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西加奈子「漁港の肉子ちゃん」

 アマプラで一度見てたおかげですんなり物語に入り込めた。おもしろい。

 ちゃんと感想書きたい。ゆっくりできたときに加筆するかも。


「ありのままVS自意識の対立構造で描かれている。」(337頁)
 たしかに。西さんの作品は「自分は自分」という軸があると思います。

 キクりんも自意識が強かった。我が強いという意味じゃない。ありのままでいることのリスクを背負うこと、これを自意識が許さなかった。
 だから、意思決定権を持ってありのままの選択をすることから逃げた。影を潜めた。周りにも遠慮した。
 でも"ありのまま"が溌溂と光ってまぶしく見える。キクりんはありのままでいる肉子ちゃんがだいすき。

 ありのままに触れて抱きしめることは「与り知らない、とてつもなく大きなものに対峙したときのように、胸が震えること」(316頁)なんですね。


西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(株式会社幻冬舎、2011年)
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