コロナウイルス、パンデミックの始まり (2020年1月)
歴史が面白い
今まさに大きな歴史が動いている。
新型コロナウイルスによる感染症が全世界で猛威を振るっている。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界では6月8日時点で700万人を超える感染者と40万人を超える死者数にのぼっているという。
中国の武漢で1月11日に初の死者が出たというニュースが全世界に発表されたからこの話は始まった。
そして5日後に日本で初の感染者が見つかり大騒ぎは始まっていった。
その後毎日ニュースが流れ、ワイドショーでも毎日取り上げ続けている。
大量の情報が流れ、世界中で同じように都市が封鎖なりそれに近い対応がとられていた。人の命にかかわることなので同じ対応になるのかもしれないが、あまりにも同質な対応である。
もう一度冷静に今までの流を見ていきたいと思い、3月の途中から新聞の切り抜きを始めてきた。
(2020年6月9日 記述)
「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ」
過去の感染症の流行で今回のコロナウイルスに匹敵するのは、100年前のスペイン・インフルエンザの流行であるといわれている。
それについては速水融氏の「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ」に記されている。
今の感染を歴史的にとらえるには、歴史人口学の大家である速水氏の視点が参考になると思われる。以下著者の目次に沿ってその視点を追っていきたい。
スペイン・インフルエンザであるからスペインだと思われるが、どうもそうではないらしい。
本書では本格流行(1918年8月以降)の先触れとして、同年3月のアメリカのカンザス州から発生したものが大西洋や太平洋を3週間以内に渡り、ヨーロッパやアジアに到達したとする説をとる。
スペインで罹患が増えたのは同年5月から6月であるが、スペインにとって不運だったのは、他のヨーロッパ主要国が第一次世界大戦で交戦中で、どの政府も自国でインフルエンザが流行していることを発表しなかったのに、中立国がゆえに流行の状態が世界に知れ渡ったことである。
今回も武漢ウイルスと当初言われていたのが、WHOの命名でCOVID-19となったが、どこが発症元かという議論は繰り返されている。
(2020年6月13日 記述)
ウイルスの発生源
ウイルスの発生源について、トランプ大統領やポンペオ国務長官は中国湖北省武漢市のウイルス研究所だと訴えてきたが決め手を欠いている。
「多くの証拠がある」としてきたポンペイ氏は最近になって「研究所から流出したか、ほかの場所からなのか確信があるわけではない」とやや発言を修正した。
真相のカギを握るとみられているのが武漢ウイルス研究所の石正麗氏だ。コウモリ由来のウイルス研究者の石氏は「バットウーマン(こうもり女)」の異名も持つが3月ほど動静が途絶えていた。5月になって石氏が中国の国営TVに登場し、インタビューに答え、昨年12月30日に感染者の検体が研究所に持ち込まれたと経緯を説明。
そのうえで、「我々が知っているウイルスの配列と違うことを証明し、新型コロナウイルスと命名した」と指摘し、研究所からのウイルス漏洩を否定した。
また、同時期に日経サイエンス(SCIENTIFIC AMERICAN June 2020)に、「追跡、新型ウイルスの起源 中国のコウモリ洞窟を探る」を北京を拠点に活動しているサイエンスライターであるJ.チウが載せている。
ここで石氏が2004年、SARSウイルスの自然の保有宿主を発見した経緯と遺伝解析の結果でこのウイルスは何回か人間にジャンプし致死的な病気を引き起こしていることを示している。そして人間と野生動物が接触する機会が増え、こうしたアウトブレイクが起こりやすくなっているとしている。
