文化は地域の力になるNo.2

25年前に、親戚筋の寺にという事で、小浜にやって来た私は、ほぼ知らない地域に住む事になりました。檀家さんやお参りの方との接触はあっても、若い人と話す事は、ほぼありません。
どうしようかと考え、学生時代に一度だけ参加した事のある、第九合唱団に入る事にしました。
それがその後に続く、小浜市文化会館やたくさんの方との付き合いのきっかけとなります。
寺としての文化財(古い文化)と現在の市民が取り組んでいる文化(新しい文化)を共に取り組んでいく事が、「文化は地域の力になる」と確信する事につながります。
第九演奏会について説明すると、小浜市ではプロのフルオーケストラとプロの指揮者,独唱者に来て頂いていますが、年間数百万円の費用がかかります。しかも小浜市の文化会館は三十年以上前の施設で、毎年数十万円をかけて、フルオケと合唱団のひな壇を作る為に、ステージの張り出しを行います。
その費用を工面する為に必死になって動きますが、一番大きいのが地域の企業,お店や個人にもお願いしている協賛金で約200万円。演奏会のチケット代が100万円。合唱団の団費が50万円。小浜市からの補助金は年に寄って違いますが150万円程度です。
ありがたい事にたくさんの方にお世話になり、昨年12月、第27回小浜第九演奏会を行う事ができました。

それだけのお金がかかりますので、続ける事は容易ではなく、福井県内でも、毎年フルオケで第九演奏会ができている所はありません。

「継続は力」とはよく言ったもので、「第九」の取り組みを参考にして市民が中心になって様々な文化事業を行う「文芸おばま」が生まれたり、男声合唱団フロッグスが生まれ、国宝や重要文化財の本堂等で演奏会を行う「若狭小浜海のシルクロード音楽祭」など様々な文化事業が生まれました。
私も文化会館に出入りし、「文芸おばま」や「小浜市文化協会」に参加する中で、多くの事業に関わりたくさんの知人友人を作る事ができました。
「文化は地域の力になる」は、様々な事業を通して教えて頂いた教訓であると共に、古い文化と新しい文化を共に大切にして高めていく事が、若狭小浜という地域の特性を生かした、地域づくりのあり方という確信は揺らぎません。
以下、行ってきた様々な事業を紹介して議論に参加していきたいと思っています。