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55年目の新作、だけど再放送?

  人生で、ドはまりするほどでもないけど、なんとなく知っていて、なんとなく気になっているものがある。いや、好きなものよりそっちの方が多いかもしれない。自分にとって『サンダーバード』もそのうちの一つで、そこまで手ってして作品を見たり、グッズを集めたりすることはないんだけど、なんとなく超合金サンダーバード1号があったり、関連書籍が棚に挟まっていたりする。それはやはり海外特撮テレビシリーズであり、過去に何度か再放送をなんとなく見ているし、それなりに気になる存在だからかもしれない。でも深くはハマっていない。そんなサンダーバードが今回、『サンダーバード55』として復活した。今まで実写人間版やCG版といったリメイクが作られてきたけど、今回は当時と同じ人形劇。特別興行割引なし、という強気なスタイルはアニメ映画ではよくあること。なんとなく気になるので、宵戎に行く前に見に行った。

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 驚いた、再放送だ! いや新作だけどそう思ってしまうぐらいに当時の再現っぷりが凄まじい。どこか現代的なアレンジや技術を……ということはしない、あくまでも当時のまんま。ボイスドラマから再現された3つのエピソードを映像化、ということだが『長い間未放送になっていたフィルムが倉庫で発見された!』といっても騙せるぐらいのレベル。サンダーバードに詳しいマニアの人なら見抜けるかもしれないが、これまでなんとなくサンダーバードだった自分にすれば、見分けがつかない。エピソードの合間にテレビシリーズで活躍したメカの紹介や、『ザ・ショックス』並みのミニチュア破壊シーンが挿入されているが、新作と全く区別がつかない。それほどはまっていたわけではないけど、ITC作品の独特なデザインのメカにはどこか惹かれるものがあるし、戦闘機でもない、ずんぐりした輸送機のサンダーバード2号がいまだに人気なのもなんとなくわかる気がする。人形劇とアナログ特撮にこだわり、当時の再現を試みた結果、古い新作が生まれてしまった。それは技術やセットをただまねたわけでなく、当時の空気感も漂わせているところが大きいのかもしれない。それはカメラアングルや照明すらも当時のまんまだからかもしれないし、その再現にはかなりの苦労があったお思われる。

 映画の最後についていた、ロックダウン下でアパート(日本のアパートとの概念が違うと思う、たぶんかなりでかい空間でしょうね)で作られたという触れ込みの宇宙人形劇『ネヴュラ75』も60年代特撮の空気感の再現が凄まじい。これも当時つくられた幻のフィルムといわれても信じ込むレベルである。

 古いけど、新しい、人形劇だからなしえた驚異の再現特撮映画で、なんとなくサンダーバードの自分も凄く楽しめた。隣の席には小学生ぐらいの男の子とお母さん。いいものには時代も年齢も関係ないのです。

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 で、四条畷イオンではパンフとブルーレイが売り切れていたので、MOVIX八尾に飛んでパンフ購入。ブルレイはまた四条畷に再入荷した際に購入しよう。でも、熱しやすく冷めやすい性分なので、その頃まで購買意欲があるかどうか。分かっていれば最初から八尾で鑑賞しておけばよかったかな、と後悔しても仕方ないこと。帰宅して劇場版『サンダーバード6号』を見る。メカの発進シーンがさっき見た新作とまるっきり一緒、いや順番は逆なんだけど、サンダーバード1号が浮上の際、一瞬カクンと揺れる所まで再現しているとは、おそるべしイギリス特撮の力! しかし、ブルレイほしいなぁ(くどい)。

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