また、中国政府は2月24日、研究と医療用、展示目的を除く野生動物の消費・売買を恒久的に禁止すると発表した。この措置で760億ドル(約8兆1000億円)規模の産業が消え、およそ1400万人が職を失うという。これは闇市場に押し込めるという懸念があるというが、大変規模の大きな数字である。
日経新聞(5月9日真相深層)によると、新型コロナウイルスについては、人為的に作られたものではないか、あるいは武漢の研究所から漏れ出たのではないかとの憶測があるという。
そして人為起源説は、世界の多くの科学者だけではなく、米政府の情報機関すらも否定している。
漏出説に対しても、武漢の研究所が持つウイルスと新型コロナの遺伝情報の違いから科学者の間には懐疑的な見方が多い。また危険度の高い病原体を扱う実験は二重,三重の厳しい管理下で行われ外部に持ち出されることは一般に考えにくい。
ただ未公表のウイルス保有など仮定すれば、漏出説を完全に払拭するのは容易でない。
発生源を探ることは、政治的な話も入り、これ以上は生産的な話ではない。本質的な話は、このウイルスがRNAウイルスで複製の際に変異を起こしやすく、さらにほかのコロナウイルスと相同組み換えを起こす。
コウモリが媒介するウイルス感染症のアウトブレイクは過去30年にヘンドラ、ニパ、マールブルグ、SARS、MERS(中東呼吸器症候群)、エボラの例があり、今回はそれらに続く事例である。
コウモリを中心とした野生哺乳類に少なくとも32万種類の未知のウイルスが隠れているという推定もある。
我々はウイルスに囲まれており、今回のような発生は確実にこれからも起きるといえる。そういう前提に立ち、今後のウイルスへの対応を考え、ウイルスとの共生の時代をどう生きていくか探ることがなにより肝要である。
(2020年6月13日 記述)
武漢から
コロナの話は毎日、テレビや新聞に載っており、その時々はよくわかったつもりになっているが、後で振り返ると多分記憶がぼんやりとして、少し詳しく人に話せるものにはならないだろう。
今まで起きた心に残るような大事件やイベントにおいてそうであったから今回もそのようになるに違いないと思い書き記しておきたいと考えた。
武漢から順に記していきたい。
世間に初めて発表されたのは、2019年12月31日武漢市衛生健康委員会が原因不明のウイルス性肺炎感染を発表した時だ。
その時はあまりニュースにも大きく取り上げられておらず、ほとんどの人が知らなかった。
新型コロナウイルス感染症対策専門会議メンバーの岡部信彦氏は、医者仲間から武漢で原因不明の肺炎が出ていると連絡があり、「年が明けたら大変なことになるかもしれない」と思い、川崎市の担当者にメールした。
氏は川崎市健康安全研究所所長であるので川崎市の担当者に連絡したのだが、一般の人にとっては知る由もない。
2020年1月9日、新型コロナウイルスを検知と報道された。
バットウーマン(こうもり女)と呼ばれている石正麗氏によると、2019年12月30日武漢ウイルス研究所に謎めいた検体が届き、上海にいた石氏は呼び戻され、それからゲノム配列の分析を行い1月7日に病気の原因が新型コロナウイルスであることが確定したとのことだ。
その結果は2月3日付けNature誌オンライン版に発表された。
1月11日武漢で初の死者と発表された。
日経新聞では「中国の湖北省武漢市で発生した新型のコロナウイルスについて、同市の衛生健康委員会は11日、初めて死者が出たと発表した。
1月10日時点で41人が肺炎を発症し、うち重症は7人で、2人が退院した。そのほかの患者の症状は安定しているという。
3日以降、新たな発症者は確認されていない。当局によると、死亡した男性(61)は発症者が多い市中心部の海鮮市場でいつも商品を購入していた。9日の夜、呼吸不全で心臓が停止した。」
これから、日本でも注目され始めた。実は後にわかるのだが、すべての発症者は2019年12月8日から2020年1月2日までの間に発症し、医療従事者への感染や人から人への感染ということは報道されていない。
1月12日に専門家の意見として、ヒトヒト感染の過度の心配は不要。感染拡大の可能性は低い(忽那賢志(国立国際医療研究センター))とされていた。
