呪いの類いの噂が多いのでご近所さんの評判とかはあんまりよくないけど知ったこっちゃないね

あれは確か小学一年生の頃親と一緒に墓参りに行ったときのことだったはずなんだけど、墓石の影になにかいるなと思って見てみたら、ムウマだった。普通は夜とか薄暗い時間帯にしか出ないんだけど、丁度うちのお墓はそばにある大きな木の影になってて日中でもそこそこの暗さがあったからかもしれない。そこではちょっとじゃれたりするくらいだったんだけど、そのときにいたくなつかれたみたいで、気づいたら家にまでついてきた。多分帰るときに車の中に紛れてかくれてたんだと思う。まあもとの住処から引き離してきちゃったんだけど、随分なついてるようなので家で飼うことになった。ゴーストタイプは基本的にご飯がいらないので世話が楽みたいな事情もあったし、まあ良いかみたいな感じで。それからはずっとムウマと一緒に過ごしていて、一緒に遊んだりお風呂入ったり寝たりした。まあゴーストだからほとんど睡眠は必要としないみたいで、僕が寝てからはムウマは結構一人で遊んでたみたいだけど。別に日中だって寝てるわけじゃないので活動できなくはないんだけど、やっぱり夜のほうが調子がいいみたいだった。特に日光は好きじゃないらしくてその影響で自分までインドア派になってしまったけどね。ムウマの身長は0.7mで、まだそこまで浮くのが得意じゃないってのもあって大体目線が当時小学生の自分とおんなじ1.1~1.2mくらいで、妹のように接してた。大体僕の身長が伸びるのより遅いくらいのペースで自然に浮く高さが増えていたので、なんだか一緒に成長してる感じがして本当に妹のようだった。そんな生活をしていて二年くらいが経って、ある日学校からかえってくると玄関に知らない綺麗な女の人が居たんですよ。いや知らないっちゃ知らないだけど知ってる相手だし人じゃないしい色々正確な表現じゃないのはそうなんだけど、とにかく重要なのはムウマが進化したこと、そして僕がムウマージを綺麗で、魅力的な、女性だと一瞬でも認識したことなんですよ。もう激震が走ったというかとにかくびっくりして、玄関で尻もちツイちゃったんですよ、そんな僕をムウマージが起こしてくれたんですね、この起こしてくれたってのがまたびっくりポイントで、ムウマのときはサイケなパワーが足りなくて人を起こすみたいなことはできなかったんですけど、ムウマージになってから急に力も増えたみたいで、この頃から頑張れば小学生をもち上げるくらいの力は出てたと思う。まあそんなエピソードとか単純に目線の高さが高かったこととかのおかげで、第一印象がすっかり「お姉さん」になっちゃったんですよね。今まで妹だと思ってたムウマが急にお姉ちゃんになったときの衝撃は凄まじかった。しかも冷静にどう考えても顔が良いので思春期の頃とか目を合わせて話すのが結構恥ずかしかった。まあその頃の話はどうでも良いので詳しくは語らないとして、とにかくいきなりお姉ちゃんが出来た。ムウマージになってからは力が上がったり結構呪いとかも使えるようになったのもあって、当時小学生の僕は5,6時には家に帰らないといけなかったんだけど、ムウマージと一緒なら7時くらいまではいいよってことになって、暗くなってから二人散歩したり外で遊ぶ機会が結構増えた。力はもちろん知能も進化でだいぶ発達したみたいでなんだかしっかり者担ってしまって、本当のお姉ちゃんみたいだった。最も当人はいつまでも僕の妹のつもりみたいだけど。寝る前とかによくムウマージが歌みたいなのを歌ってくれたんだけど、あれがいわゆる幸せにする鳴き声ってやつだったのかもしれないわね。あとムウマージに進化してからもしばらく一緒にお風呂に入ってたんですけど、小学5年生くらいのときから恥ずかしくて別々に入るようになった。ねえちゃんと風呂入ってる?じゃあないんだよ。ところでこの話って別にオチとかなくて、幼少期にいきなりクソかわいいお姉ちゃんが現れて性癖が歪んだってだけの話なんですよね。ちなみに今も一緒に暮らしてるし未だにお姉ちゃんしゅきぃって思ってる。

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