【創作】サドルを運ぶ少女

ある夏の夕方、バイト終わりにいつものように土手を歩いて帰ると一人の少女がガラクタの山から、自転車のサドルだけを持ち去り走りさる姿を目撃した。

それも、立て続けに3日。

近くの中学生のようだ、肩まである黒髪を風にゆらし、僕の横を通りすぎる。
3日目の3回目、それまで彼女の顔はよく見え無かったがさすがに、こうも続くと気になる。
「あの…」
声をかけようとした瞬間、彼女が一瞬こちらを振り向いた。
走り抜ける一瞬、チラッとみた黒髪と同じ黒く溢れそうな瞳。そのインパクトと力強い視線に射貫かれた。
結局、彼女は土手の向こう側に走り去り消えていった…。
後から知った事だが、彼女は同級生から通学用自転車をいたずらされていたらしい。
それが、イジメに値したのかは、わからない。
あの日、僕を射抜いた黒い瞳は何か強い意志をもった瞳だった。
僕はなぜか、もう一度その少女に会いたかった。

まだまだ、分からないことばかりです! 優しく教えてもらえる方、何卒よろしくお願いします。読んで元気になれる記事を出せるといいなぁと思ってます!