1月14日武漢当局はヒトヒト感染の可能性は排除できないと発表。小出しに情報開示がされてきた。
1月15日国内初の感染者が見つかる。
神奈川県の30代男性で、1月3日から発熱症状があり、6日に武漢市から日本に帰国した。
医療機関を受診し、9日には39度の高熱となった。
肺炎に悪化の兆しがあったことから10日から入院。症状は回復し、15日に退院し自宅療養となった。
なぜこう早く新型ウイルスとわかったかというと、PCR法で診断したからという。
かつては本物のウイルスがなければ検査の素ができなかったが、今は病原体のウイルス遺伝子の塩基配列がネット上などで公開されれば、それでいわば仮想のたんぱく質を合成し、病原体の有無の検査ができるという。
ここは科学の進歩である。
1月17日の専門家の意見として、動物を介してヒトに感染と考えられる(押谷仁(東北大))。
ヒトヒト感染であっても、インフルエンザやはしかなどと比べて確率はとても低い(岡部信彦(川崎市健康安全研究所))。
むやみに恐れる必要はない(忽那賢志))この段階では、パニックになることを用心したのだろう。落ち着かせるコメントが続く。
1月20日中国の衛生当局の幹部が、ヒトヒト感染を明言した。知っていた事実を隠しおおせなくなったのである。
1月21日安倍首相、関係閣僚会議開催。検疫の徹底と万全の情報収集を指示した。
同日、箱根の駄菓子屋店では「中国人お断り」貼り紙が出され話題になる。
専門家の意見として、ヒトヒト感染の可能性は指摘されていた。
今後は感染のしやすさが焦点になる(忽那賢志)。
動物からの感染だけで200人近い患者の発生を説明できない。
変異で感染力が高まる可能性もある(濱田篤郎(東京医科大))。
実際の患者は、中国当局の発表より1,2桁多い(押谷仁))。
中国から情報が不足しており専門家も意見が推測の域を出ない。
1月22日台湾総統、団体客の武漢との出入りを中止と発表。
米国も、武漢から入国可能な空港を制限。早くも手を打ち始める国も出てきた。
1月23日WHO、緊急事態宣言を見送る。意見が2分したとのことだが後で禍根を残すことになる。
同日、武漢市は市民に「移動制限」を出す。
23日午前10時から公共交通機関の運行を停止、市外に出る鉄道の駅や空港も閉鎖した。
フィナンシャルタンムスは「中国、武漢市を隔離。」と表現した。
隔離(quarantine)は40を意味するイタリア語に由来する言葉。
海の都ベネチアがペストなどの疫病から市民を守るため、旅人を40日間市外に留め置いたことに由来する。
コロナの流行で世界各国が隔離措置をとるようになったが、武漢の封じ込めはその先駆けである。
(筆者の当時のコメント)
感染症の発症はその影響の大きさから政治的なマターになりやすい、特に情報統制をひく中国では真相がわからない。
12月から1月にかけて特にWHOが緊急事態宣言を出すまでは公式ニュースだけではわからない。
そして我々に得られる情報はなかったとさえ言える。
なぜヒトからヒトへの感染が12月に始まったとみられるのに1月20日まで伏せられていたのか、その初動の遅れがパンデミックにつながっていったのは残念だ。
今後も起きるであろう感染症の爆発的な感染の教訓にするために、有益な内部情報の開示が世界にとって必要だ。
なぜなら、中国で起きたことは、アフリカでもアジアでもシベリアでもアマゾンでも、ほかの地域でも起きる可能性があるからだ。
(2020年6月19日 記述)
さらに中国
1月24日 中国の春節がはじまる。今年はコロナで2月2日まで延長された。
武漢では専門の臨時病院建設が開始された。日本では、国内での2人目の患者が出た。
武漢からの渡航者だ。
政府は同日、湖北省への渡航中止を勧告している。
また、国内の百貨店大手5社は希望者にマスク使用を認めた。
1月25日 春節の中、中国共産党の中央政治局常務委員会は緊急会議を開いた。
習主席をはじめ中国当局者はコロナとの戦いを戦時モードにする。
北京で移動制限が出され、故宮博物院や上海の豫園といった観光名所は次々と閉鎖されていく。
