剣/ソードの7
剣/ソードの7
大まかな意味(正位置の解釈)
一人の人物が野営地から逃れようとしているようです。剣を抱え、遠景には砂煙が舞う戦闘が展開されており、テントの多いここは軍の駐屯地なのでしょう。武装をしていないのを見るに、この人物は軍に所属していない市民の類か、そうでなければ鎧を脱いで身軽になろうとした騎士なのかもしれません。「剣/ソードの6」で別の争いから逃げてきた人だと解釈するのであれば、この人物はもう争いには懲り懲りなのでしょう。早々に取るものだけ取ってこの場を離れようとするのも納得です。金色の空は、きっとこの人物が利益を得られるであろうことを示唆しているでしょう。もしくは、「剣/ソードの5」の水色の空と素早く流れる灰色の雲が示す状況とは異なり、この戦争が正当なもので、何かを手にするための戦いであることを示しているのかもしれません。しかし、いくら自分が苦しい状況だったからと言って、恐らく死者が出るであろう戦いから、厳しい状況に正面から向き合っている人物たちから逃げて、良心の呵責はないのでしょうか?物語の行く末は「剣/ソードの8」以降に続きます。
このカードは、人生には時に狡いとも言われるような知恵を使う必要があると示唆する複雑なカードです。例えばヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』におけるジャンバルジャンが、飢えのためにパンを盗んだことを完全に糾弾し、盗むくらいならば飢えて死ねと言う人間は少ないでしょう。狡い手段を使う必要がある場面においては、その手段を使ったとしてもとがめる人はいないかもしれません。難民や貧困者などはそうせざるを得ない時があります。ですが、多くの場合、そういった手段を取ってしまった他ならぬ自分の弱さを、自分自身が、あるいは自分よりも近しい人がとがめることになるでしょう。それこそ、ジャンバルジャンが、仕方がなかったとはいえ盗みを働いた事実に一生縛られ続けたように。清廉な姿勢ばかりで居られない世の中が間違っていることも多いのですが……。
★大まかな意味:狡知を使わざるを得ない状況、内心悪いことをしているとわかっている状況、胸を張れないことが分かっている状況、何かを得るための不正を働いている
★人間関係/恋愛上の意味:相手と真正面から向き合うことから逃げている、腹の中に別の思惑があって正直になり切れない状態、(第三者の関与が疑われる多くのケースで)浮気か目移りをしていて既に関係が深い
日常における物事との関連:詐欺やペテン、背任や横領、浮気や二股、そこまでは行かなくとも良好な勤務態度ではない社員など
逆位置
逆位置になると、この人物は野営地の誰かに見つかるのでしょうか。現行犯で不正が暴かれること
や、反対にもう狡いやり方は取るまいと改心する様子が暗示されることが多いです。正直にこういう事情があって不正や狡い手段を使ってしまったと打ち明けたいような心境を示します。正位置ではなりを潜めていた良心の呵責や、他の人からの糾弾が示唆されるカードです。
★大まかな意味:狡いことをしてしまったことを告白したいような心境、良心の呵責が強い状態、真っ当な生き方をしたいと思っている状態
★人間関係/恋愛上の意味:嘘を吐くことに疲れた状態、正直に向き合いたくはないが洗いざらい吐いて楽になりたいような心境、自分の罪を自覚している状態、(時折)浮気の現行犯などで捕まって言い逃れできなくなった後の疲れた心境
日常における物事との関連:不正が暴露されること、不正が露見しているが気付いていないのは本人だけという状況、粉飾決算などの露呈、汚職事件などの報道
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