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セミの鳴き声

いなくなってしまったひとのことをいつまでも考えていちゃだめだよ。いつか、そう言われた時に、そうなのかもしれない、とも思ったし、これからの時代は目の前にあるものや人に目を向けて、前向きに、強い心でいられないと生きづらい世の中なのかもしれません。

それでも悲しくてつらいという感情は割り切ってコントロールできるものなのか。自分には無理かなと思います。ものすごくファンというわけでも無かったのに、私なんかがこんなに悲しんでいるのはおかしいのでは? そんなことを思いつつも、日に日に落ち着いてきてはいるものの、悲しいものは悲しい。その感情が、これまでの経験や記憶によるものなのか、自分の心の中にある何か、からきているものなのかはよくわからないけど。

「僕のいた時間」というドラマは今でも強く印象に残っています。

主人公がALSという難病を患い、向き合っていくというストーリー。この病気のことを知ったのもこのドラマがきっかけでした。

「死にたいわけじゃない。生きることが怖いんだ」

主人公は言います。

「私のために生きて」

と、彼女が返します。

そう言ってくれる誰かがそばにいてくれるというのは強いなと思いました。彼女がそばにいない時の主人公の表情があまりにもせつないから。演技が、すばらしかったのです。

周りにたくさんの友人や大切な人達がいたとしても、絶対的に信頼できて一番近くにいた、たったひとりの人がいないという寂しさ、孤独さが伝わってきて。


朝、セミの鳴き声を聞きながら夏だなあと実感します。一週間の命でもセミは精一杯鳴いていて、なんとも言えない気持ちになるのです。









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