また、中国当局の隠蔽体質について、中国の有力誌「中国新聞週刊」(1月25日)は、匿名の医師の話を伝えた。
武漢協和医院の医師が取材に応じて、「流行が始まったばかりの時期、武漢市の方針は消極的だった。」と指摘し、病院側から「許可を得ずに公共の場で感染状況を語ったり、メディアの取材を受けたりしてはならない」と通知されていたと明らかにした。
こうした隠蔽に対しては、命がけで危険を警告し、しかもコロナで命を落とした武漢の医師によって白日のもとにさらされた。
2月7日に死亡した李文亮氏である。
李氏について最もまとまった報道は、中国の調査報道メディア「財新」編集部「新型肺炎を武漢で真っ先に告発した医師の悲運」(「東洋経済オンライン」2月7日掲載)である。
そこでの経緯はこうだ。
李氏は19年12月30日、ソーシャルメディアのグループチャットで情報を発信。
「華南海鮮市場で7名がSARSに罹り、我々の病院の救急科に隔離されている」同日、武漢市衛生健康委員会は「原因不明の肺炎に対する適切な治療についての緊急通知」をネット上に発表した。
「いかなる機関及び個人も、許可を得ずみだりに治療情報を外部に発信してはならない」。
李氏による注意喚起のスクリーンショット(画面の画像ファイルでの保存)がインターネット上に投稿される。
李氏はすぐに病院の監察科による事情聴取を受け、20年1月3日には管轄区域の派出所に出向き゛違法問題゛に対する「訓戒初」に署名した。
似た疾患について警告した。
その後同氏はデマを流したとして警察当局から訓戒を受けた。
さらに「財新」の記者は病室の李氏にインタビューしている。
「ヒトからヒトへ感染することは明らかです。
1月8日ごろ、私もこのウイルスの患者の治療を行いました。
当時われわれの眼科には閉塞隅角緑内障で入院している患者が1名いました。彼女はその日、体温は平常なのにもかかわらず、食欲がなかったのです。
その後肺部分のCT(コンピュータ断層撮影)検査を行うと゛ウイルス性肺炎゛ということが明らかになりました。
その他の数値が原因不明の肺炎である基準を満たしていたのです。
当日彼女の世話をした娘さんも発熱を起こしました。
これは明らかにヒトからヒトへの感染です。」ヒトーヒト感染を確認した部分である。
中国の最高人民法院(最高裁)はその後、警察が李氏に対してとった行動は不適切だったとの見解を示した(「ブルームバーグ」報道)。
同日、米国では武漢市の米国人避難目的でチャーター機を計画していると発表。
1月26日 上海で移動制限が出される。
同日、中国国家衛生健康委員会主任が、感染力増大の傾向があり、不顕性・軽症感染者が多いことを明にした。
これに対して専門家は、ヒトヒト感染しやすいように変異したと考えられ、完全に防ぐのは不可能(河岡義裕(東大))、不顕性のまま、ウイルスを拝出の可能性(奥野吉信)
(2020年6月21日 記述)
WHO 緊急事態宣言
1月28日 新型コロナウイルス感染症を感染症法にもとづく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定した。
これにより、感染が疑われる人に対する入院措置やそれに伴う医療費の公費負担が可能となった。
同日、国内初の二次感染とみられる渡航歴のない奈良県男性の感染が確認された。武漢からのツアー客を乗せた運転手だ。
三越伊勢丹では首都圏店舗の1階と地下1階の売り場でマスク着用を義務付けることした。
専門家のコメントとしては、
「二次感染は想定、国内も感染拡大の可能性あり」(濱田篤郎)、
「すでに感染拡大の可能性も」(押谷仁)、
「不顕性・軽症感染者が比較的多いのではないか」(河岡義裕)、
「しっかり対策すれば爆発的感染拡大が広がる可能性は高くない」(喜田宏(北大)、
「三次感染、四次感染防止が重要、徹底的に濃厚接触者のモニターを行うべき」(尾身)。
1月29日 武漢からの民間チャーター機の第1便が羽田に到着した。
206人が帰国したが、発熱などの症状がある12人は入院し、症状のない人も2週間の経過観察の対象とした。
