○ 血圧
○ 呼吸数
○ 乳酸値
○ 意識レベル
※上記スクリーンショットの【113B10・改】は誤りで、
正しくは【113B11・改】です。
【正解】
乳酸値
【解説】
出題のテーマは113B11と同一です。
「非ICU」の「敗血症」なので、qSOFAを問うています。
回答の71%が正解の選択肢に集まっています。
ほぼ同じ内容で問い方を変えただけの改題なので、
オリジナルの89%に比べて少し正答率が下がってしまったのは、
敗血症と敗血症性ショックとを意識的に区別していなかった人が
一部にいたためだと推測しています。
敗血症のevidenceは2016年のsepsis-3で大幅に変更になりました。
特に、敗血症/敗血症性ショックの定義が変わり
(重症敗血症という用語が無くなった)、
SOFA、qSOFAの重要性が増したのが臨床的なトピックです。
乳酸値・平均血圧は「敗血症性ショック」の診断で必要な項目であり、
「敗血症」の診断で必要なqSOFAでは
「意識」「呼吸数」「収縮期血圧」の3項目で判断します。
過去問演習は「正解できれば良い」のではなく
「正解に至るプロセス」が大事なのです。
文責) まなびのデザイン 民谷 健太郎
●参考
羊土社「医師国家試験の取扱説明書」民谷健太郎 著
□ p51 #8 出題者の意図を汲む
□ p149 #29 EBMを問題から汲み取る