納期と原価よりも大事な、"仕掛かり"のこと。
こんにちは、縫う人、廣瀬です。
ぼくは本業はアパレルメーカーの生産管理なので、
たまには、これを伝えたらアパレル業界のみんなが、ためになるんじゃないかなぁ?って事も書いていこうと思います。
今回は、アパレルの生産管理でよく出てくる言葉、納期や原価よりももっと大事な事、
"仕掛かり金額"について書きます。
"仕掛かり金額"とは?
その商品をどのくらいの金額仕込むか。の事です。
量産枚数×上代=仕掛かり金額 です。
例えば、
シャツの量産100枚×上代¥10,000= ¥1,000,000
100万円の仕掛かり金額って感じで言います。
なぜこれが大事かと言うと、
ブランドの売上に直結しているから。です。
アパレル業界は、しばしばロットの大小を枚数で語る業界ですが、
どちらかというと枚数では無く仕掛かりの "金額" を意識する事が非常に大事です。
例えば、
①プリントTシャツ ¥1,900×1,000枚
②ワンピース ¥29,000×70枚
では明らかに量産枚数の差がありますが、
②の方が100%消化した時に取れる売上金額が高いです。
売り場やお客様によっては、②の方が枚数が少ないのに、高い売上を誇る事が可能です。
逆に考え方によっては①はセット率が1.0付近だとしたら1,000人に販売しなければいけません。
売上を取るためには、必ずしも枚数が多い方が良いわけではありませんので、金額ベースで作る量を考える事が大事です。
生産するほうばかりに意識が向いていると、枚数ベースで数出し考えがちで、
自分の作る金額でどれくらいの売上を取る事ができるのか。が欠落する事があります。
作るために作ってる状態。
はよろしく無いと思います。
あくまでも売るために作る。という意識が大事です。
ただ、正直仕掛かり金額ってものだけにはあんまり意味は無くて、
売上予算内のアイテムごとの販売構成に対して、適正な仕掛かりができているか。
に意味があります。
例えば、とあるブランドの実売の月売上予算が1,000万円だとして、
ブラウスの販売構成比が20%予定であれば、200万円はブラウスで売上を取るはず。
という事は月初にブラウス280万円の仕掛かりが用意されていないといけない。
(回転率0.7だとして)
仕掛かりは売上予算に対して適正か。
という事に意味があります。
もし、ブラウス構成比20%で売上200万円予定なのに、それに対して仕掛かりが500万円用意されていたら、
300万円ほどは過剰在庫になる可能性が高いと言えます。
売上や不良在庫に直結してくる部分なので、しっかり意識して量産を進めていきましょう。
売上に対する仕掛かり金額の用意が適正であればあるほど、精度や消化率は上がっていき、
過剰な在庫が溢れて、セールで乱売する事も少なくなっていくと思います。
最後に仕掛かりのコツを。
枚数×上代=仕掛かり金額って話をしましたが、1つの数字を変えるなら他の数字も変えるべきです。
例)
売り込みたいので上代を¥23,000から¥19,000に下げる
↓
仕掛かりも下がってしまうため、取りたい売上になるよう枚数を増やす。
せっかく売れやすい上代に下げたのに、枚数を変えなかったら、その分取れる売上が減るだけなので、自分の首を絞める事になるので要注意。
上代を下げると、原価率は上がってしまう。
枚数を増やすと、その分買上客数を増やさないといけない。
点にも注意しましょう。
少しでもアパレル業界がよくなりますように。
ヒロセ
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