ADEPTUS MECHANICUS THE ENIGMA OF FLESH

やぁ、こんにちわ。
ベランダの王の家令です。今日は帰宅が遅かったせいか、ずいぶんと怒られました。しゃべるように鳴く(吠える?)王を撫でながら今晩はこちらを読み終えました。

書名:ADEPTUS MECHANICUS THE ENIGMA OF FLESH
著者:C L WERNER
長さ:短編/52ページ相当
分類:Warhammer 40k
時代:不明 
主要題材:Kastelan Robot/カステラン・ロボ 火星の賢人の思考
副次題材:第32ケイディア連隊 惑星ザインThain 対ティラニッド戦
関連書籍: 直接のものは未確認、当書発刊の2015年の同時期にAdeptus Mechanicusシリーズがあります

 惑星ザインの前線基地ニミュエNymueに駐屯する第32ケイディア連隊の第5中隊が、攻め寄せるティラニッドの大群を前に覚悟を決めているところに、火星人の船が降りてくるところから話が始まります。
 指揮官であるザンダー・マーホルトXander Marhault大尉の視点で話が進みます。彼も彼の部下も、火星人たちを援軍ととらえていたのですが、いざ戦闘が始まってからの賢人たちの振る舞いが、防衛線のそれとは少々かみ合わず、いろいろ違和感を覚えていたのですが、彼らが連れてきたカステラン・ロボが防衛線を飛び越えて敵の懐深くへ進軍を始めたところで、その異常性がはっきりとするところから話がおかしくなってきます。
 火星人たちの真意を明かすと、彼は最近存在を確認された指揮官型であるプライム種のティラニッド・ウォリアーの捕獲を目的として、この最前線に来ていたため、元から防衛ラインの維持に協力するつもりがなかったりしました。途中で気づいた大尉あたりは、苛立ちを覚える一方で、そういうものかもなと受容する描写があります。
 人間の血肉を全く内包しないカステランロボへの嫌悪がケイディア人たちにはあったため、堪忍袋の尾が切れたコミッサーが賢人の一人を処刑しようとして逆にロボによって灰にされたりなどの緊張感あふれる一幕を交えつつ、カステランロボを犠牲にしながらも主目的であるプライム・ウォリアーの捕獲に火星人たちは成功します。
 捕獲の時までに大けがを負っていた大尉は、賢人たちのプライム種への観察やサンプル抽出等を眺めながら、尋ねます。
「こんなものの確保のために、俺の部下は大勢死んだのか?あんたらはわざわざ最前線に来たのか?」と。
 ですが、賢人の回答は賢人らしいものでした。
「奴らを良く知れば、対処の術が増える。その知識を確保するには最前線に来るしかない」と。
「実際のところ、この星が助かる見込みはない。私もこの場所がティラニッドに飲み込まれるその瞬間まで、調べられることはすべて調べあげ、本隊へと送信する。私の役割はそれなのだ」そう、賢人は大尉に諭します。
 大尉は、目の前の賢人が死を前提に送り込まれたと、幾分の同情を感じます。ですが、それは火星の賢人には不要なものでした。彼らはもう一段、別の思考をする存在でした。
 彼女(賢人)は言います。
「肉体は儚いもの。長く耐えうるは金属。金属と、それに形と存在意義を与える知識、その二つこそが存続を約束されている。それら以外は、万機神の純粋性を損なうものに過ぎない」
 そういう彼女は、自らの知見とノウハウをコピーしたものをすでに機械局に預けており、わずかに肉の残る本来の彼女自身は、満足のうちにこの地で果てることを受け入れているのでした。
 普通の兵士から見た、火星機械局の面々の思考方法がいかに独特化を、随所で確認できる一作でした。

 今作で新しく得た知見は、以下の通りになります。
・ケイディアの大尉や、政治将校は、不破の時代に人工知能がもたらした存在について、少なくともなんとなくは理解している。
・カステランの行動パターンを増やすため、プログラムカードを差し込むことがある。(胴体前面にそのためのハッチがある)おそらく今回は、個体識別と捕縛のためのプログラミングがされた。
・カステランロボの管理につく賢人の役職名はデータ鍛冶Data Smithとなる。
・ティラニッド・ウォリアーのプライム種は消化器官は排泄機能も持つ。
・火星の賢人たちは、使える情報はすべて確保しようと、ウォリアーの解剖を現地で行った。
・火星人、自我のコピーや、インストールを前提に、肉体の残る本来の肉体を自殺的な任務や実地検証に送りこまれても、動揺しない。

という感じでしょうか。結構情報が多かったです。
さていい時間になりました。そろそろ寝ようと思います。
それでは、また。

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