私の世界。

9月初旬、テニスに入会した。

久しぶりのテニス、久しぶりの運動。

楽しいけれど、ボールが見えないことがある。

コーチには「魔球がある!」と言っていた。

動体視力がついていってないのかな、なんて考えながらも、楽しくテニスをしていた。


それにしても見えない。

そんな話を同じクラスの人に相談すると

「そもそもコーチが出す時に見えてなくない?」と言われ、元々レーシックだったし、そろそろ視力が落ちのかな、なんて。じゃあ眼科に行ってきますと、気軽な気持ちで行った9/25。

色々質問された。その一部をここに記しておく。

・娘のシャーペンHBが見えにくい

・薄い色が見えにくい

・夜の運転で人が見えなくて怖いので控えている

・晴れた日(特に夏)は、目が痛くなるほど開けられない時がある

・カラオケの歌詞のテロップが見えない時がある

・子供の頃から、体育の時に目が痛かった。白い体操着が目にしみる感じ。

・レーシック前の視力は0.08。乱視がない分、コンタクトはソフトで済んでいた


などなどを答え、色々検査した結果、病名を断定するにはもっと大きな病院で再検査すること、今言えるのは、おそらく、徐々に視力を失う難病であろうということ。

すでに眼球の真ん中ら辺に見えていない箇所がある。それは例えば、コンタクトに傷をつけたり、一部を白く塗ったりしたような感じである。

「目が見えなくなるのですか?」

「10年ぐらいという長いスパンで徐々に失われます」


「人の顔も見れないのですか?」

「眼球の真ん中が視野欠損しているので、そうなるかと思われます」

「治りますか?」

「難病指定で、確立された治療法も、進行を遅らせる薬もまだありません。その日のためにしっかり準備していくことができるのが幸いです。他に質問はありますか?」


そう聞かれたけれど何も思いつかず。

ひとまず紹介状をもらい、帰宅。

まさか自分が…

今まで頑張って生きてきたのに。

いつか娘の顔も見れなくなる。

孫の顔も見れなくなる。

孫のお世話もできない。

テニスも、読書も、海外ドラマも、絵を描くことも、下手の横好きな写真も、ふとした外出も、夢に見ている刺繍の旅行も、いつか出したいネットショップも、あの木々も、犬の顔も猫の顔も、家の中も、青空も海も魚も、子供が就職したら1人旅行いっぱいするんだと決めていたことも、友達と美味しいご飯を食べることも、カラオケに行くことも、1人ではできなくなる。

私の世界から世界がなるなる。

そう想像しただけで絶望だ。

まだ42歳。進行の遅い病気とはいえ個人差がある。30年経っても視力が0.2を保っている人も多いという。だからって自分がその中に入るなんて楽観的には考えられない。10年から20年かけて、徐々に視力を失う。


怖い。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

いやだ!まだやりたいことがたくさんあるの!

なんで…

毒親に育てられて、その呪縛から鬱になって、ようやく鬱とうまくつきあえるようになってきて、きっと私の人生はこれからなんだ!今まで辛い思いをしてきた分、これからが私の青春なのかもしれない!

そう思ってた。

なんで私が…

とめどなく涙が溢れて、

怖くて止まらなくて、

声を殺して号泣していた。

なんで私が…って、きっともっと辛い人もいるよね、私なんか命があるだけマシだよねって、分かっているけど…でもやっぱり嫌だよ、怖いよ。

先日、用事で友達と会い、電車で帰った時も、あたり前にできてたこんなことができなくなる。

帰りのこの景色も見えなくなる。

また怖くなって、泣くのを我慢しながら家に帰ってすぐ、気を紛らわせるために、冷蔵庫にあったケーキを食べたら、1粒2粒と涙が流れ出して慟哭した。

娘が来て、抱きしめてくれて、私親なのに、あの子は子供なのに、それ分かってるのに、娘に抱きついて

「怖い…!見えなくなるのが怖いの…!」

と言ってしまった。

娘も泣きながら、「私も手伝うから、一緒に頑張ろう」と言ってくれた。「ありがとう、娘ちゃん。弱いお母さんでごめん。でも娘ちゃんを産んで本当に良かった。あなたがいるから、私の世界は、見えなくなっても、あなたが光になってくれる。生まれてきてくれて、優しい子になってくれてありがとう」


と、泣きながらだからこんなスラスラ言ってないけれど、こんなようなことを伝えて2人で泣いた。


翌日、テニスの日。

悩んだけれど、内側にこもりがちな自分を知っているから、あえて行ってきた。

やっぱり見えない。

コーチに「眼科どうでした?」と聞かれて答えてる途中に泣き出してしまい…

コーチは「やれるところまでやりしょう!続けられるように僕も協力しますから!」と言ってくれてまた泣いてしまって。


家に帰ってもそわそわと不安で、涙がすぐ出てきてしまうから心療内科に駆け込んだ。

お薬を少し増やしてもらったせいか、ぼんやりと過ごすか、寝ているかのどっちかになった。

ほんとは海外ドラマも観る気がしない。

刺繍は止まったままだ。

画像1

あとあの4つの文様の中を刺すだけなんだけどな…やる気が出ない。頭の隅っこで「これやってどうするの?どうせできなくなるんだから練習したってしょうがないじゃない」って声と「まだ時間はある!見えているうちに見えてなければできないことをやっておこうよ!」と戦っている。


おそらく後者が勝つだろう。

見えてなければできないことをやりたい。その気持ちのが今は強い。


昨日は紹介された病院へ。検査はあと2回あって、結果は14日という日程に。

ああどうか、大したことありませんように…

私の今の世界が、まだまだ守られますように…。


これからここに、私の目のことなどを記録していこうと思います。

よろしくお願いします。

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