翼をください
引きこもりキモオタの中学時代の話。
入部したサッカー部の練習のあまりのタフさと恐ろしい先輩らに完全に心が折れた。
死にたくなりながら帰宅。
テレビを点けるとその日に限って「トムとジェリー」がダークサイドの鬱展開でもう死のう。
翌日はもう完全にボロボロ。
薄暗い帰り道をトボトボと帰る。
鬱だ死のう。
脳内BGMは合唱コンクールで散々歌わされた「翼を下さい」ところがこの詩は飛び降り自殺のメタファーなんだと悟りさらに死にたくなる。
いま私の願い事がかなうならば翼がほしい
この大空へ翼を広げ飛んでいきたいよ
悲しみのない自由な空へ翼はためかせ逝きたい
あかん
完全に心折れた中1のもやし君。
そこで目に入ったのはポツンと佇むDYDOの小さな自動販売機。
ダイドーブレンドコーヒー
そのほろ苦い甘さは心に語りかけ本当に癒された。
今でも時々無性に飲みたくなる。
あの陰鬱な薄暗い夕暮れにトリップできる魔法のコーヒー。
ダイドーブレンドコーヒー
ジョージアやポッカじゃ駄目なんだよ。
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