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みんな塵
上野の国立科学博物館にあるシアター36○(サン、ロク、マルと読むらしい)に久し振りに入った。
球体のシアターに入ると、まさに360°あらゆるところから大迫力の映像が流れる。5分ほどの短い映像が二本。
プログラムはその時々で違うが、
「宇宙138億年の旅」というのが素晴らしくいい。
球体の真ん中に立ち、138億年前、真空の無から突然起きたビッグバンを音と光で体験する。その後3分間で、宇宙の全ての物資のもとになる素粒子が生まれた、と竹中直人さんの声が語る。
なんだ、みんな宇宙の塵じゃないか。と体が思い出す。その塵感がなんとも心地いい。
出口を通り、息子に聞いてみる。
「ねぇ、つまりみんな同じ光の塵ってことじゃない? 素粒子がぶつかって、合体して、あらゆる星がうまれたんなら?」
息子は私の発見について、目をパチクリさせて、慰めるような笑顔で言う。
「そりゃそうだよ。お母さんも、僕も、恐竜も魚も、木とかも、全部一緒」
え、いつから知ってたの。
私は慌ててもう一つの塵を追う。
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