心理テスト中、舟漕ぐ心理士。
40代後半、既婚、子あり、女。
現状、日々のゴミは捨てられるが、とにかく物が多い。収納スペースは伽藍洞のままだったり暫定的に積み上げられたりしていて死んでおり、部屋は物置き化している。たしかに部屋が勿体ない。しかし本人からすると“ごみ屋敷”ではなく“もの屋敷”と言わせてもらいたのだ。
30代後半で結婚をしてからはさすがに諍いの種となり、夫と一緒に心療内科を受診したりした。
その頃の医師の口からは「まだそこまでは行かないけど強迫性障害の傾向がある」的なことを言われてデパスを処方された。デパスを飲んでも効果がまったく感じられず、夫も意義を感じないという反応で再受診することもなかった。
そして去年、数年前に子も産まれ、10年近くこじらせついに煮詰まり、投薬で改善できないかとの考えで近隣のクリニックを探した。やたらと薬を出さないという口コミのクリニックを選んだ。市内の大きな病院を紹介され、あまり気乗りしていない医師の元、発達障害を疑う場合に受ける心理テストを受けることになった。
医師が気乗りしない理由は、①今まで仕事ができて来ている。②そもそもストレスが多過ぎる。だから恐らく発達障害ではないだろうけど、という感じだった。片付けられない現状や遅刻癖はあっても支障が出てないとちょっと…というスタンスの医師だった。
心理テストはバラバラのピースを組み立てて像を作るパズルのようなものや、こう言った場合、自分だったらどうするべきと思うか聞かれたり、和歌集の題名や作者を答えさせたり、歴史のテスト問題が日本史と世界史が一問ずつ出されたり、言葉を説明させたり、できがどうだと発達障害と判断されるのかはわからないが、それで何がわかるのかいささか疑問に思う内容だった。
1時間が経とうとする頃、私が日本史の問題のところで思い出そうとしばらく目を閉じ「わかりません」と答えると、目の前の心理士は眠気と闘っていた。私は気付いてない振りをした。けど、そういうの嫌いじゃないよ。
さて、次回はこの続き、エビリファイを飲んで病み上がりのような状態になった話をしようと思います。