使ってみたくなるVE入門 4. VEを活用する場面

VEの考え方はいろいろな場面で使えます。
・買い物(調達)
 何かを買うには、その「何か」を指定します。その指定は本当に必要な指定でしょうか?
 地下鉄の通勤中に語学学習するために買うイヤフォンはノイズキャンセル機能が必要でしょう、Boseなら3万円以上でしょうか。しかし、在学勤務でZoomで会議するためだけに使うイヤフォンに3万円は必要でしょうか?
 VEでは機能本位のアイデア発想が特徴の一つです。「ノイズをキャンセルする」機能は「ノイズを聞こえなくする」ための一つの手段ですね。「ノイズを聞こえなくする」ためには、キャンセルする以外にも、例えば「騒音から耳を守る」ためのイヤーマフがありますので、イヤフォンをしたうえからイヤーマフをつければ、ノイズキャンセルしなくてもよいかもしれませんね。

・ものづくり
 買い物同様、何かを作るにはいろいろな指定が必要ですね。その指定は本当に必要でしょうか?
 例えば、加工精度の指定によって加工時間が変わります。鏡面加工をしたスマフォの背面はかっこいいですね。しかし、ほとんどの人がケースに入れるとしたらその、「美観を得る」ための鏡面加工に要したコストはどういう意味を持つでしょうか?そこにかけたコストを使用者は負担したいでしょうか?企業の立場だと、同じ金額で売れるのであれば、特に使用者が気にしない部分にかけるコストを削減したら自分の利益になりますよね。

・交渉
ペットボトルのジュースが一本だけありました。そこにAさんと、Bさんがおり、ふたりともこれを欲しがっています。二人ともどうしても欲しいと譲りません。どうしたらよいでしょうか?どこにCさんが来てこんなことを聞きました。「お二人はどうして欲しいんですか?」Aさん「脱水症状になりかかっていて十分に水分補給をしたい」、Bさん「水筒のかわりにしたい」、Cさん「じゃあ、Aさんはジュースを飲み終わったらCさんにペットボトルをあげたらどうですか?」、Aさん、Cさん「オッケーです」
Aさんは「水分を補給する」、Bさんは「液体を運ぶ」という機能が欲しかっただけで必ずしも目の前にあるペットボトルのジュースが欲しかった訳ではなかったようですね。このように本当に何をしたいのかを見極めることで、交渉がうまくいくこともありそうですね。

以上はほんの一例です。機能本位や、機能に基づく発想はいろいろな場面で役立ちそうですね。

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