使ってみたくなるVE入門 2. VEってなんだ

詳細で正確な解説は今後発行予定の「VEリーダー合格完全解説」及び「Value Engineering詳解」に譲り、本書では大まかな解説を行います。

公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会によるVEの定義は次のとおりです。

 「VEとは、①最低のライフサイクル・コストで、必要な機能を確実に達成するために、②製品やサービスの機能的研究に注ぐ組織的努力である。」[1]

 キーワードが五つ出てきますので順に解説します。
ライフサイクル・コスト
 ライフサイクルとコストの二つが組み合わさっています。まず、ライフサイクルとは製品やサービス(あとで解説します。)が生まれてから不要になるまでのことで、コストとはその間にかかる費用全般を指しています。

機能
 機能ということばは世間一般や様々な場面で使われていますが、その場面場面で意味が正確には異なっています。VEを大まかに理解するのであれば、この機能は製品やサービスを使う人が本当に求めている働きということで良いかと思います。

製品やサービス
 モノ、コトということがありますが、製品やサービスも似たようなニュアンスで、製品がモノ、サービスがコトという理解で良いかと思います。VEはモノにもコトにも適用することができるということになります。

機能的研究
 VEにはVE実施手順と呼ばれる思考プロセスが用意されており、情報をステップごとに加工していくことで製品やサービスの案ができあがります。機能的研究とはVE実施手順のことを指しています。

組織的努力
 VEの考え方を個人で用いることはもちろん可能です。しかし、ある分野の専門家の知識を使ったり、複数の人たちが知恵を絞ったりすることはとても有効だと思われます。VEはチーム・デザインと言って、チームでことに当たることを大切にしています。

以上をまとめるとVEとは、製品やサービスの開発や改善に、機能とコストのバランスをチームでVE実施手順を使っていくということですね。

次回はコラムとしてVEの歴史について触れてみたいと思います。

参考文献
[1]土屋裕(監修),産能大学VE研究グループ(著):「新・VEの基本」,産業能率大学出版部(1998)

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