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そうだ、エステへ行こう





2年前、私への誕生日プレゼント「エステ券」を残して突然友達が突然いなくなりました。



今回はそれについてのお話です。




そのエステ券には有効期限「2022年の10月末頃」と書いてありました。


「この2年間で何かあるかな。その時にでも使おうかな〜」と浮かれてみたりしましたが、特に人生のイベントと言われる何かはありませんでした。


まぁいいのです。人生色々♫十人十色♫


そうこうしているうちに、あっという間に有効期限が来てしまいました。有効期限でいなくなってしまった友達との時間の経過を感じたく無かったけど時の流れは止められない。使わずに残しておこうとも考えましたが、なんとなく使った方が良い気がしてエステサロンへ電話をかけました。

優しい声のお姉さんが対応してくれ、初めてのエステサロンへ。「私、今日エステへ行く用事があるんだ…」という事実だけで体温が上昇しました。

いよいよエステサロンが入ったビルに潜入。エレベーターで上がると、そこには柔らかい灯りで照らされたやたらいい匂いのする空間がありました。ここは…都会の…リゾート…デニムでリゾートへ来てしまった自分を少しだけ恥じました。

髪の毛をクッと束ねたお姉さんが出迎えてくれ、カウンセリングの結果フェイシャルエステを受ける事に。説明を受けいざお部屋へ。

「上の洋服を脱いでタオルを巻いて横になってお待ちください」と言われ着替えを済ませた時、やっぱりデニムで来ない方が良かったと心から思いました。パンイチならぬデニイチ。


担当のお姉さんが再び登場。アロママッサージで深呼吸を促されたのですが、緊張もほぐれ呼吸の大切さを再確認。その後は洗顔では落としきれない肌の汚れをスポイトのようなもので吸収していく施術だったのですが、景気の良い感じで「ポンッ!」と音が鳴り響いたのです。





静かな部屋




お姉さんと私しかいない空間








そこで流れる景気の良い「ポンッ!」



口元が緩みまくり、鳴り響くたびに我慢の限界スイッチをつつかれるので笑ってしまいました。一度笑ったら止まらない。それはもうくすくすと。呼吸も乱れまくりです。もう一度呼吸の大切さを確認して〜!自分がエステに不向きな人間すぎて絶句しました。



「ごめんない…ぉ…音が…んふぅっ…っ面白くて…」と言い訳をしてみたりしましたがお姉さんは余裕な面持ちで「ふふっ面白いですよね〜」とフォロー。百戦錬磨の対応に私も徐々に正気を取り戻しました。



その後もゴルリゴルリと老廃物を流してもらい、仕上げにスライム状のようなパックを塗ってもらいました。口の上まで塗るタイプのパックだったので一瞬戸惑いましたが、ひんやり気持ちが良かったです。

そして「これ、このタイミングで口開けたらどうなっちゃうの???」なんてことばかり考えていたらあっという間に終わりの時間に。他の人は施術中にどんな事を考えているのだろう。施術後のお肌は自分史上最高にぷるりんとして感激しました。ずっとこれが続いて欲しい…。


再び着替えを済ませて受付へ。特に誰に報告する事もなくやたらとぷるんとした肌を隠し持ちながらその日は帰宅しました。なれない事をしたからかその日はよく眠れました。


友達に「エステ行ってきたー!けど笑いが止まらなくてやばかった…そしてお肌ぷるんってなったよ!ねぇねぇ触って…?」

と突撃できないのはとても寂しいですが、スペシャルな経験を私にプレゼントしてくれて本当にありがとう。新しい思い出が増えた気がして嬉しかったです。




ガールズバンドを組んでいたので、よくメンバー同士で美容の情報を交換しておりました。

「あのパック良かったよ!」となればドラッグストアへ走り、季節が変われば新しく買った服を披露し合ったり、お互いの顔をメイクをしてみたり、髪の毛を巻いてもらったり…


「美容とはなんぞや!?」「おしゃれとはなんぞや!?」と、そこそこもがきながら共に駆け抜けた日々でした。

未だにおしゃれな人に出くわすと「おしゃれな人だけ知っている地図に載っていないPARCOとかがあるんか?」と考えたりします。もしあったら私にも教えてください。地図に載っていないPARCO。


当時メンバーが言ってくれた「可愛い〜」「えっ、めっちゃ良い」といった言葉が今の私を作ってくれていて、わりと自由な気持ちで髪型や洋服を選ぶことが出来ています。



地図に載っていないPARCOを知らなくても、この先自分の素敵だと思った瞬間やときめきを信じて生きて行けたらいいなと思いました。広げたい…自己満足の世界。


長くて短い秋。暖かくしてお過ごし下さいませ。ありがとうございました。

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