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プルプル仮面と宇宙タンクトップ、そして謹慎キラーズ

 昨日は映画サービスデ―、そして珍しく土日がお休み。なら映画でしょう、と『シン・仮面ライダー』二回目を。初回に感じたアラや違和感はクリアしているので、二回目の方が心すっきりで見ることができた。アニメ口調もラスボス戦でダレてしまういつもの感じも大丈夫。でも、アクションシーンがどんどんアニメっぽくなっているのと、カメラも被写体もガチャガチャ動いて動きを省略している感じがどうも気にはなった。

 これが普通のアクション映画ならまだいいけど、仮面ライダーやからね。キライになれない、でも十分でもない。その微妙なバランスの上に立つ、歪な作品。しかも不思議な中毒性があるので困ってしまう。ひょっとしたらもう一回ぐらいは行くのかもしれない。そして本郷猛はかなり序盤からプルプル震えていた。


 入場特典三週分。特典が余っているということは、伸び悩んでいるのかな。集客や興行成績はショッカー以上の脅威ですよ。

 そして、続いて『フラッシュ・ゴードン』。42年前の作品が4kで復活! クイーンが楽曲担当してなかったら、へんてこなSF映画で終わってたかもしれないし、今回の復活もなかったかもしれない。

 宇宙の皇帝から地球を救うために本拠地の惑星に乗り込んだアメフト選手と婚約者と科学者。胸に『FLASH』と自分の名前をプリントしたシャツを着ている人はどうかしていると思うが、この映画自体が色々とどうかしているのでそれは些細な問題に過ぎない。とにかく英語は宇宙共通の言語なのだ、ということだけを知っておくと違和感なく見れる。いや違和感だらけか。ギンギラギンの衣装の宇宙人たち、油絵のようにぐにゃぐにゃした背景、リベット打ち込んだレトロ宇宙船が飛び交う世界が4kの高画質で目に刺さるほどに鮮やか。そしてこの絵物語的な世界を盛り上げるのはドッドッドッドッ……フラッシュ!ア・アー♪なクイーンの楽曲でないといけない。

 スターウォーズの向こうを張って復活した宇宙SFコミックの元祖は、スターウォーズとはまた違ったベクトルで面白くなっていた。公開当時はこけたらしいけど、豪華セットにかなり手間のかかった合成やミニチュアセット等々、超大作として作られたのですよ。

 色々と考えてしまうヒーロー、シン・仮面ライダーのあとに見たから明朗さも4K並みに鮮やかで、わかりやすい! 

 そしてその翌日、『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』を。女子高生殺し屋の日常を壮絶なアクションで描いた前作から、彼女たちは色々あって謹慎処分に。この物語の中では殺し屋協会というのがあって、あれこれと規約が厳しいのだ。『ジョン・ウィック』の世界観を日本風に解釈した感じ。上司ってのはわかってるようでわかってなくて無茶ぶりを振ってくるし、規則で縛ってくるし、殺し屋の世界でなくとも、どこでも一緒ですな。

 そんな彼女たちに挑戦するのはバイト殺し屋コンビ。人殺しにプロもアマもバイトもあるというのが可笑しい。でもそうしないとお話が進まないのだ。プロの殺し屋を殺して自分たちが成り上がる、というのは鈴木清順『殺しの烙印』見たいですが、物語の大半は主役コンビがダラダラ会話しながらスイーツ食ってるかバイトしてるかなのです。でもその日常があるからこそ、殺しのシーンの迫力が増してくる。

 アクションシーンは日本の映画でも見たことないような、殺すためのアクションになっている。それも段取りや打ち合わせを密にした上だろうけど、そう感じさせない生々しさがある。普段はへらへらしていても、仕事となればなれ合いを許さないプロフェッショナルとなる彼女たちがかっこいい。

 

 パンフレットは売切れ。そしてこの映画を観ると生姜焼き定食が食べたくなってくる。仕掛人藤枝梅安も食道楽だった。殺し屋とは、悩まず考えず、ご飯を食べるように人の命を奪っていくものなのだ。

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