「ありがとう」と言えるように
みんなに「ありがとう」と言えるようになる方法。
それはとりもなおさず、すべてを自分ごと化することだと思う。
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組織で動くとき、誰かがあまり働いてくれないと腹が立つ。同じ条件下でコミットメント量が異なると、チームもギクシャクする。
大学時代の部活でもそれがちょっとした課題だった。
そのときに思ったのは、ある人のコミットメント量が少なくても、「辞めてしまうよりは良い」ということだった。
私の同期は人数が少なかったし、幹部になってから仲間を増やすことは基本的に無理だった。そうした環境だと、誰かが辞めてしまったら、より少ないメンバーでやりくりしなければならない。
そうすると必然的に、「ここまでやって欲しいけどやってくれない」と考えるより、「いなくなることに比べたらこれだけでもやってくれてありがたい……」という考え方ができた。
そして、そのような思考の転換ができたのは良いことだった。人を悪く思うよりも、ありがたいと思うほうが自他ともにハッピーだからだ。
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そもそも、「ありがとう」と言うのはどんなときだろう?
思い返してみると、親切なことをしてもらったとき、助けてもらったとき、嬉しい言葉をいただいたとき……そんな瞬間が思い浮かぶ。
要するに、他者が自分を幸せにしてくれたときだ。
だから、自分ごとの範囲が広い人は、より多くの人に感謝の気持ちを持つことができるのではないかと思う。(逆に言えば、「ありがとう」と言うことで自分ごとの範囲を広げることができるはず)
たとえば、自分の住むまちのことを自分ごとととして考えている人は、道の掃除をしてくれる人に心から感謝の気持ちを抱くはずだ。
感謝の気持ちを抱くことがハッピーなことならば、自分ごとの範囲を広げるとハッピーな気持ちになることが増えるかもしれない。(悲しいことが増える説もある)
と、こんなふうに言葉にするのは簡単でも、いろんなものをまるっと自分ごととして考えるのは難しいのが現実だ。
とくに仕事は部活動よりも組織化されて役割分担もはっきりしている。対価としてお金が発生し、時間の制限もある。そんな条件下で、心の余裕がないと、他の人のやっている仕事を自分ごととして考えるのは難しくなってくる。
だからこそ、優しくなれる思考の切り替えを思い出したい、今日この頃。
花を買って生活に彩りを…