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買わなかった不動産が1年で900万円値上がった話

通っている歯医者の隣に不動産屋があるのですが、貼りだされている物件情報のなかに、不動産を探し始めた当時に内覧までした物件の名前を見かけ、値上がり具合に驚愕をしたのでnoteにしてみました。
せっかくの機会なので不動産価格が上昇している背景についても書いています。5分あれば読めるので、ぜひ最後まで読んで頂けると幸いです。

1. どんな物件が値上がったのか?

まず、物件の基本的な情報を紹介します。
物件名は、「アデニウム新橋」でJR山手線・新橋駅徒歩6分、都営三田線・御成門駅9分の好立地。2012年6月築と築浅で、13階建の物件です。

間取りは1LDKで、広さは39.23平米(11.87坪)。

因みに、この物件は、内覧2軒目で「買ってもいいなー」と思ってしまっていたくらい、全然相場感も目利き力もなかったです。セカニチこと南さんとの当時のやり取りからもレベルの低さが伺えます。笑
ただ、この物件をみて、“リビングと寝室は廊下でしっかり分かれている物件がいいな”という視点を持つことができて、
それは今住んでいる家でテレワークをするようになって、寝る場所が明確に区切られていることで、よさを実感をしています。

2. 僅か一年で売出価格が900万円上昇

さて、アデニウム新橋の値段はどう変化したか。
2020年2月9日に僕が内覧をした10階/13階の部屋は、当時売出価格5,080万円(428万円/坪)。

それが2021年3月17日(SUUMO掲載日)の5階/13階の部屋は5,980万円(504万円/坪)に。わずか一年ちょっとの期間で900万円も値上がりをしています。

(出所)SUUMO

当時は、住むにはちょっと狭いなぁというのと、この後にとても良い物件と出会い(買い負けた物件でこれも700万円程値上がり)、
ここを購入するという判断は、実需の観点から見送ったので、900万円の値上がりを見ても、後悔はありません。
一方で、売出しの値付価格が一年でこんなに上がるのか、と思ったのは正直な所感です。

3. なぜ今、不動産価格が上がっているのか?

なんでこんなに不動産の価格が上昇しているのか?と思う方は多いと思います。ここでは一番大事な理由をpick upして紹介させて頂きます。

結論から言うと、お金の価値が下がって相対的に不動産の価値が上がっているからです。

とてもシンプルな話をします。
ほぼすべて、あらゆるモノの価値は需要と供給のバランスで決まります。
新コロが流行しはじめたときのマスクを思い出してください。
みんなが急にマスクを欲し、供給が追い付かなくなると、マスクの価格は高騰しました。時間が経って供給がふえて、マスクがじゃぶじゃぶに余るようになったら通常の価格に戻りました。今では生活応援などとして、割引販売しているところも見かけるほどです。
実は、お金にも同じことが言えます。日本国内に供給されているお金の総量は、統計開始以来、大幅に増加してきました。お金を発行している機関は、各国の中央銀行で、日本では日本銀行がそれにあたります。日本銀行が日本国内のお金の量をコントロールしています。

そして、このお金の総量は、新コロに対応するため、さらに金融緩和を強化したことで、一層増加しました。
以下は直近10年間にフォーカスしたグラフですが、2020年以降、一段と増加していることが見て取れます。

(出所)日本銀行

では、このじゃぶじゃぶのお金はどこに向かったのか?株式市場と不動産です。

このことは、著名な日本人ストラテジストの広木隆氏も、以下のように述べています。
「希少なものは高くなる。余剰なものは安くなる。値段の決まり方は実にシンプルだ。今、世界で最も有り余っているのはおカネである」
「世界は未曽有のカネ余りである。一方、受け皿になるのは流動性の高い株式市場と不動産市場しかない」

(出所:広木隆著 『人気ストラテジスト大予測! 2021年相場の論点』 日本経済新聞出版)

ここからは皆さんご存知の通りです。
日経平均株価は、3万円台を30年半ぶりに回復しました。

(出所)日経電子版 2021年2月15日

そして、首都圏不動産価格は2020年までに8年連続で上昇しています。

(出所)東日本不動産流通機構

新コロで都心は需要ないのでは?という声が聞こえてきそうですが、
2020年も首都圏不動産価格が上昇したこと、その内訳をみても5,000万円超の価格帯の件数・比率が拡大したことは事実。そして、超都心のアデニウム新橋が900万円値上がっていることも事実。
なぜ超都心の不動産の価値は下がらないのかについては、セカニチのnoteを参考にしてください。

これを読んでくださっているみなさんには、こうした背景もぜひ認識して頂いたうえで、数年前の私のように損をしないでほしいと思います。

田町おじさん

【参考書籍】

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