総括的評価と形成的評価
オンライン臨床実習 初日の所感です。
振り返りのコメントを読むと、
テストの結果についての言及が
一部に見受けられます。
初日がオリエンテーション+プレテストのみの
実習内容ということもあり
テスト結果に気が向いてしまうのも
何となく理解は出来ます。
そこで今一度、
オンライン臨床実習のクリア条件を確認します。
(大事なので繰り返して強調しています)
① 朝のGoogleフォーム記載が全体の8割以上
② 実習前テストの受験
③ 実習後テストの受験
ここで読み取って欲しいこととして
実習のクリア条件には
「テストの成績は全く反映されていない」
ということです。
CBTやOSCE、卒業試験、あるいは医師国家試験は
単位認定や進級条件、医師免許の取得を目的としたテストです。
このような評価を「総括的評価」と言います。
到達度を以って、成績を付ける・合否の判断を下すのが
この「総括的評価」の目的になります。
一方、総括的評価の対義語として
「形成的評価」というものがあります。
「形成的評価」は合否や成績に関係のないものを指し、
フィードバックによる学習強化を目的とします。
今回のオンライン臨床実習は
「参加」を最重要視しているので、
テストの成績は実習のクリア条件に含めていません。
したがって、
プレテストの成績が良いから優秀な医学生
プレテストの成績が悪いから落ちこぼれ
というようにテストの結果に対して
一喜一憂して欲しくないというのが個人的な思いです。
私は、自習で最も大事なのは
「積極性」「主体性」だと思っています。
失敗を恐れて臆病に消極的になっていると
心身ともに安心感が得られるかもしれませんが、
得られるものは少なくなってしまいます。
発言や考えが、たとえ間違っていたとしても
失敗することを恐れずに
自分の意見を伝えて欲しいと思います。
そうすることで
正しい・誤っている
良い・悪い
的を射ている・論点がズレている
というようなフィードバックが自然とかかるので
得られる学びが多いはずです。
テスト結果に一喜一憂している方は
「総括的評価」の考え方で
この実習を捉えている傾向にあるとも言え、
かたや、
テスト結果にかかわらず
何らかの学びや気付きが得られた方は
「形成的評価」を自然と活用できているとも言えます。
本実習では後者の「形成的評価」を重視したいので
マル・バツの世界から抜け出して
一つでも多くのことを学んでくれたら
このオンライン臨床実習を開催した意義が
生じてくれるのだと思います。
もしかしたら第1期生の中にも
正解の無い不協和の状態が苦しかった方も
いたのかもしれません。
テストには、何も
皆さんの優劣をつける目的のものだけではない
ということを知って欲しかったので
いち意見を述べてみました。
この実習では、
みなさんの取り組みに対して
個々で直接的なフィードバックをすることは
現実的に難しく割愛していますが、
教材の至るところに
「形成的評価」のニュアンスを込めた
フィードバックを散りばめているので
そのメッセージに是非とも気付いていただけたら。
なかなか普段では起こらない化学反応だと思います。
せっかくなので楽しんでください!
文責) 民谷 健太郎
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