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100億円よりも大事なのは「イメージ」だと、トヨタは私たちにも教えてくれた。

2020年東京オリンピックは、2021年7月23日に開会宣言され、2021年8月8日に閉幕しました。

1年延期した上に、開催直前までゴタゴタ続き。「これまで見たこともない」オリンピックでした。

「本当に開催できるのか、開催してうまくいくのか」。

そんな中で、記憶に鮮明に残ったのは、トヨタを皮切りに、各スポンサーが「CM自粛」を決めたというニュースでした。

特にトヨタは、オリンピックの「ワールドワイド・パートナー」として、協賛金は、年間100億~200億円前後だという報道もありました。

「そんなにイメージって大事??」最初はそのくらいのことしか考えていませんでした。が…

人はかなりイメージありきで行動します。だからイメージは大事です。

私は以前グラフィックデザイナーをやっていました。デザインは特に「イメージありき」です。今日は自分の実例を少し交えてお話しします。

人はイメージできないと、行動にうつさない。

人は、持っている情報の中から自然に「イメージ」を形成します。これはごく自然にやっていることで「イメージなんかするな」といったところで無理です。

例えば。

10万円のコートを、もうずーっと買うか買わないか悩んでいるとします。

10万円のコートを着ている自分を「イメージ」しています。自分にとって10万円かそれ以上の価値があるか、いろいろ考えています。

イメージして買うか買わないか判断しようとしているのです。

人は仕事中も常にイメージしています。段取りを組んでから仕事をすることはよくあります。ゴールのイメージが明確であれば、ゴールまでどう動けばいいかイメージできる。後は実際にやるだけなので、仕事が早くなります。

例えば、アニメの絵コンテ。見たことがある方もいらっしゃると思います。明確な絵コンテと明確な指示があれば、複数のクリエイターが一斉に動くことができます。

通販カタログの制作も、これにとても似ています。

明確なイメージを複数人で共有すれば、複数人が同じプロジェクトを遂行することができます。人を一斉に動かすことができます。

人は飲み物ひとつ買うにも、イメージしている。

こうして考えてみると、日常生活は「イメージ」の連続です。

猛暑の中、水が飲みたくなった。次に自販機かコンビニを見つけたら買おうか?早めに水分補給しないと熱中症になるかも。早めに補給すれば間違いない。…いやいや、あと40分で家に着くし、我慢できるかな?

いいか悪いかは別として、これもイメージです。

今日はあっちの喫茶店よりもスタバで気分を上げたい。初デートはちょっとおしゃれなイタリアンがいいかな? プレゼントはこっちのほうが喜ぶかな…?

日常はイメージの連続です。

小さいことや簡単なことも自分なりに判断して行動します。その行動につながる判断に直結するのが「イメージ」です。

人のイメージを変えることは、自分の魅力(武器)になる。

今すぐ水を摂らなかったら熱中症は確定なのか、40分後には家に着くのだからそれまで耐えれば問題ないのか。

実はイメージしている時は、それが実際に正しい判断だったかは、まだ決まっていません。決定ではないので、別の情報を加えることで、そのイメージを変えることができます。

「思いこみ」もイメージです。食べず嫌いなんかがそうです。見た目だけでどうしても受け付けられなかったのに、あんまりみんなが「美味しい」と言うから、思い切って食べてみたら美味しかった、とか。

イメージを変えることで、時にそんな満足をもたらす事があります。

10万年のコートを買うべきか悩んでいる方に

素材が軽く丈夫で丁寧に処理された、ベーシックなデザインは流行を問わない。毎年しっかりお手入れすれば何年でも使える。ハイクオリティなアイテムをひとつ持つだけで得られる満足感を伝えたら、イメージがまた少し変わるかもしれません。

仕事にマンネリを感じている方に…ー

私が持っていく見積書は毎回あなたに作成してほしい。あなたが計算したものは信頼できる。私は安心して営業に出て、クライアントと話ができる。毎日同じことの繰り返しでうんざりしている見積作成者が、これを聞いたらどう思うだろうか。

商売なら購買意欲に繋がる。人間関係なら、思いもしなかった有益な情報をくれる人に魅力を感じ、また話したいと思ってもらえる。

ただ思ったことをそのまま伝えるだけで、十分効果があるのです。

より情報がある方が、即決してくれる率は高い。

こんな話をしていますが、私のnoteのメインテーマはフリマの活用術です。ここでも同じことが言えるので、少し触れたいと思います。

フリマサイトも同じで、その人が今持っている情報に更なる情報を加えるためにも、商品説明は大事です。

うさまるボトル

これはメルカリの商品検索画面の例です。同じものが、1450円と880円で出品されて、同日に売れていました。

同じ日に、同じ品が。なぜこんなに価格差が出るのでしょうか?

この商品を出品している出品者の商品説明は主に、商品スペック(サイズ、重量、素材など)や使用上の注意などの内容でした。

1450円の方は、小さいステンレス水筒の使い勝手の良さを述べていました。「小さいのでポケットにも入る」「200ml程度なら今冷蔵庫の中に冷やしてある麦茶をさっと入れてすぐに持ち出せる」など。実は1450円は私が出品しました。私はよくある情報以外に、感じたことをそのまま説明しました。

購入者様は、なぜ1450円で買ったのか。明確なことは購入者様にしかわからないことです。

商品説明が響いたのかはわかりませんが、欲しいものがそこにあって、買った方がいいとイメージして買ったはずです。

ちなみに、あれから日数経過したので、改めて状況を見てみました。

うさまるその後

値が上がっています。出品者側も「安くしないと売れない」というイメージから、何か変わったのかもしれません。

こちらが思っている以上に、購入側は情報が欲しい。

ネットショッピングには、購入者レビューというものがあって、商品の情報を、購入者が次の購入者に伝えてくれる機能があります。

良いレビューを集めることは、出品側に大きなメリットがあります。

使った人間でないと伝えられない言葉があります。出品側がアピールしなくても、レビューが語ってくれる、書く人が増えればどんどん情報が増える、ありがたいシステムです。実際、レビューが全くないと心配になって、すぐに購入しないこともありますよね。

購入する側は、有益な情報が欲しいのです。

逆に情報が少ないと、情報を探している間に、購入する側の興味が他に移って、ここへは戻って来なくなることも多いに考えられます。

これは通販だろうとフリマだろうと同じです。

トヨタが企業イメージをそこまで大事にする理由も、なんとなく分かってきます。

この情報も、どなたかにとって「利益以上のもの」になるかもしれない…。そう思って書いてみました。

思っていることは、これからも記事にしていこうと思います!



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