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西加奈子「きりこについて」

全体を通して  ようやく読みました!面白かったです!  きりこについてのnoteを拝見したときに「おもしろそう!いつか読みたい!」と思っていたのですが(ほんとです!)、気づけば半年近く経っていました(えっと……ほんとです!!!!!)。  この本のキーワードの一つは、「その人『そのもの』」だと思います。  「そのもの」=「容れ物」+「中身」+「歴史」という式を弾き出すために、西先生がどれだけの煌めく汗をぬぐって書き続けてきたのか、想像に難くないですね。  抽象的な概念

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西加奈子「夜が明ける」

全体を通して  特に470、471頁の言葉が最高でした。何回でも読み返したい。しんどいときはこのページに帰ってこよう。ダッシュで帰ってこよう。  がんばって恐怖を乗り越えなくていい。それだけで救われますね。  余談ですが、江崎とし子さんの「スマイル」という歌の中に「頑張ることは大切だけど正直な君の弱さを隠すためだけにある強さならなくていいから」という歌詞があります(ポケモンのエンディング曲でした)。  この本を読んでから聴くとほんとに沁みました。    他にも「困って

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西加奈子「うつくしい人」

全体を通して  特に後半は読む手が止まらんかった。最高の一冊でした。自分の過去を振り返ってみて「あーたしかに」ってなることが多かった。  あと、西先生の「きいろいゾウ」が理解の助けになってくれました。  「ただそこにいた」(216頁)という言い回し、これは本書のキーワードの一つです。これが分かるようで分かりづらい。でもこれ以上の表現は無い気もする。  少し考えてみました。「ただそこにいた」というのは、自分の見方・感じ方ひとつでその印象は変わるけれどそれが「そこにいる」と

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西加奈子「ごはんぐるり」

 ごはんエッセイを読みます。「奴」という30頁程度の書き下ろし食小説も収録されているようです。書き下ろし食小説?ほぼ大根おろし小説やん。は?  楽しみ。今回はタイトルごとに感想残しながら読み進めてみますね。ゆっくりのんびりピクニック気分で。 1.自分が作っためしをおいしいって言ってもらえたとき、あれ、想像以上に嬉しいよね。なんでやろ。こっちからはきかんとこって思ってても、気づいたら「どう?」って目キラッキラできいてしまってるもんな。おいしい!の一言が欲しすぎて。 2.「

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