191人は検査結果がでるまで国が用意したホテルに滞在するが、強制でないため3人は帰宅した。
大阪府は、府内で初めて確認された感染者ということから、感染者の行動歴を独自に公表した。
40歳女性で武漢からのツァーのバスガイドであった。
また、大阪府知事は同日の記者会見で厚労省の情報開示について不十分であると批判した。
このころから、マスクの不足が顕在化してきた。
1月30日 WHOは新型コロナウイルスについて、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」宣言した。
テドロス事務局長は記者会見で、ウイルスの封じ込め対策や、感染者の早期検出、接触者の追跡といった対応を求めた。
貿易や人の移動に関する制限は求めなかった。
必要な支援が滞ることや、経済活動の影響を考慮した。
これに対して、1月24日のWHOの会合で緊急事態宣言を見送ったため判断が遅かったとの批判も出ている。
今回、慎重になった経緯については、疫学、環境医学に詳しい岡山大学の津田敏秀教授は「2009年の新型インフルエンザの宣言で空振りし、欧州議会で追及された苦い経験があるからではないか」とみる。
経済面の影響が出ることも、判断に影響する。
また、緊急事態宣言にあたり、WHOは中国への配慮を最大限にじませた。宣言に拘束力はなくとも中国への経済的打撃は小さくない。
会見した事務局長は、「社会的、経済的に深刻な影響があるにもかかわらず中国政府が卓越した対策を講じたことを称賛する」などとたたえた。
WHOはエボラ出血熱をめぐる緊急事態宣言の判断が遅れ、国際的に批判された経緯がある。
今回は発言力を増す中国に配慮しつつ各国に協調を求めるぎりぎりのタイミングとなった。
韓国・北朝鮮は南北連絡事務所の一時閉鎖を決定した。
また、ロシアは中国との地上国境の通過を大幅に制限した。
政府は新型コロナウイルス感染症対策本部を設置した。
そこで、安倍首相は「水際対策などのフェーズをもう一段引き上げていく必要がある」と発言した。
チャーター機の第1便帰国者のうち3人が感染と発表があった。そのうち2人は症状のない国内初の感染例であった。
1月31日 米国が緊急事態宣言を出した。
前日に中国全土への渡航禁止を発表しており、31日は中国訪問者の入国拒否を発表した。
過去14日以内に中国を訪れた外国人に対して入国を禁止した。
また、過去14日以内に湖北省を訪れた米国人に対し、帰国後14日間は隔離することにした。
湖北省以外の中国を訪問した米国人にも、14日間は自宅などで待機することを命じた。
米国の初動は迅速であったが、これでトランプ政権はいささか慢心したようだ。
日本も安倍首相は、湖北省に2週間以内滞在の外国人および湖北省発行旅券を所持の外国人は原則入国拒否すると発表した。
さらに指定感染症に指定する政令施行を6日間前倒し2月1日とすることを閣議決定した。
これは無症状の感染者が出てきていることも踏まえた対応としている。
中国武漢市から第2便チャーター機で30日に帰国した210人のうち男性2人からウイルスが検出したと厚生労働省は発表した。
いずれも無症状であり、無症状の感染者は第1便と合わせると4人となった。
武漢在留の邦人149人を乗せた第3便も31日午前羽田に到着。
第4便につても政府は週明け以降の派遣を検討している。
専門家のコメントとしては、日本でも不顕性感染者からの感染は否定できない(尾身茂)。
(筆者の当時のコメント)
この時期の対応をしっかり検証する必要がある。
まとまった公式な情報がない中、いろんな非公式なあやふやな情報が混在する中でどう判断すべきかである。
歴史上の大事な岐路はすべてこのようなときに下される決断であり、動くか動かないかの判断である。
最後はリーダーの決断になるが、専門家が選択肢を示すべきであり、示せられる質の高い専門家チームを立ち上げられるかが国の明暗を分けるとつくづく思う。
(2020年6月23日 記述)
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