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今年のR-1がやけに楽しみな理由。

 3月7日にひとり芸日本一を決める大会「R-1グランプリ」の決勝が行われる。R-1という大会自体は2002年の10月からスタートしており、今回で第19回目を迎える。これまでもハリウッドザコシショウや博多華丸、霜降り明星粗品など様々なスターを生み出してきた。ただ、今年のR-1は一味違う。個人的には以前よりも魅力的な大会になると予想している。そもそも、今年のR-1は「新生」と銘打ち、名前の変更(R-1ぐらんぷり→R-1グランプリ)、出場資格の変更(芸歴10年以内、アマチュアの出場可が復活)、MCや審査員の変更など、様々な部分に変化をもたらしている。今年のR-1グランプリで注目すべきポイントを解説していく。
 まず1つ目に、フレッシュなファイナリストである。昨年のR-1ファイナリストの芸歴を平均すると約15年と、どちらかといえばベテラン勢の技を見る大会になっていた。それはそれで面白みはあったが、やはりM-1のような大会と比べると、少し玄人向けのコンテンツになっていたと思う。しかし、今回から芸歴10年以内という制限が設けられ、平均の芸歴は約6年とフレッシュさが全面に押し出されるようになった。若手ピン芸人の斬新なネタを見れる機会は少ないため、大会として面白くなるのはもちろん、新生R-1としても勢いを付けてくれるに違いない。どんな発想のネタが飛び出すのか、今から楽しみだ。
 2つ目に、審査方法の変化である。前回大会はブロック制が取られていたため、1位から3位は順位が出るもののその下の順位は出なかった。しかし、今回から点数制度が復活し、決勝進出者全員の順位が確定することとなった。これは地味だが大きな変更点である。点数が出ることにより、審査員もより厳格な審査を行うことができる。ブロック制は審査側が純粋に面白かった1人に票を入れる形式だったため、見ている側が納得できない結果になることも少なからずあった。しかし、審査基準が分かれば、納得できる要素が増え、結果的に見ている側も満足度の高い大会になる。また、来年以降の出場者がどんなネタが評価されやすいのかを分析するため、ひとり芸のレベルの向上にも繋がる。審査員がどんな意図で点数をつけているのかにも注目しながら見ていきたい。
 そして最後、3つ目はファイナリスト達のネタのジャンルである。今回のR-1で、それぞれのファイナリストが行うとされるネタのジャンルはコントとフリップのみである(フリップ→ZAZY、寺田寛明、kento fukaya、高田ぽる子。コント→土屋、森本サイダー、吉住、かが屋賀屋、ゆりやんレトリィバァ。なお、敗者復活組は含まず)。準決勝の審査でこのように意図的に選ばれたのか、はたまた偶然このようなラインナップになったのかは分からない。しかし、裸芸やモノマネ、歌ネタなど様々なジャンルが混在している時よりも、ネタのジャンルが絞られていた方が大会に集中しやすいと個人的には感じる。その中で、どんな発想をネタにしたのか、爆発力はどう違うのかなどを見ることで、より各々のひとり芸にのめり込むことができる。ファイナリスト1人1人の技量に注目しながら見てほしい。
 これらが今回のR-1で注目すべきポイントである。R-1が元々好きだった人はもちろん、さほど興味がなかったような人でも盛り上がれる大会だと感じる。新生R-1の王者に誰が輝くのか、3月7日を心待ちにしている。

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