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そして、カタログができるまで。

今回のnoteは、情デ卒展2021「そして、」最後の投稿となります。これまで、「卒業研究制作展ができるまで」を様々な観点から紹介してきましたが、最後となる今回は来場記念のカタログについてご紹介します。69名の卒業制作が凝縮され、魅力の詰まった1冊となりました。この記事では中身はもちろん、こだわりの装丁についても詳しく掘り下げております。じっくりお楽しみください。

01. 装丁

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今年度のテーマ「そして、」には、卒業制作が4年間の大学生活の集大成であるとともに、過去~現在~未来へと続く私たちの物語の一部であるという想いを込めています。カタログは本という特性上、このテーマとの相性も良く、テーマの表現には不可欠な役割でした。
一目見て「そして、」の雰囲気を感じられるような装丁にするために色々な可能性を探った結果、封筒のように紐で閉じる方式を採用しました。少しずつ作品を紐解いていく意味合いも生まれ、体験まで含めたデザインになっています。

02. 表紙

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中を開けると、コンセプト文と表紙が登場します。鮮やかな濃紺と淡いピンクベージュ、小口染めの青のコントラストが際立ち、開いた時にハッとする配色となっています。製本方法は開きが良いPUR無線綴じを選び、読みやすさも考慮しました。
ちなみに、使用した紙はこちらです。

ケース:TOマットN  220kg
表紙:特アイボリー 18kg
本文紙:モンテアルバ 59.5kg

ケースはしっとりした質感で光沢のない紙、本文紙は発色が良くて上質な厚さの紙を選定しました。実物がお手元にある方は、ぜひ紙の質感にもご注目ください。

03.構成

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全体の構成は、作品を紹介する「作品ページ」をメインに、「ゼミ紹介」「教授からのメッセージ」「索引」を含む計308ページとなっています。
特に苦労したのは、1冊のカタログとしての統一感をどう保つかでした。なぜなら、作品ジャンルはもちろんのこと、作品の雰囲気が十人十色と言っていいほど全く異なるからです。それが情報デザインコースの魅力でもあるのですが…
作品の魅力を最大限に引き出しつつ、1冊の本としても成り立たせるという難題に対して、「レイアウトのフォーマット化」を徹底することで解決しました。

noteカタログ2-23

作品ページは一人につき4ページで、前半2ページと後半2ページでは違うルールを設けています。まず、前半部分は「タイトル」「作者名」「作品紹介」「使用ツール」といった全員に共通する必須情報を掲載し、上の画像のような6つのレイアウトパターンで統一化を図りました。タイトル、作者名は固定で、メインヴィジュアルに合わせて変化のあるレイアウトです。

続いて後半2ページは、「作品が生まれたきっかけ」「制作で大事にしていること」などの質問を掲載しています。作者にあらかじめ写真多め文章多めか、レイアウトの希望を聞き、作品に合わせて質問数を調整しました。

04.完成

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簡易校正では写真の色味などをチェックをし、理想の状態に近づけるための調整をして入稿しました。手元に完成品が届くまでは仕上がりが想像できなかったのですが、完成したカタログの出来栄えは想像以上で、約3ヶ月の成果が報われた瞬間でした。ご協力いただいた渡辺印刷様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。最後まで丁寧に相談にのっていただき、本当にありがとうございました。

このnoteを読んで、「中身が気になる」という方も少なからずいるかと思います。今後、公式webサイトにて公開を予定しているため、続報をお待ちください。

最後のご挨拶

本日まで、情デ卒展2021「そして、」公式noteをご覧いただきありがとうございました。
1つ前のnote記事でもお伝えさせていただいきましたが、多くの方のお力添えにより卒業制作展を開催できたこと改めて厚く感謝申し上げます。
この先も本コースの卒展は開催されていきます。その際も是非、足をお運びいただけると幸いです。

こちらの投稿を持ちまして、情報デザイン学科情報デザインコース卒業制作展2021「そして、」の活動を終了とさせていただきます。最後までご覧頂き本当にありがとうございました。

多摩美術大学美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコース 卒業研究制作展2020実行委員

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📍展示終了後もイベント開催中
3/13(土) 12:00〜3/20(土)11:59
Talk show「私の分岐点」(youtubeにて1週間限定公開)
本学科の卒業生である映像作家の林響太郎さんとデザイナーの梶原恵さんをお迎えし、お2人の今までとそこから繋がる未来についてのトークを繰り広げていただきます。


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