見出し画像

超ミクロと大マルチの小決戦

 あれ、と気付いた時には一日一回上映になっている。シネコンには今でも上映してくれてありがたいという気持ちと、こんな時間はちょっと行けないという気持ち、そのどちらの感情も混在してしまうものです。わがままな話、自分の都合のいい時間にやってくれるのがベストなのですが。

 そして『アントマン&ワスプ クアントマニア』も評判聞かないままに一日一回上映になっていた。こりゃいけない、今週末にはDCと東映のヒーロー映画がやってくるのです。なんとか時間があったので、近所のシネコンへ。

 

 『エンドゲーム』後のマーベル映画は新機軸を打ち出しつつも、エンドゲーム後の世界を描いて、なんとか繋いでいこうとしている感じ。あの壮大なエンドゲームの語の世界は消化試合のようなものです。


 アントマンはバツイチで前科持ちという、人間臭さが魅力的。神様だったり改造人間だったりする他のヒーローと違って、極めて普通のオッサンなのがいい。活躍する舞台も超ミクロな世界だったりご近所だったりするのがなんとなく親しみが持てるのです。でも宇宙の支配者と戦った後は他のヒーロー同様、さらに広い世界への飛躍を余儀なくされるのもシリーズものの宿命。彼の場合は、宇宙とは正反対の超ミクロな量子世界へ飛んでしまうのです。虚無の空間だと思った量子世界にも人がいて、生活があった! ミクロの世界というか、別宇宙という感じ、多種多様な人種が暮らし、チン網な動物やメカが跋扈する世界。そんな場所にもワルモノがいるのです、今回の悪役は、今後の再登場も示唆される征服者カーン。数多くの次元やマルチバースを破壊してきた男、だそうです。先週のエブエブに続いてまたもやマルチバース、そして可能性の数だけ分身してしまう世界! 

 そんな中でもアントマンは誘拐された娘のために、仲間と共に大きくなったり小さくなったり大活躍。前半は異世界での冒険がまるでスターウォーズ、後半はカーンを向こうに回しての大乱闘という感じ。

 活躍の幅が広がるたびに初期設定がおざなりになるのもシリーズものの常なのですが、今回は前作、前々作のキャラや設定もきちんとフォロー。あいつがあんなことになって再登場とか、ちゃんとシリーズを見てきた人間にはうれしいご褒美のようなシーンもありますが、アントマンの娘は別人に変わっていました。

 そろそろマーベル映画もいいかな、と思いつつも毎回新作を見に行ってしまうのです。しかし、もうサプライズにわくわくしたりすることもなく、おさらいすることが多くなってきたなぁ、という印象。とても配信作品も追っかけて見れないので、恒例のエンドタイトル後の映像も『?』となることが多くなってきました。

 なんだかクサしているようですが、映画自体は普通に面白かったですよ。
しかし、自分はもう新作ハリウッド映画を心から楽しめない年齢、体になってしまったのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?